Category [科学 ] 記事一覧
第四間氷期(2)
第四間氷期、多分これから数千年間は続き高温の地球となるだろう。この間、マクロに見れば人類の数は増え続け、間氷期の終了と共に人類は衰退していくような気がする(根拠なき感想です)。これからも多少のゆらぎはあるにせよ、毎年暑い夏が観測されるのだろう、そんな今年の8月、記録に現れない目に止まった気象上の椿事を記しておく。1)シンプルな天気図天気図には高気圧や低気圧があって絵では縞々がたくさんあるのが通常だ...
第四間氷期
7月の気温に関して日経新聞には「12万年ぶりの暑さ」とか「地球沸騰」とか派手な記事が並んでいたが、8月も負けずに暑かった。 気象庁HPにある昨日までの30日間の平均気温の平年値との偏差分布図。日本の東半分が真っ赤な観測点で覆われ、いかにも暑そうな雰囲気はわかる。しかし右側の温度偏差の目盛りは+2度止まり、言い換えると30日間という中期間で見た場合、+3度以上の偏差はありえない、ということを意味する。気象庁原...
台風6号下の沖縄の天候
今回の台風6号、大型で非常に強いだけでなく、沖縄本島をいたぶるように南側を通り北側を抜けるというまるで沖縄に恨みでもあるかのような異常な経路を描いた。この間はほぼ6日間。台風というのはあるポイントにとっては通常一日で抜けるものだから稀有な出来事である。台風6号が沖縄に最接近した後の8月2日午前9時半ごろの可視光の画像(左)と着色された赤外線画像(左)。 同時刻の雨量解析付きの雨雲レーダー画像。上の二つの...
梅雨明け宣言2023
気象庁が今日梅雨明け宣言をしたそうだ。「今年の東京は今日が梅雨明けかな。」とブログで記したのが7月10日、気象庁より12日も早かったから本ブログの勝ち、ということではないのだが、なんで今?、という疑問も払拭しがたいので検証。こちらは気象庁のHPにある東京の7月の日々の観測データ。梅雨の間は雨が多くて曇りの日が多くて、厳しい暑さにはならないが、梅雨が明けるとお日様のカンカン照りと猛暑の日々となることから、わ...
感情を持つAI (1)
昨日の新聞にあった福光恵というライターさんのコラム。マクラの一節にこうあり、確かにそうだろう。人工イクラだってあんなに本物に似ているのだから、人工知能(AI)だって人間の脳そっくりでもおかしくない。とくに生成AIときたら。例えば「中高年になってもピーマンが嫌いです。今から克服すべき?」というくだらない質問にも、「克服するかはあなた次第ですが、次のことを試してみては」と、多くのレシピを教示。怖いくらい真...
夏至と白夜(2)
先週の21日は夏至。北半球ではこの日が1年のうちで最も昼(日の出から日没まで)の時間が長い、ぐらいのことは小学生でも知っているが、日の出の時刻が一番早く日没の時刻が一番遅いわけではない。このことも一部の大人は知っているかもしれないが、では実際にどうなっているかを定量的に認識している人は稀だろう。そこで親切にも今年の6月の東京の日の出と日没の時刻の推移を示したのが下図(著者謹製)。日の出の時刻は確かに夏...
昨日も歴史的な瞬間の目撃者
台風2号のスピードが減速したので本州接近が遅くなったが、遅ればせながら台風2号からの湿った空気と閉塞前線が重なって昨日2日は日本の下半分は大雨に見舞われた。天気図を見ればいかにもという大雨の逼迫感に満ち満ちている。2日12時の天気図 東京も雨だったので一日家の中、ずっとウォッチしていたわけではないが、いい機会なので気象情報を随時眺めひと日を過ごした。ニュースでもしばしば言及されていた線状降水帯、今回...
猛烈な台風2号
NHKの気象情報のお姉さんが紹介していたが、派手な台風がグアム島付近を西北西に進んでいるそうだ。さっそく眺めてみるとなるほど派手、目もぱっちりしてピチピチ感が漲っている。名前はMawarだそうで、マレー語で薔薇だとか、なるほど。現在地、すなわち日本との位置関係と大きさのイメージは「ひまわり」の衛星画像を見るとよくわかる。まだまだ日本のはるか南方海上で、中心の気圧は910ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55...
「ディープマインド」社
現在の世界における様々な激変の渦の中で、最大のインパクトのある要素は、地政学上のゴタゴタでも脱炭素化でも世界的なインフレや日銀の行方でもなく、人工知能(AI)の進化だと思っている。同様の認識なのか、先週から日経新聞でも「AI Impact」と題して特集記事の連載を始めた。人工知能(AI)の進化が新たな段階を迎えた。人間をしのぐほどの高度な言語能力を獲得し、幅広い知的作業を担い始めた。人類は「自らより賢い存在」...
生命の起源は宇宙???
先日、日経新聞朝刊の一面にこんな記事が掲載されていた。主旨は「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料を分析し、「ウラシル」をごく微量だが検出したというもの。ウラシルはRNAの構成要素の4種類ある塩基のひとつである。見出しだけは「生命の起源、宇宙にも 遺伝情報担うRNA原料、初確認」と正確に書いてあるが、しかし記事に添付された図や記事は、注意深く書かれてはいるが、まるで地球の生命体の起源は宇宙に...
積雪深ゼロ
昨日、アメダス藤原の積雪深の観測値がゼロになった。3月中にゼロになると思っていたが想定したよりも早い。今シーズンの降雪量が少ないことが主因ではあるが、この冬の気温が平年に比べて異常に高かったことも早い雪解けの大きな要因である。昨日までの30日間の平年との気温差をみると全国的に+2度以上の真っ赤か、目盛りの最高値が+2.0度までしかないのは、30日という中期間で2度以上になることが極めて稀な現象であることの証...
最高気温はマイナス12度
12月23日に「去年が記録的大雪の積雪3メートルを記録したので、今シーズンの雪は少ないと非科学的に予想する」と書いたのだが、お正月に意外な大雪に遭遇、すぐに自己批判の文章を綴った。しかし、今シーズンの積雪はやはり少なく終わるようだ。黄色の今年の積雪深の推移に現れたように平年値(白)を大きく下回る。「非科学的に予想」と謙遜して書いているが、思えば「自然」は概ね平年値に落ち着くものなので、記録的大雪の翌年...
世紀の愚行
今に始まったわけではないのだが、二酸化炭素(CO2)を回収し貯蔵するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)という技術がある。井戸を掘り、地下の砂層など孔隙の多い地層に気体のままCO2を封入するもので、大気中へのCO2放出を回避し地球温暖化対策となると本気で信じる人も少なからずいるようだ。世の中にはコロナのマスク騒ぎがいい例だが、傍から見ると狂気のようなことが当然のこととして信じられ、結果として莫大な損失...
大寒波の顛末
今回の大寒波、稀に見る強くて巨大だけあって新聞テレビも大はしゃぎで連日誌面や画面で大きく報道していた。NHKのニュースしか見ていないが、大雪の予想される日本海側にカメラとアナウンサーを派遣、大雪被害の模様を実況したいという気分がひしひしと感じられたほど。一昨日の夜だったと思うが、北陸のどこかでアナウンサーが15センチほどの新雪に手を指し込んで、想定外の少量の雪にもかかわらず悲壮感を演じていたのが痛々し...
最高気温はマイナス49度
来週は寒気団が南下、雪の日が多そうなので明後日の金曜から山荘に行くことにした。今シーズン4回目のこの寒気団、先週から高層天気図の上部に顔を出していたいたのだが、なかなか降りてこなかった。今週になって姿が見えてきたが、これまで見たことのないほどの巨大にして強力な寒気団である。500hPa等圧面では、‐48度以下の寒気はめったに表れることはなくまた現れても小さなエリアなのだが、今回の寒気団では巨大。下図は20日...
初雪
今朝、水上高原ホテルのライブカメラを覗くと一面が雪に覆われていた。12月2日にもまだらに雪があったから初雪ではなさそうだが、では初雪って何?ウイキペディアには「初雪は、その冬初めて降る雪」とあった。なるほどわかりやすい説明のような気がする。でも「降る雪」って何?と自問すると意外に曖昧なことに気付く。何をどのように測定して、どのくらいの値が閾値なのかとなると答えられない。さすがにウイキペディアには続い...
マンデルブロ集合 : 1兆×1兆倍の彼方
マンデルブロ集合について初めて記事を記したのが6年前の2016年。この間の汎用パソコンの性能も飛躍的に拡大したおかげで、先日改めてマンデルブロ集合について検索すると多数のレベルの高いページがアップされていた。その中の一つがタイトルにした「マンデルブロ集合 : 1兆×1兆倍の彼方」というYou Tubeの動画。マンデルブロ集合のごく一部分を1兆×1兆倍まで拡大していく動画である。普通の人にとって、1兆倍といわれても「ああ...
「なんとなく、フラクタル」
円高(?)のトレンドが想定以上に長期化しているが、先週末に円ドルの推移においてフラクタル構造が現れた。多分世界中でそのことに気が付いた人もしくは記事にした人は皆無と思われるので、この歴史上の貴重な現象を記録しておく。この記事のタイトルは、田中康夫が1980年に発表した小説『なんとなく、クリスタル』から。この小説を知っている人も数少ないことだろう。フラクタルって聞いたことがあるような気がするが、それって...
三か月予報
「今日22日、気象庁は3か月予報を発表しました」との記事を見て、さっそく気象庁のHPを拝見した。ちょっと脱線するが、今日は2022年11月22日、並べて書くと20221122。資料や画像をパソコンに保存する際ファイルの名前が必要となるが、実はあらゆる資料や画像にこの並べた日付を頭に付けて整理保存している。今年を22年と略して書くと221122、だからどうしたという話ではあるのだが、数字のペアが対称形に並ぶ日は少なくとも100年に...
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