Category [音楽美術文学芸能 ] 記事一覧
矢野顕子の弾き語りコンサート
先週の木曜日、「矢野顕子 リサイタル ‐ピアノ弾き語り‐」なるライブに行ってきた。トリオとの共演が多いが、ピアノ一台での弾き語りが好き、久しぶりの弾き語りのライブであった。「矢野顕子は現代最高のピアノ弾きのひとりだと思っている」とある人が書いていたが同感。最後に本日のプレイリストを載せたが、多分普通の人の知っている曲は「春先小紅」だけだろう。毎度のことであるが、歌詞は同じだがかすかにメロディーの痕跡...
「山のパンセ」
1958年に創刊され、83年に300号で終刊するまでに多くの人々を魅了した文芸誌があった。哲学者、串田孫一が責任編集を務め、「山の文芸誌」をうたった「アルプ」である。こんな書き出しで始まる一文が日経新聞の文化欄に掲載されていた。「アルプ」を見たことがあるのかどうか分からないが、記憶には全くない。それにもかかわらず目に止まったのは「串田孫一が責任編集を務め」という一節があったためだった。学生時代、串田孫一の...
村上春樹と浦上玉堂
昨日の花小金井‐青梅間のバスで読み始めた村上春樹の最新作「街とその不確かな壁」、小説は『きみがぼくにその街を教えてくれた。』の一行から始まる。読み進むと、まるで1980年代の村上春樹の世界そのままの文体で、かつモチーフも「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を彷彿とさせるイメージの世界が展開されていった。「海辺のカフカ」を最後に村上春樹の新作を読む気が無くなっていたが、昔の村上春樹に還ったよ...
世紀の奇才:佐々木大地
昨日から王位戦が始まった。藤井王位に佐々木大地七段が挑戦する7番勝負。6月から棋聖戦が始まっており、こちらも藤井棋聖に佐々木大地七段が挑戦する5番勝負。藤井にとっては連続してのタイトル防衛戦になるのだが、相手は全て佐々木大地七段である。藤井対佐々木の12連戦 タイトルへの挑戦者になるということは数多の棋士の頂点でもあるわけで、部分的には棋士のナンバー2の地位。そういえば佐々木大地って知らないな、とい...
王座戦:世紀の大逆転
一昨日の20日火曜日に第71期将棋王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定トーナメント(本戦)2回戦(準々決勝)の藤井聡太七冠(20)が村田顕弘六段(36)戦が行われた。この将棋、当日の午後に覗くと藤井の苦戦中、これでは負けるかもと思っていたが、夜のニュースで逆転勝ちをしたことを知った。翌21日、準々決勝とはいえ主催紙である日経新聞は朝刊に記事を掲載していたが、見出しは地味に「藤井七冠、将棋王座戦ベスト4」と...
「青のオーケストラ」とカノン進行
今、3本のアニメを毎週見ている。「鬼滅の刃刀鍛冶の里編」と「不滅のあなたへ Season1」、そして「青のオーケストラ」。 「鬼滅」は録画を、「不滅」はネットから、そして「青のオーケストラ」はリアルタイムで見ている。いずれも面白いから見ているわけだが敢えて順位をつければ「青のオーケストラ」がストーリー的にも脚本の出来も良く、絵も快い。さて今日は雨の日曜日、お昼を食べながらNHKの囲碁を見て、食後は6月分の新聞...
骨を切らせて脳髄を切る
日曜日に、藤井聡太叡王(20)=竜王・王位・棋王・王将・棋聖との六冠=が90手で挑戦者の菅井竜也八段(31)を破り、対戦成績3勝1敗で防衛、叡王3連覇を達成した。藤井叡王は六冠を堅持、通算タイトル獲得数を歴代7位の14期に更新した。将棋のタイトル八冠の一つではあるのだが、一般には名の知られていない棋戦のためか叡王戦に対しては新聞の扱いも地味。29日の日経朝刊 この第4局、2回の先日手の後の指し直し局という異例の...
ビルボード東京
GW後半初日の5月3日はビルボード東京での土岐麻子のライブだった。5月2日に山荘から戻ったのもそのため。ビルボードに行くのは久しぶり、ブログを検索すると前回行ったのは2019年12月と3年以上も前のこと。ちなみに最初の記事は2013年の12月で、期せずして土岐麻子のライブだった。スタイリスティクスやマリーナ・ショウのライブにも行ったがブログに記述がないからさらに昔のことである。スタイリスティクスは1970年代のアーティ...
「街と、その不確かな壁」
村上春樹が6年ぶりの長編小説を出版したというので先日買い求めた。読書には3種類あるそうで、曰く朗読、黙読、そして積置(つんどく)。もちろんまだ積ん読状態。土曜日の新聞には書評も出ていた。6年ぶりの長編小説だが、それ以上に43年ぶりという前置きが必要だろう。デビューから間もない1980年に「文學界」に発表した「街と、その不確かな壁」を、著者は未熟な失敗作としてずっと封印してきた。85年に『世界の終りとハードボ...
フリーセルの称号
自慢にはならないが、ゴルフに較べて絶好調なのがフリーセル。フリーセルのフリーアプリはいろいろあるだろうが、筆者がプレーしているのはLAVIにもそして現在のdynabookのパソコンにも購入時に装備されているマイクロソフトのフリーセル。昔はプレイ中CMが入ることはなかったのだが、いつしか開始時に加え、3-4ゲームすると自動的に30秒のCMがはいるようになってウザいことこの上ない。しかしCMが入るとゲームを止めるようにな...
「THE FIRST TAKE」
日経新聞の「Biz ランキング」というページに「Z世代が見るYouTubeチャンネル」という大きな記事が掲載されていた。日経新聞の記事にはZ世代というのは1980~90年代生まれの人たちと記していたが、後述のランキング調査では16歳から24歳を対象にしている。その調査結果について書いているのだから、余計なことを書くなよ、と私ならその部分を抹消するけど。ちなみに、記者は「目を引くのが9、10位の『切り抜き動画』」として記事...
チェシャ―猫
昨日の句会でこんな句を投句した。兼題の一つが「気」の字の読み込みだったので「気配」として作ったもの、いわば言葉遊び。採ってくれたのは一人だけだった。笑ふ猫の吾を見る気配春の夜「笑う猫」がどこそこの化け猫を彷彿とさせて春の夜の感じが出ている、との講評だった。しかし作者、すなわち私にとっては「笑う猫」といえば「不思議の国のアリス」に出てくるチェシャー猫(Cheshire Catなのでチェシャ―猫と書かれるべきだが...
渡部棋王の強運?
第48期棋王戦五番勝負第3局の渡辺明棋王対藤井聡太竜王戦、昨夜のテレビ、今朝の新聞でも報道されたように174手の大熱戦を制し渡部が勝った。日経新聞には「この日の将棋は二転三転の大熱戦で、最後は藤井五冠が後手玉を詰まし損ねてうなだれる珍しい場面も見られた」とあった。この棋戦、持ち時間が4時間で後は1分の秒読み。最後の数十手は全て秒読みだから、いくらプロと言えども、終局時は共に精魂尽き果てた状態だったこと...
東京五美術大学連合卒業・修了制作展
久しぶりに六本木の国立新美術館に行ってきた。ブログを検索すると前回は2016年の8月のルノアール展だったから7年ぶりになる→こちら。ここは入口に立派な喫煙所があったはずだが、記憶の場所にない。あれ?と思いつつ入口の平屋の裏に回ると、公園によくある喫煙所が屋外にあった。そこに張り紙があり、なんと「ヘビ出没注意」。国立新美術館の庭にはヘビが出るらしい。本来、ヘビから安全な場所に喫煙所があったわけだから、喫煙...
「アーティスト別モノマネ頂上決戦」
孫たちが好きなので水曜の夜はTBSの「東大王」にチャンネルを合わせることが多い。孫たちと言っても積極的なのは一年生の上の子、親たちもけっこう盛り上がるので下の子たちも訳がわからないままに付き合っている。時々東大王より先に正解できることがあって、それが嬉しいようだ。これは親もおなじ。上の子は、画像が出てこれはどこの国かという問題に対し、まぐれで「中国」と叫んだのが正解で、東大王に勝ったと大はしゃぎ。今...
藤井五冠の強運
先週は藤井聡太五冠の大きな対局が3局あり、まるで藤井ウィークの様相だった。特に王将戦第5局、羽生善治という現在は無冠だが将棋界において有史以来の大天才とのタイトル戦、世の関心が多少集まるのもわかるが、第5局とは途中経過にすぎない。プロ野球で言えばペナントレースの夏の一試合の結果のようなもの、それが日経新聞の社会面にも写真付きの記事が掲載されるほどだから、大谷翔平並に国民的アイドル(?)化しているのか...
大英博物館とテート美術館(追記付き)
「再生ミュージアム十選」という書き物が日経新聞朝刊の文化面に進行中で、今朝は第3回、どこだこれは?と思った画像、なんと大英博物館だった。原型は1846年の建築、全体に重厚かつ厳かな雰囲気で、正面玄関はギリシャ神殿の雰囲気が醸し出されていた。それが2000年に大改造されたそうだ。写真で見ると、旧大英博物館の雰囲気が見事に破壊されたように見える。しかし、建物には一切手を触れていないそうで、中庭に巨大なガラス天...
ヒグチユウコ展
ヒグチユウコについてはブログ内を検索するとこれまで6本の記事を書いていた。最初は2019年の12月。知った経緯は「ほんやのねこ」に記載(→こちら)してある。この時彼女の絵本を3冊購入、その感想は、「この絵本が素晴らしい。まず絵が凄い。かつて見たことないシュールなもの。本の内容、「このおはなしはある小さなほんやのなぞめいた女主人についてです」と始まる。全部で11の話からなるが、それぞれが意味はなしているが内...
トランスジャパンアルプスレース(続)完成版
トランスアルプスジャパンレース(TJAR2022)、自分には全く手の届かない超人たちのイベントではあるが昔から微かな共感のようなものがあった。その前にまず、レースの実態を簡単に記しておく。レースは富山県の海岸から静岡県の海岸まで、北アルプス、中央アルプス、南アルプスを8日間以内に駆けぬけるというもの。総距離は 約415キロ、累積標高差は 約27,000に及ぶから富士山を海岸からを7回往復するようなもの。TJARのHPにある...
矢野顕子さとがえるコンサート2022
毎年12月の恒例の行事と化してきた矢野顕子の「さとがえるコンサート」に行ってきた。昨年はNHKホールが改修工事のため東京国際フォーラムCホールでの開催だったが、今年は改めてNHKホール。バス停の渋谷区役所で下車すると期せずして「青の洞窟」のイルミネーションが再開されていた。2020年の「さとがえるコンサート」の時は新型コロナ騒ぎでイルミネーションは中止、当時の東京の感染者数は日々600人ぐらい、現在は12000人と20...
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