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水爆の物理

北朝鮮の水爆実験成功のニュースを目にした時、水爆というのは高度な核分裂の制御技術が要求されるから北朝鮮ってすごい、という第一印象だった。ただ1秒後には、北朝鮮のニュースで見る技術関連施設の映像からみて、そんなことはありえないよな、と冷静な感想に落ち着いた。実際、地震波を見る限り地震波の振幅は同じなので、水爆実験を試み原爆は起爆したが水爆の起爆には失敗、ということだろう。

20160107水爆地震波形

新聞では原爆と水爆の違いや多少の技術的解説記事も掲載された。世の中それで十分だが、内容に隔靴掻痒の感があるので水爆の物理についてまとめておく。少々マニアックというか核融合オタク系の話。

水爆は原爆とメカニズムが違い核融合反応を利用する。重水素(D)と三重水素(T)の核融合がメインの反応だがそう単純なものではない。三重水素が自然にはない元素であるために、反応過程の中でリチウムから三重水素を生成するように次の複数の反応が組み合わせらている。
水爆反応1

次にエネルギーの生成のしくみ。上記DT反応を図示したのが下図。DとT,併せて2個の陽子と3個の中性子が核融合して、ヘリウムと中性子になる。陽子と中性子の数は変わらない。では、どこからエネルギーが生まれるのか???これが今回の本論。
核融合

原子核の質量は質量分析計という装置で測ることができるが、実際の原子核の質量はその原子核を構成する陽子と中性子の質量の和より少し小さいことが分かっている。これを質量欠損という。質量欠損は原子核の結合エネルギーが質量の減少という形で観測されるもので、実際の測定結果も非常に良い一致を見せている。原子核の結合エネルギーの大きさは質量公式によって説明される。

具体的にDT反応をみてみる。両辺の質量は下記の通り(単位のuは炭素C12の質量を12uとした単位)。
D + T = 2.014102u + 3.016050u = 5.030152u
He + n = 4.002603u + 1.008665u = 5.011268u

核融合によって右辺の質量は差し引き 0.018884u(0.4%)小さく、質量が減少している。この質量減少分イコール結合エネルギー減少分。結合エネルギーはポテンシャルエネルギーで、DとTで存在するよりHeだけの方が結合エネルギーが小さいと考えればわかりやすい。この質量の減少分を有名なEinsteinの方程式E=mc2で換算したものがDT反応による解放されたエネルギー、すなわち水爆のエネルギーの主要部分になる。cは光速なので、その2乗が含まれるこの式によって得られるエネルギーが莫大なものになることは想像に難くないだろう。計算してみると、5グラムの重水素と三重水素で4トンの0度の水を100度まで熱することができる(あっているかな?)

なるほど、と自己満足。

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