風の行方とハードボイルドワンダーランド

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金融緩和の「総括的な検証」の検証

さすが日経新聞とあって、一面トップ記事なのは当然として、5ページにわたりいろいろな関連記事が掲載されていた。日銀のHPにそのネタ元の資料がこれまた当然ながら公開されていて、全55ページの大作、「目で見る総括的検証」なるダイジェスト版もある親切さ。

このブログでも金融緩和系の記事を何回か書き下ろしており、「ブログ内検索」で「金融緩和」を検索したところ2014年11月5日から12件がヒットした。量的金融緩和の実態は、日銀が銀行の保有する国債を買い上げて、銀行はその代金を日銀の当座預金に移すだけだから、物価上昇に寄与することはないんじゃない?というのが基本的疑問だった。最初に書いた「量的金融緩和の正体」(→こちら)は問題の出発点の記事としては秀逸。その他、結構いいことが書いてあるので検索のほど。

さて、日経新聞には書いてない無いポイントを日銀資料から拾ってみる。当初の目論見。日本経済のデフレ脱却を目的とする異次元量的金融緩和が原点で、その測度として2%の物価上昇を2年間で達成するとしていた。そのメカニズムとしてごちゃごちゃ言っていたが、後日まとめられたのがこれ。一言で言うと、大量の国債を日銀が買い入れることにより、金利全体が下がり投資が回復するから、というようなもの。いくら金利を下げても投資する対象がなければ投資すなわち需要は増えないんじゃない、というのが素朴にして日銀殺しの疑問だった。
20160921検証1

で、結果だが、株価の上昇と円安の誘導、並びにイールドカーブの低下に関しては大成功だったものの、肝心の物価上昇率に関しては未達、というのが日本の常識。今回の検証は、未達要因の説明と、下がり過ぎたイールドカーブの修繕策、というのが個人的印象。
20160921検証2

日銀の説明資料に興味深いものがあった。量的緩和なかりせば、消費者物価はもっと下がっていたよ、というシミュレーション結果。円安と株価上昇のあるなしのケースも示されている。良く見ると、金利低下より円安と株価上昇の方が物価上昇に効いている、という結果になっていて、当初想定していたメカニズムとは逆の結果になっている。すなわち、金融緩和により、金利低下も生じるが、円安と株価上昇も生じて、デフレ脱却=物価の上昇には円安、株価上昇の方が大きかったということ。株価上昇は円安の関数でもあるので、金融緩和より強力な円安となる政策を実施した方が賢明、という帰結になる。

ではどうすればよいか? その答が今年の3月に示されている。こういう姿勢がその辺の偉そうに感想文を並べるだけの経済専門家と本質的に異なるところ。それがこれ→日本経済の閉塞状況打開の秘策

一方、このグラフに付けられた日銀のコメントは「前提を変えた4つのケースのうち3つではデフレ状態が続いていたとの結果になりました。」という簡単なもの。日銀の官僚に任せておいて大丈夫かなと大いに不安。このブログを読んでくれたら日本もずっと良くなるのに・・・。
20160921検証3
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