風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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経済的欲望の非合理性の起源

先週の日経新聞に面白い記事が連載された、題して「投資のあるある」。人間の欲望の非合理性を最近の経済学をもってわかりやすく解説したもの。むしろ経済学というよりは脳科学、もしくは人間の心理の観察結果と言った方が正しい気がするが、それはともかく以下簡単に紹介。

まず質問、どちらを選びますか?。
  A:「無条件で100万円もらえる」
  B:「コイン投げで表なら200万円もらえるが裏ならゼロ」


次に200万の借金があると仮定する。
  C:「無条件で負債を100万円減額」
  D:「コイン投げで表なら全額棒引きされるが、裏ならそのまま」


 多くの被験者が選ぶのが「AとD」。だが、実はこれは矛盾した選択だ。どちらの質問でも経済的メリットの期待値は「100万円」。最初のもうけ話で堅実なAを選ぶなら、次の借金でも堅実路線Cを選ぶのが理にかなう。だが、実際に選ぶのはD。借金=損失は、脳内で恐怖体験として処理されるため、確率50%でも損を避けられるなら、可能性に賭ける。それほど「痛い」のだ。

「人は機械ではない」と心理学的要素を加えるのが「行動経済学」で、米国のカーネマン教授らが「プロスペクト理論」でノーベル賞を受賞したそうだ。人間は絶対額よりも元本へのこだわりが大きく、また10万円のもうけで得られる喜びより、10万円の損で被る悲しみは約2倍も大きいというもの(下図)。これって科学ではないと思うが、確かにそうだよなと納得。
投資のあるある1

次が塩漬けの心理分析。これは下図を見た方が早い。
投資のあるある2
人は自分の判断と結果の不一致に直面すると、不快に感じる。米国の心理学者フェスティンガーが提唱した認知的不協和と呼ばれる状態で、それを解消するため都合の良い理屈を付けがちになる。
株を買うときは「絶対に上がるはず」と思って買うわけだが、株が下がってくると「下落は一時的」と脳が理由を付ける。更に下がるとその株がいかに魅力があるかを示す情報を集めるようになり、業績が悪化しても「悪材料は出尽くした」などと都合の良いように考える。最終的には含み損がかさむと感覚がマヒする感応度逓減をきたす。ここまで来ればモルヒネのようなもので、塩漬け株は換金されず眠り続ける。そうだよね。

最後にまた質問。 今日が給料日前日として、どちらを選ぶか。
 A:「今日10万円もらう」
 B:「1年後11万円もらう」


多くの人はAだろう。しかし 「お得度」はBが抜群、Bの利回りは10%なのだから。人間の心は「今の利益」に飛びつく。たとえ時間をかけて複利運用すれば、大きく膨れるとわかっていてもだ。 それを知りつつ「今欲しい」心理を行動経済学は「双曲割引」と呼ぶ。価値を縦軸、時間を横軸にとり価値認識の変化をグラフにすると、「今」が一番高く、離れるや一気に価値が減じ、後はなだらかに双曲線を描いて下落する。
投資のあるある3

以上人間の経済的非合理性があからさまにわかって面白いのだが、どうもこれは質問された個々人が愚かなのではなくて、人間の脳が目先の慾を優先するようにできているではないか、ということに気付いた。生命の誕生以来、生物は生きるためにまず餌を獲らねばならなかったので、目先のものを獲るようにプログラムされている、というのが我家の結論。
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