風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

Entries

温暖化対策を語る前の基礎知識

梅雨入りしてなんとなく鬱陶しい日々が始まったが、けっこう爽やかだったのが米国の「パリ協定」離脱のニュース。気候変動枠組条約締約国会議という大掛かりな組織があり、たまに何らかの合意ができることがある。最初の合意がいわゆる「京都議定書」(COP 3 )で1997年12月にCO2の削減目標や削減枠の取引という常人には理解し難い枠組みが合意された。その効力に見るべき成果がなかったのか、2015年12月に改めて気候変動に関する国際的枠組みとして採択されたのが「パリ協定」(COP21)、2016年11月現在の批准国、団体数は欧州連合を含めて110だそうだ。内容は右図、NHKから拝借、短くてわかりやすい。そんな協定を「不公平だから」と離脱したのだから、世界的にも非難轟々、本心は「そんなものに真面目な顔してつき合っていられるか}といったところだろう。日本国内の出来事であったなら、空気を読めないやつ、というレッテルを貼られていじめに合ったに違いない。
パリ協定離脱 パリ協定

「温暖化対策」、世の中は「CO2削減」と同意語になっているようだ。現在の地球の温暖化傾向は事実であるし、温暖化の要素として大気中のCO2や他の物質濃度の増加もあるのは確かだろう。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」という組織があり2013-14にまとめれた第5次評価報告書(AR5)に記載されたスタディ結果が下図。CO2削減が穏やかなケースと厳しいケースのシミュレーション結果が示され、CO2を今から削減しないと大変、というのが主旨。これを見ればたいていの人はそう思う。この図を否定するわけではないが、シミュレーションというのは前提とモデル次第でどんな結果でも得られるものなので、「IPCCのモデル計算では」、という枕詞を付けて図を見なくてはならない。
ICPP AR5

さて一般人がそう思う背景は実際の感覚もあるが観測値でも明らかである。下図は図の表題どおりで本ブログのオリジナル資料、その下の図は良く見るCO2の増加を示す観測データで気象庁から拝借したもの。図では1985年からだがCO2の増加は産業革命から始まっている。ピークは現在400ppmであることに注意。この二つを見ると、CO2が温暖化の原因と直感的にも思っても非難はされない。

2016東京140年間最高気温   
CO2近年

もう少し長い目で見た温暖化の記録がこちら。様々な研究成果を重ね合わせたものだが、温度のトレンドは共通、中世の温暖期の後、15世紀後半から近代まで寒冷期が続いた。ヨーロッパではペストが流行り、江戸時代に天明の大飢饉を始め多くの飢饉があったのはこの時期。そして近世に顕著な温暖化が始まった。目盛りの極値がプラスマイナス1.0度Cと小さいことに注意。
Ice Age QA (2)

更に長い目で過去80万年の温度変化の推定図がこれ。現在は7万年前から1万年前のヴュルム氷河期の後の間氷期にあたる。80万年間を眺めると氷河期や低温期が多く、気温の高い間氷期は期間としては短いことがわかる。また間氷期は比較的規則的に訪れているように見える。間氷期の気温のピークは現在と同程度かもっと高い。一方80万年のほとんどは現在より3度以上低い。上図を見ればわかるように平均気温で1度低くなると大冷害、3度低いとカタストロフィックな環境となる。実は現代は地史的に見て極めて恵まれた時代ある。
Ice Age QA(1)

最後に間氷期もしくは氷河期が定期的である理由。気温の低下もしくは上昇は単純な要因で説明のつくものではなく、多分に複雑系としての帰結なのだと思うが、一つの要因として考えられるのが太陽系として見た地球の運動。地球は太陽の周りを安定して回っているわけではなく公転軌道や歳差運動など微妙に変化している。ミランコヴィッチ・サイクルと呼ばれている。
地球軌道

以上長々と書いたのは、「温暖化」は太陽系、もしくは地球の摂理に基づくものであり、ちっぽけな人間が「温暖化対策」などと偉そうに言うものではないということ。津波対策として堤防を気付くのと同じで、自然と闘かうという態度は英雄ではなく単なる無知に基づく傲慢以外の何物でもない。先に記したように我々は間氷期という幸せなタイムウィンドウに生まれ合わせている。温暖化のデメリットもあるがメリットは莫大。地球の平均気温が2度下がったら数億人が餓死もしくは凍死するだろう。「温暖化対策」とはデメリットによる被害を最小化する方向に知恵を絞ることである。
関連記事
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

右サイドメニュー

検索フォーム

最新トラックバック