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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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赤色エレジー

先月下旬の日経新聞の文化面に、「わが青春の漫画 十選」と題する記事が連載された。その10回目が林静一「赤色エレジー」、弥生美術館学芸員 松本品子。あがた森魚の大傑作として歌は知っていたが、漫画の原作があるとは知らなかった。多分当時は知っていたと思われるも、実物を見ていないので記憶から完全に消失したのだろう。紙面に二コマが添えられていて、それに対する氏の感想文にしびれた。
 夢と挫折、貧しさ、現実の残酷さ、哀しみ、生活苦……それを一枚でこんなにも美しく描けるなんて。一郎と幸子のエレジー(哀歌)が、私たちの心を締め付ける。
70年5月号「月刊漫画ガロ」赤色エレジー文化面

ここまで書かれると是非読んでみたくなり、アマゾンで検索、値段がいろいろある中で「中古品・非常に良い、帯あり」という高価な部類の2000円の出品を購入した。数日で届いた本は多分新品、2008年12月第一刷発行で定価1900円だった。写真の通りかなり分厚い本。
赤色エレジー」

おそるおそるページをめくる。なんだか雑な印象の絵が並んでいる。そして脈絡のない短い言葉がぽつんぽつんと入ってくる。決して上手ではない多数の心象風景。そもそもコマとコマのつながりもセリフのつながりも飛躍が多くてついて行けない。読み終えても何がいいのかわからなかった。この手の漫画は読者と作品がシンクロしないと理解できない・・・。

というようなことを書こうと思って再読した。驚いたことに支離滅裂な印書のコマやセリフの間が見事に埋まって、幸子と一郎の世界にシンクロしている自分がいた。前回はただの読解力不足だったらしい。氏の感想文の一節にこうあった。

それにしても、暗い。暗いのだ。

なのに絵柄はポップである。作中では、唐突にイラストが挿入され、所々飛躍するコマとコマの間に一郎と幸子のセリフにならない言葉が沈み込む。今読んでも新鮮で、シビれる。


絶賛するほどではないもののいい本を手に入れたような気がする。
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