風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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国民保護と不都合な真実

3日午後、北朝鮮が水爆の核実験に成功したそうで、一段と物騒な世界になりつつある。それはそれとして、先日の北朝鮮のミサイルが日本本土上空を通過した件に関する感想。事実関係は下図の通り。一言で言うと北朝鮮の弾道ミサイルが、発射7-8分後に函館から襟裳岬の上空500-400キロメートルを通過した、というもの。
20170829北朝鮮ミサイル

国の安全保障や国際政治、外交問題上は確かに大問題で、それなりの騒ぎになって当然だし、有効かどうかは別にして然るべく対応しているようだ。一方、国民の安全という見地に関しては、ミサイルで放出された飛翔体が4-500キロ先を高速で通過しても何の影響もありえない。

むしろ問題は、こんなことで政府が「Jアラート」を発令し、「ミサイル発射、頑丈な建物や地下に避難して下さい」という国民保護に関する(緊急)情報が流されたこと。
20170829Jアラート 20170829Jアラート2

Jアラートが一部作動しなかったことなどもあって、当日の夕刊や翌日の朝刊の社会面では、「「どこに逃げたら・・・」、「困惑と怒り列島包む」、「突然警報 どうすれば」、「混乱 市民も自治体も」などという大きな見出しが並び、国民の不安を煽っていた。確かに短時間のうちに頑丈な建物や地下に避難しろと言われても、できるわけないだろ、おい!と言いたくなる気持ちはよくわかる。、

そもそも弾道ミサイルの目的は核弾頭を搭載し、国の中枢を大規模に破壊することが目的。したがって目標となるのは大都市、けっして襟裳町の町役場は狙われない。広島の原爆がそうだったように直接の被害は熱と爆風によるものなので、屋外にいる人々を避難させるためには一定の効果は認められる。もっとも発射から着弾までの猶予は分単位しかないのだが。ただし、これも着弾が予想される場合のみ。上空を通過する場合は高速で飛翔するので落ちようがない。ゆえに、少なくとも今回の場合、Jアラートの発動は全く無意味だった。

次に、弾道ミサイルの飛翔体は推力を持たない。目標の上空(この場合は数百メートル?)をピンポイントで狙うためには、飛翔体放出時のミサイルの三次元上の正確な位置と速度、放出角度(方位と迎角)という6つの要素を性格にコントロールしなくてはならない。多分これは至難の業で、よって着弾点の誤差はかなり大きい、距離にもよるがイメージとしては多分半径10キロメートルぐらいの誤差範囲になるのではないか。1000ヤード先のグリーンにワンオンするのでさえ難しいのに、高速で動く巨大ドローン上からティーショットするようなもの。霞が関を狙っても東京23区のどこにでも落ちる可能性がありそう。この点が巡航ミサイルとの大きな違い。東京は住宅街が巨大なので、実はミサイルに対してのJアラートが発令されても何の救いにもならない可能性の方が大きい。さらにアメリカを狙ったつもりが日本に落ちたというお粗末な事態もあり得るかもしれない。

結論として、ミサイル攻撃に対してはJアラートは国民保護の目的であれば役に立たない。イージス艦でもTHAADでもPAC-3でも多くを期待できないと前回書いた→弾道ミサイル。要するに現在の日本の状況において、政府が国民をミサイル攻撃から守る手段はなさそう。今回のJアラート騒ぎは、逆に本気で国民を保護する気がないから形だけ国民を保護している姿勢を示しているだけのように思える。

真剣に国を守るにはどうしたらよいか、各自お考えのほど。

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