EVの行方(1)
世界に電気自動車(EV)化の大波が押し寄せている。フランスや英国が2040年以降、ガソリン車やディーゼル車の販売を禁じると表明。中国も追随を検討する。市場を席巻してきた内燃機関の優位が揺らぐなか、日本はどんな道を選ぶべきか。と日経新聞の記述丸ごとコピペで始める。その通りで7月に英仏、9月に中国に関する推測記事が出て株式市場はEVで賑々しい。さてEVは「環境に優しい」というが本当かな?というのが最初の印象。世の動きとは無関係に一部の記事に関しては割と疑い深い。
EVに関していろいろ調べた。「EVは環境に優しい」というのはトータルの熱効率の問題。基本的に“Well to Wheel”、「生産された石油から車輪を回すまで」、という概念があって意外とフェアにEVが評価されていた。個々の要素はさておき、外観するとこんな感じ(下表)。一言でいうと、EVでは発電以外の熱損失は意外と少ない一方、ガソリン車に代表される内燃機関の熱損失は大きく、よってトータルで見た熱効率も悪い。大規模な火力発電所もエンジンも石油や天然ガスの熱エネルギーを他の形のエネルギーに変換する訳で、思えば単位エ変換ネルギー当たりの熱損失は規模が小さなエンジンの方が大きいに決まっている訳だ。

さてガソリン車対EVのWell to Wheel熱効率は、上記の表ではその差が3倍に開いているが、個々の要素に問題ありなので詳しく見る。
まず発電所の熱効率。東京電力のHPに自社の発電所の熱効率(赤)と諸外国や日本の平均熱効率の比較が掲載されている。見て見て東京電力ってすごいでしょ、というわけで一番高いが、その熱効率は50%を割っている。

片や自動車。絵はないがトヨタのHPによると、プリウスの2016年12月6日に発表した新2.5Lエンジンは熱効率で41%を達成し、これまでトヨタで最高効率だった「プリウス」向けの1.8Lエンジンの40%を超えた。同エンジンは従来の「2AR」型の後継エンジンで、2017年に中型車に搭載される予定。 とある。平均的には30%以上あるようだ。
これはそれぞれ上表の60%と12%に対応する値。実際の差はそれほど大きなものではなさそうだが、W to Wベースで見ても、EVの方が熱効率が良いという事実は動かない。だから「EVは環境に優しい」という表現は正しく見えるが、部分的真実をもって全体もそうであるような印象操作の感満載。正確には「熱効率に関してはトータルで見ればEVの方が高い」というのが正しい表現。
確かにEVは熱効率では優れていることは理解したが、内燃機関エンジンにはない蓄電池と充電という問題がある。
(続く)
EVに関していろいろ調べた。「EVは環境に優しい」というのはトータルの熱効率の問題。基本的に“Well to Wheel”、「生産された石油から車輪を回すまで」、という概念があって意外とフェアにEVが評価されていた。個々の要素はさておき、外観するとこんな感じ(下表)。一言でいうと、EVでは発電以外の熱損失は意外と少ない一方、ガソリン車に代表される内燃機関の熱損失は大きく、よってトータルで見た熱効率も悪い。大規模な火力発電所もエンジンも石油や天然ガスの熱エネルギーを他の形のエネルギーに変換する訳で、思えば単位エ変換ネルギー当たりの熱損失は規模が小さなエンジンの方が大きいに決まっている訳だ。

さてガソリン車対EVのWell to Wheel熱効率は、上記の表ではその差が3倍に開いているが、個々の要素に問題ありなので詳しく見る。
まず発電所の熱効率。東京電力のHPに自社の発電所の熱効率(赤)と諸外国や日本の平均熱効率の比較が掲載されている。見て見て東京電力ってすごいでしょ、というわけで一番高いが、その熱効率は50%を割っている。

片や自動車。絵はないがトヨタのHPによると、プリウスの2016年12月6日に発表した新2.5Lエンジンは熱効率で41%を達成し、これまでトヨタで最高効率だった「プリウス」向けの1.8Lエンジンの40%を超えた。同エンジンは従来の「2AR」型の後継エンジンで、2017年に中型車に搭載される予定。 とある。平均的には30%以上あるようだ。
これはそれぞれ上表の60%と12%に対応する値。実際の差はそれほど大きなものではなさそうだが、W to Wベースで見ても、EVの方が熱効率が良いという事実は動かない。だから「EVは環境に優しい」という表現は正しく見えるが、部分的真実をもって全体もそうであるような印象操作の感満載。正確には「熱効率に関してはトータルで見ればEVの方が高い」というのが正しい表現。
確かにEVは熱効率では優れていることは理解したが、内燃機関エンジンにはない蓄電池と充電という問題がある。
(続く)
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