風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

Entries

EV の行方(2)

さて蓄電池と充電の問題、書くとなると結構面倒なので放置していた。幸いなことに19日の日経新聞朝刊に早大名誉教授 の大聖泰弘氏が「移行期間 意外と長く」と題する論説を寄稿していて、EVの問題点をあっさり明瞭簡潔に述べておられた。氏の専門は自動車工学。国土交通省の交通政策審議会や経済産業省総合資源エネルギー調査会などの委員を歴任。70歳という方。

書こうとしていたことと主旨が同じだったので、 ならばこれで代用しようと昨日からEVの記事を書いている。よって以下丸ごとコピペ。補足すると長くなるので今回は手抜き。

2040年までにガソリン車やディーゼル車が全てEVに置き換わるような見立てが出ているが、行き過ぎだ。移行期間は意外と長いだろう。

理由は3つある。第1に蓄電池の性能だ。いまのリチウムイオン電池は重すぎる。同じ電力貯蔵量のまま重さが半分か3分の1にならないと、ガソリン車の走行性能に太刀打ちできない。

第2は急速充電インフラの問題だ。いまの設備はフル充電に1時間かかる場合もある。給油所並みの短時間を目指して設備容量を増やすと、一般家庭の100倍の電力を消費するインフラが町中にできる。安全に管理するため送電網や蓄電池の整備が課題になる。

第3が環境対応と両立するエネルギー源の確保だ。50キロワットの急速充電器を使って1度に2万台を充電するには、原子力発電所1基分の発電設備が必要だ。火力発電で賄おうとすれば、二酸化炭素(CO2)排出量を減らせない。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」を満たすため大幅な節電が求められるなかで、EV用として特別に電力を確保できるのかは疑問が残る。


要するに、EVは確かに熱効率が高いのでそれなりのメリットが認められるが、自動車として主流になるためには問題点、しかも致命的な問題点もいくつか認められるということ。実際EVはゴルフ場のカートなどで実用化されており、その機能を生かせる範囲では極めて有効な移動手段になるだろうが・・・。

もう一つ、EVに必須となるのがリチウム蓄電池のリチウム。ビッグバンで宇宙が開闢し、最初に生まれた物質が水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウムの4元素。どのくらい生まれたかも計算されているが、普通の人は宇宙物理学には手を出さない方賢明。それら水素、ヘリウムが凝縮して第一世代の恒星が生まれ、これら原始星内部の核融合でリチウムから鉄までの元素が生成された。現在の地球のリチウムは原始星が死滅する際の爆発によって宇宙にまき散らされたものである。実はリチウムだけでなく全ての自然に存在する元素も同様の起源なのだが、なんとなくリチウムについては敢えてこう記したくなる。

というありがたそうなリチウムだが、これが地球では、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、中国に偏在している。以下JOGMECのHPから。リチウムと言っても単体では存在しがたいので、炭酸リチウムか水酸化リチウムとして扱われ、蓄電池には両者が用いられる。レポートは2016年版でデータは2015年まで。

まず2015年までの10年間の国別生産量。うなぎ上りかと思っていたが大きく見れば漸増、ここ4年間はわずかではあるが減少している。EVが騒がれ始めたのが2016年頃だからだろう。生産量としては年間3万トン強と意外と小さい。また先に上げた4か国で世界の95%以上を生産している。この寡占状態は石油におけるOPECの比ではなく、もしカルテルでも結成されたらこれら4か国がEV市場の命運を握ることになりそう。要するに価格が暴騰する可能性があるということ。
リチウム生産量

次に日本の輸入状況。けっこう年較差が大きいが、こちらも2015年までは増加しているわけではなく、平均3000-3500トンというレベルで、生産量の10%ほどを日本が輸入している。なお、これらリチウム化合物は電極として用いられるだけでなく3割ほどは他の用途にも用いられる。
リチウム輸入数量

さて価格。なぜか輸出量も記録されているが微量なので無視。輸入価格は2015年の平均で7$/kgと意外なほど安く、かつこの10年間ほぼ一定というイメージ。生産量(=需要量)がほぼ一定だからだろう。今後世界でのEV販売が促進され、さらに英仏中が2040までにEVに、などとなれば価格は暴騰するのだろう。
リチウム輸出入価格


現在でも日本ではEV車を購入すると少なからぬ補助金が出る。EV販売を促進するほど税金が投入される構造。何かヘンだよなと思う。多分、太陽光発電と同じ道をたどるのではないだろうか。

最後にMarkit社によるガソリン車などの内燃機関を使用する自動車数(?)の予測。リーマンショックの起こる直前まで、アメリカではサブプライムローンに関する問題が一部で顕在化していたが、その時の詳細な資料を日々アップしていたのがMarkit社。こんなところで再会とは懐かしい、ということではなくこの会社のデータには信頼感がある。で、結論は、ガソリン車に代わりハイブリッドが増えるが内燃機関社の総数は増え続けるというもの。
エンジン車の将来

以上長くなったが、日本においては、EV車の普及はEV車の機能が適切と思われる地域では普及すると思われるが、少なくとも2040年までに劇的な変化があるとは考えにくい、というのが結論。

関連記事
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

右サイドメニュー

検索フォーム

最新トラックバック