風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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日本の不都合な現実と対策(2)

今日の日経新聞の社説は「全世代よりメリハリの社会保障に」と題し、年金や医療・介護、生活保護を含む社会保障の課題は、少子化と高齢化・長寿化が同時に加速するなかで制度の持続性を高めることに尽きる。給付の野放図な膨張を抑える制度改革と社会保険料・消費税の一体改革を通じた必要財源の確保が欠かせない。戦後ベビーブーム期に生まれた団塊世代すべてが後期高齢者になる2025年以降を見据えれば、それは政治が真っ先に取り組まねばならない課題だが、・・・・・と書きだしていた。主旨は異なるが期せずして昨日書いた記事と同じトピック。

さて、政権政党もしくは政府はそのような現実を認識していながらも「社会保障と財政健全化のバランスを取りつつ・・・」と、嘘を承知で涙ぐましく最善を尽くそうとしているが、発想の原点が二律背反の状況にある中での二律を両立を前提にするから施策を誤る。アウフヘーベンもいいが、言葉遊びをしている場合ではなく、論理的に無理な真理に逆らうのは愚と知るべき。

最適解はさておき、二律背反の対極は二択、財政規律を優先されては生きている国民はたまらないので、論理的には財政規律の放棄しかないという結論になる。もっとわかりやすく言えば、いつの日か金利が2-4%に上がっただけで財政は破綻する。

次の思考ステップは財政規律を放棄すると何が起こるか?である。短絡的には、円が暴落し、ハイパーインフレで国民は困窮するという教科書的解答になるだろう。多くの専門家の見解でもある。しかし、同じ財政規律の放棄の範疇でもやり方はいろいろある。実はその一つに近いのが黒田総裁の量的緩和政策に他ならない。3年間の経緯を見ればわかる通りハイパーインフレどころか年2%の物価上昇すら起こらなかった。

もう一歩、というかかなり踏み込んだ施策が、社会保障国債の発行。1年半ほど前にこの素案について記した→日本経済の閉塞状況打開の秘策

背景や説明はそちらに詳しいが、消費税増税に代えて超低利率の超長期社会保障国債を毎年発行するというもの。これを日銀が購入する。実質的な財政ファイナンスであり、財政規律の放棄そのものだが、一方確実に年金制度や社会保障が将来にわたって担保される。将来への不安が無くなる心理的経済効果もかなり大きく、人生を楽しむ高齢者も増えるだろう。特記すべきは、このような荒業は今の日本だからできるのであって他の国はマネをすることはできない。

一方の副作用だが、円は円安方向にシフトするが暴落(150-180円とか)にはならない。日本の工業力をもってすれば世界貿易で日本の一人勝ちになってしまうから。その程度の円安でも輸出は伸び日本全体に好景気の風が流れるだろう。またインフレも生じる。どの程度かわからないが円安とリンクするので悲惨なことにはならない。インフレが生じるということは、現在の国民の金融資産1000兆円が目減りすることを意味する。金融資産の分布は高齢者に偏っているが、彼らにインフレ税を課すようなもので、実は経済格差の是正にもなる。そしてもっと重要なインフレ効果は、現在のそして社会補償国債の発行によって増える国債残高が、インフレによって実質的に減価していくことにある。黒田総裁の真意は昔からここにあったと思っている→証拠はこちら

現実的には、財務官僚を含め多くの反対意見が予想され、国会の承認も必要となるのでそのまま実行されるとは期待していない。しかし、現在の日本の置かれた状況を直視すれば、有効な対策を考えるいい出発点になると思われるので書き留めておく。
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