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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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「日の名残り」

ADO26の座席は15B、進行方向に向かって左側の2列の通路側だった。定刻15:00に千歳空港を離陸、東京湾の南東から羽田空港に接近、予定通り定刻の16:40に着陸と思っていたら、羽田空港滑走路の一部が見えた途端に機首を上げて上昇を始めた。左手に浮島が見えたので高度100メートルぐらいだろう。そのまま東京湾に沿って時計回りに旋回した。パニックどころか不安感など微塵も機内に漂わなかったが、乗務員から管制官から上昇を指示されたためとのアナウンスがあった。おかげで東京タワーやスカイツリーなど低空での東京観光遊覧飛行という稀有な機会を提供してもらった。窓側の席でなくてちょっと残念。追って機長から滑走路に飛行機が一機いたため、と説明があったが、今思えば危ない話。機は房総半島上空で旋回、再度同じコースを辿って着陸、20分ほど予定時刻から遅れた。

羽田から京急で帰る方が早いのだが、荷物もあり更に帰宅ラッシュの時間でもあるので、交通渋滞を選び17:30発の新宿西口行のバスで帰ることにした。中央環状線を通れば30分で新宿まで行けるのだがバスは都心環状線方面へ、きっとその方が空いているのだろうと思っていたら、バスが渋滞で止まってしまった。運転手曰く、VIPによる交通規制が行われているとのこと。だからC2が混んでいるのだろう。だったらC2を行けばいいのに、と思いつつ結局新宿まで1時間20分かかった。

対して腹も立たなかったのは、カズオイシグロの「日の名残り」をおかげでちょうど読み終えることができたから。

飛行機や電車による長時間の移動や病院での時間がたっぷりあるので、今回、「日の名残り」を持参した。妻が面白いよと言って昨年貸してくれたものだが、手を付けずに積んだままだった。ハヤカワepi文庫刊、元々は1994年に中公文庫から刊行とあり、知る人は20年以上前に読んでいたわけだ。購入動機はノーベル賞受賞で話題になったためというのが最大だろうが、さらに章立てがコーンウォールへの旅という形になっていたのが読んでみる気になった理由だそうだ。確かに「一日目-夜」、「二日目-朝」と続き、「四日目-午後 コーンウォール州リトル・コンプトンにて」とある。

コーンウォールというのは、3年前の4月、ロンドンの娘を訪ねてイギリスに行った際に車で回ったのでとても親しい場所。この時の模様は「ランズエンドを巡る冒険(1)-(9)というタイトルで9回という長編旅行記にまとめている→こちら

さて、「日の名残り」、早川書房刊ではあるがサスペンスではなく、主人公というかある執事の回想と独白という一人称ですべてが進む。2011年に刊行された丸山健二の「眠れ、悪しき子よ」に雰囲気は似ているかもしれない。回想と独白は執事という職に係わるものが全てで、劇的な物語や事件があるわけではない。そんなものが面白いのか?と言われると微妙だが、朝6時に起き娘を迎えに行った日の午後の札幌へ向かう飛行機の中で、本来なら爆睡しそうにもかかわらず、読み始めたら札幌についてしまった、とだけ記しておこう。

訳が素晴らしいのだろうが、英国人の社会が見事に描かれ、ごくわずかに描かれる風景もなぜか英国西部を彷彿とさせる。イシグロ氏は二つ年下、いわば同年配、なにか通じるものがあるのだろう。ただし面白いからとお薦めはしない。
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