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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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ダークエネルギー

金曜の朝刊に久しぶりに宇宙ものの解説記事があったので、久しぶりに宇宙ものの記事を。新聞記事は「国立天文台などのチームは「すばる望遠鏡」で観測したデータをもとに、この現象から暗黒物質の分布を推定した。」という成果の紹介、ご苦労様というだけでこれを否定するものではないが、そこに貼られた絵を見て、一言書いておかねばという気になった。
暗黒物質

夜の街を見下ろせば大地に家々の灯がともり、見上げれば星がいっぱいというこの宇宙において、その中身の95%は目に見えない何かでできているというのが最新の宇宙論の定説。その正体不明の何かにはダークマター(暗黒物質)とダークエネルギー、というスターウォーズに出てきそうな名前が付.けられている。前者は天文学的現象を説明するために考えだされた「質量は持つが、光学的に直接観測できない」とされる仮説上の物質、後者は現在観測されている宇宙の加速膨張を説明するためには何か膨大なエネルギーが必要なためのその何かの名前。

水素分子もニュートリノも目には見えないが、物理的な観測によって存在を確認できるので「目に見える」範疇に属するが、その二つは全く直接確認されていない。そんな存在が我々の生きている宇宙の95%を占める宇宙ってロマンチックと思うか、ん?、と思うかは人による。で、今回は、ん???、と思う人への話。
暗黒物質

宇宙が加速膨張している事実は30年ぐらい前に観測、証明された。その事実を現在の宇宙の標準理論(と呼んででいいのかな?)である一般相対性理論で説明するためには、ダークエネルギーが無くてはならなかった、というのが少し丁寧な説明である。では一般相対性理論とは?

下図はそのさわり。なんだかわからなくてもかまわない、人類できちんと理解できている人は多分多くて数千人だろうから。アインシュタインの功績は左辺の空間の歪みと右辺の質量を等号で結びつける重力場の方程式を導いた点にある。意味不明であるにしろ見かけは単純で、こんなもの一行で宇宙を描写しているとは信じがたいかもしれないが、実質は高次の非線形連立偏微分方程式。偏微分方程式の一般解は任意の式なので、これが宇宙の構造を描写しているとしても不思議ではない。

さて、一般相対性理論の本を眺めればわかるが、左辺については大変高度にして精緻な説明がなされる。一方、右辺は左辺に較べると極めて大雑把な概念らしい。手許の「相対論と宇宙論」佐藤文隆著、サイエンス社(昭和56年初版)には右辺についてこう記してあった。「・・・(右辺については)物理法則として外から与えてやらねばならない。何を原理にしてそれを与えるのか?われわれは正直いってこれについて確たる論拠を得ていない。・・・まだ未完成の研究であると位置付けた方がよい。・・・アインシュタインの重力場方程式はいわば最初の”簡単さの追求”から出てきたものである。・・・安易に変更してよいようなものではないが、決して確定したものではない。」
相対性理論一般

2013年11月に朝日カルチャーセンターで東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構向山信治準教授の有料の講演会に出席した。その時にこの問題、すなわち宇宙の95%が正体不明という話は、一般相対性理論が変われば変わるのか?と質したことを思い出した。その時のブログが→こちら

先生の答えは、「これは一般相対性理論に基づく結果なので、将来理論が変われば変わる」、との明確な回答だった。ニュートンの運動方程式、F=mα、は実は特殊相対性理論の低速の運動に対して完全な近似式になっている。アインシュタインの重力場の方程式も優れた近似式である可能性は否定し難い。右辺を見ればわかるように、モノの分布をテンソル一つで記述できるのはごく単純な状況だけである。一般相対性理論が認知されたのも太陽の周りの時空の歪みやブラックホールの存在など、球対象の単純なケースだった。故に宇宙全体の話、もしくは銀河レベルの話に適用すれば歪みが生じると考えるのはそれほど不遜な話ではない。

結論:ん???、と思った人は正しい。アインシュタインの一般相対性理論=重力場の方程式は、ニュートンの運動方程式が低速での近似式だったように、宇宙の微小部分では適用可能な近似式である可能性が高い。
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