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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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謝罪表明と真相

先日、愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱走した受刑者の平尾龍磨容疑者(27)に対し、「いずれにせよ受刑者としてはきわめて恵まれた環境で脱走するとは甘えも甚だしい。」 と書いてしまった。これ、無知ほど傲慢なものはない、の典型で、平尾さんに対し深くお詫び申し上げるとともに、改めて脱走に至った背景について記すことによって謝罪の意を表することとしたい。

平尾容疑者は向島から海を泳いで対岸へ渡った後、4月30日JR広島駅付近の路上で逮捕された。最初の新聞報道によれば、動機は「刑務所での人間関係が嫌になった」というもので、先のコメント同様まだ甘ったれた馬鹿、との認識であった。

見解が変わったのはGW中に見たフジテレビの「とくダネ」の情報。モーニングショーの情報は一般に玉石混交だが、これは玉だった。小倉智昭のゲストとして年輩の弁護士(名前は記憶にない)が出演、刑事事件専門のベテラン弁護士と見え、大井造船作業場の実態をリアルに語ってくれた。最終的にわかったことは、そこが受刑者に優しい幸せな刑務所とは真逆の世界であったこと。松山刑務所大井造船作業場の経験者は、全員が「ここは日本で最悪の刑務所」と言うそうだ。

平尾受刑者は2015年から服役しているものの、模範囚だったので残りの刑期はあと半年で出所できるとわかっていた。刑務所としては恵まれた客観的環境にあり、かつあと半年で出所できるにもかかわらず何故脱走したのか?新聞テレビでは多分触れられることがない真相は?、というのが今回の記事。

「平尾容疑者はどうやって海を渡ったのか?」「答えは平泳ぎ」などという会話はともかくとして、ここにも刑務官はいるが、原則自由ということで服役囚独自の自治のようなものがあるらしい。服役者にはヒエラルキーがあり、寮長が1人、その下にリーダー、他は「兵(ぺい)」と呼ばれている。ルールとして掃除用具や食器の置き場所がミリ単位で決まっている、などというのもあるそうだ。上位者の言うことは理不尽だろうが無理だろうが絶対で、リーダーや刑務官の言葉に対して「兵」の言葉にわずかでも疑問や反対のニュアンスがあれば、いじめやしごきは常態だったようだ。1ミリずれて皿を置いただけでもリンチの理由となったのだろう。経験がないので多分としか言えないがヤクザの世界のようなものだったのだろう。

リンチのひとつが「つめめし」。普通の刑務所では「あげめし」と言って、定量の食事を取り上げるといういじめがあるそうだが、食事が自由なここでは、被害者は大盛りの飯を3杯食わされる。「あげめし」の方がはるかに楽で、被害者は吐きながら食うそうだ。

パワハラという言葉があるが、そんな甘いものではなく寮長やリーダーに目の敵にされれば地獄が待っているらしい。刑務官もいるが寮長やリーダーと慣れ合っているのだろう、「つめめし」という行為は食堂で行われるわけだから。平尾受刑者は模範囚の中でも模範囚だったらしく、イジメの対象には格好の餌食だったと思われる。

「刑務所での人間関係が嫌になった」という動機は新聞もテレビも同じなので、警察のコメント。取り調べに対して縷々語ったと思われるが、それらを15文字でまとめたものが垂れ流しされたようだ。更に「刑務官にイジメられた」というコメントも後日流された。要は救いのない犯罪者と刑務官合同の集団パワハラが脱走の背景。

以上の論説を証明するのが「心情把握に至らない面があったのは、否定できないと思うので、今後、本人に確認して検討課題にする」(松山刑務所 吉田博志 所長)(02日17:25)というコメント。

本件は「日本で唯一の塀の無い刑務所」という存在が問題なのではなく、上述のような状況を許容するだけでなく刑務官も同調してきたというシステムの問題。そこに気付いているのは松山刑務所 吉田博志 所長だけという日本の不幸。


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