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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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7月の暑さの検証

7月から引き続き猛暑著しい日本。天気マニアとして目に着いたのが猛暑日、すなわち最高気温が35度を超える観測点の数の異常な多さだった。改めて気象庁のHPからデータを引っ張り出して、今年の猛暑日観測地点数から7月の暑さをしみじみと味わってみたい。

平年値のデータはなかったが、2012年からの日々のデータがあった。去年まで7年分あるので、これらの平均はほぼ平年値に近いと考えて良い。それが下図。赤線が2018年で、7月中旬から10日間ほどは連続して150地点を超えていた。最高は23日の241地点。アメダスの観測点は927なので日本の四分の一が猛暑日だった。皆様お疲れ様。
201807猛暑日-1

明確に比較するため、一日平均の猛暑日を観測した地点数を各年別に示したのがこちら。ざっと見て2018年は平年の4倍、なるほど今年は暑いわけだ。記憶になかったが、2016年は14地点しかなかった涼しい夏。
201807猛暑日-2

続いて真夏日。最高気温が30度を超えた日のことで、猛暑日を含む。確かに真夏日を観測した地点数も多いが、猛暑日ほど劇的ではない。むしろ昨年とほぼ同じで、暑い所が増えた訳ではなく、いつも暑い所の中からとても暑くなった所が増えたということのようだ。
201807真夏日-1 201807真夏日-2

人の住む所が暑いのは確かだが、山はやはり涼しいのかな?、と思って富士山の今年の7月最高気温の推移をと平年値と比較した。併せて比較のため東京のデータのペアも載せたのが下図。富士山と東京が平年値に対して最高気温が驚くほど同じ形をしている。しかも月間では富士山の方が東京より平年値からの乖離が大きいぐらい。暑い時は、地表から高度4000メートルまですっぽりと暑くなる。もしくは暑い空気にすっぽり覆われるから地上も暑い、という方が正解かもしれない。都会はコンクリートに覆われているから暑い、と誰が言うのか知らないが、必ずしもそうではなさそうだ。
201807富士山

垂直方向を見たので、次に水平方向に視野を広げる。まずアジアの七月下旬の平均気温分布。日本のようにきちんと最高温度を観測公開している国は稀なのだろう、世界レベルでは全て平均気温でものを見ることになる。先日書いた「世界で一番暑い国」と同じ状況。ではあるが、日本と較べれば相対的に暑いか寒いかわかる。

この時期、中国以南のアジアは全面的にオレンジの25度以上、30℃以上の赤のエリアも少なくない。一方日本はごく一部ながらも赤がある。東南アジア諸国に赤はないので、日本の夏は東南アジアより暑いと言える。以前に、東京都がオリンピックに立候補した際に提出した立候補ファイルに、「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリート が最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。」とあったことを思い出した。 それを見た時も、さすがアマスポーツの祭典、と大いに納得した。
cont_latlon_tm_reg2_20180711-20180720.png

上図は気温の絶対値だが、平年差で見ると様相ががらりと変わる。暖色系は平年より暑いエリア、寒色系は絶対値が高くても平年より気温が低いエリア。アジアでは若干暖色系が多いが寒色系、すなわち平年より涼しいエリアが少なくない。インドやビルマ、タイ、ベトナムでは冷害かも。
cont_latlon_td_reg2_20180711-20180720.png

ということで世界を概観する。やはり、若干暖色系が多いが寒色系、すなわち平年より涼しいエリアが少なくない。地球全体で見れば、温暖化の傾向は否定できないが、平均すればその程度はまだまだわずか、というのが実態のようだ。
td20180725.png

参考までにヨーロッパと北アメリカの平年差分布。まあ、今年は全般に暑そう、お互い熱中症に気を付けましょう。
cont_latlon_td_reg6_20180711-20180720.png cont_latlon_td_reg4_20180711-20180720.png


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