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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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幸せな日本?

先月、日経新聞の「大機小機」という経済関係のコラムに「格差が生む利己主義」という記事があった。ハーバード大学の教授の書かれた本の紹介なのだが、なかなか面白かったので記録しておく。筆者は一直というペンネームの方。

その本によると、人々が寛容で道徳的なのは、経済が成長し社会が前進している時代だ、という。それって、2000年前に中国人も行っていたけど、と一瞬思うが、その理由が記載されていた。

経済成長の時代には、人々は豊かさや満足度を他人ではなく過去の自分と比べることで幸福な気持ちになれる。ところが、成長が停滞し所得が伸びなくなると他人と比較するようになる。そうなると利他主義が後退し、寛容な社会ではなくなってしまう。

なるほど。

そこから先は研究の対象がアメリカなのでアメリカの話になる。米国の景気拡大はすでに10年目に入っている。失業率は4%を割り込んで戦後最低水準にある。マクロ指標で見る限りは、米国ばかりかユーロ圏も日本も経済は好調だ。人々は寛容な心で幸福感を味わっているはずなのだ。しかし、少なくとも欧米諸国でそうなっていない。

経済成長の果実がかつてのように人々全般に広くゆきわたっていないからだ。一握りの高額所得者が豊かになり、大部分の中間所得層の所得は1990年代後半からほとんど増えていない。所得格差が拡大しているのである。

では、日本では?

日本でも雇用労働者の平均賃金はバブル崩壊以降、30年近く増えていない。高齢化の進行もあって家計収入ベースでは格差が拡大しているが、税引き後、つまり所得再分配後でみるとほぼ横ばい、というのが最近の検証結果である。

政府の機能のひとつが富の再分配。日本政府は少なくとも個人間の所得再分配に関しては誇るべき成果を達成しているらしい。なぜならこれは税制で再配分できるから。

一方、問題は平均賃金が30年も増えていないこと。この背景には企業が利益を内部留保することにより、労働者に利益を分配しないことがある。都合の良いことに9月4日には「内部留保446兆円 6年連続最高 」なる記事があった。故にここ数年安倍首相は春になると企業に対し3%の賃上げを、と呼び掛けているのだが、法的拘束力がなく企業側は知らんぷり。それが466兆円の内部留保の増加と賃金の停滞となっている。

そんなわけで、日本は成長が停滞し所得が伸びなくなっているにもかかわらず、他人と比較しても大きく見れば大差ないので、今年の内閣府「国民生活に関する世論調査」によると、日本国民の74.7%が現在の生活に不満を持っていない。ということらしい。

で、結論が、日本では所得格差がまだ顕著でないことの反映であろう。

確かに、グローバルに見ればそうだろうという気はしていたが、感銘明瞭な解説にあらためて納得。
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