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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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何を反省すべき?

15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館で開かれ、天皇陛下が皇后さまとともに即位後初めて出席しお言葉を述べられた。その日の日経新聞夕刊の見出しは「天皇陛下「深い反省」踏襲 」。その一節はこちら。
戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、ここに過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

我々平民としては天皇陛下の素直な思いをそのまま受け取れば良いのだが、さて何を反省せねばならないないのか?

先日NHKで「激闘ガダルカナル 悲劇の指揮官」なる特別番組が放映された。新たに発見された米軍資料等から激戦の実態をCGとドラマで復元したり新証言などを総括的にまとめた力作。それを観終えた後、太平洋戦争があれほど悲惨な結果に終わった原因の本質にふと思い当たることがあった。太平洋戦争の総括として、世の中皮相的な史実やイデオロギーによって歪められた解釈などが溢れているが、それら本質を看過した認識をもとに反省しても何の役にも立たないし、弊害を残すだけ、形を変えて同様のことは起きるしまた今も起きていると言ってよい。

ここでごく簡単に太平洋戦争を振り返る。
・1941年12月:真珠湾攻撃すなわち開戦
・1942年6月:ミッドウェー海戦で致命的大敗
・1942年8-12月:ガダルカナル島の戦いで多くの犠牲者を出し撤退
・1944年3-7月:インパール作戦、多くの犠牲者を出し撤退
・1945年8月:原爆、終戦

一昨年の12月、同じくNHKのBS1で「「戦慄の記録 インパール 完全版」が放映され、それをもとに「馬鹿の四乗」という記事を書いた→こちら

インパール作戦に関しここでは言及しないが、作戦に関わった3師団のひとつの第31師団師団長佐藤幸徳 中将が、後に「大本営、総軍、方面軍、第15軍という馬鹿の四乗がインパールの悲劇を招来したのである」という言葉を残した。実はガダルカナルの悲劇の構造、インパール作戦と同じもしくは似たようなものに思えた。

佐藤中将の先の言葉は、インパール作戦という戦争のごく一部に起きたことについて書き記したものではあるが、太平洋戦争が悲惨を極めた結果に終わった原因の核心をついていた。組織の名を以て馬鹿の四乗としているが、組織を構成するのは人間である。すなわちミッドウェー海戦で壊滅的打撃をこうむったにもかかわらず戦争継続を決断したしたのは、大本営や総軍という組織ではなく、正確には大本営に属する認識共同体としての個々の人間であった。だから彼らが悪いと非難し、ではどうすれば良かったかを述べて再発しないように反省する、というのが前述の役に立たない反省。

開戦時にはそれなりのいくつかのシナリオが想定されていたはず。その中に主力空母4隻を開戦後半年で失うという想定があったのかなかったのか?多分なかったろう。しかし、その時点で想定していたシナリオに大きな狂いが生じたことは認識できたであろうし、彼我の戦力差を合理的に判断すれば、戦勝のシナリオ完遂の可能性は著しく低いという結論にならねばならない。

それができなかったのが大本営と総軍の幹部たち。なぜそんな無能な人々が国の運命を決定する認識共同体を構成し、国の命運を左右することができたのか?そのメカニズムを解明することこそが上述の問題の本質である。その解明なくして、真の反省にはならない。

佐藤中将は師団長と言う要職にありながら上官の命令に従わず、抗命撤退し、結果多くの兵士たちの生命が救われることになった。これは日本陸軍初の抗命事件、佐藤は死刑を覚悟しており、軍法会議で第15軍司令部の作戦指導を糾弾するつもりであったという。忖度云々という官僚やそれをそだねーと許容する現代の人々とは人間の格が違うようだ。

大本営と総軍だけでなく、政治家でも知事でも市長でもで社長でも、その取り巻きを含めて、冷静で合理的な判断をすることができ、かつ人としての品格を備えた人たちがコントロールする社会になっていれば、日本ははるかに美しい国に変身することができていただろう。



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