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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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「悪魔が来りて笛を吹く」

昨夜、やるべきことが山積しているにもかかわらずまたテレビを観てしまった。NHKBSプレミアムのシリーズ深読み読書会「悪魔が来りて笛を吹く(横溝正史)」という番組。作家の高橋源一郎,島田雅彦,道尾秀介というそうそうたる作家が、司会の鈴木杏と共に、「悪魔が来りて笛を吹く」について熱く語り合うという、こう書くと何が面白いのか想像しがたい趣向だったが、つい見入ってしまった。

横溝正史、学生時代に角川文庫からシリーズものとして発刊された。当時の文庫本は岩波、新潮、角川の三社、角川文庫は二社に大きく差をつけられていたが、角川春樹が社内で編集の主導権を握ると、角川文庫をエンターテイメント路線に変更、文庫本のカバーも従前のパラフィン紙からカラー刷りのおどろおどろしいカバーに換えた。これは実は文庫本にとって革命的な出来事だった。1971年のことである。

横溝正史は江戸川乱歩と並ぶ二大巨匠だが1960年代にはすっかり忘れられていた。角川春樹も横溝正史はとっくに亡くなったものと思い遺族と交渉するつもりで出かけたら本人が健在だったのでびっくりしたそうだ。確かに読んでみると面白かった。相当数の横溝正史を読んだし、まだいくつかの代表作は始末せずに手許にのこしてある。、「悪魔が来りて笛を吹く」は1975年の第13刷だった。

語り合われた内容は、文学としての「悪魔が来りて笛を吹く」といっていいだろう。原文がいくつか画面で紹介され、その端正な文体と記述に驚いた。また探偵小説として謎解きに意識が集中してしまうが、その背景としての時代背景や「斜陽」、「オイディプス王」などに加え聖徳太子の家系図までが持ち出され、まさに深読み、三人の作家の話に思わず引き込まれた。「カラマーゾフの兄弟」が推理小説であったように、「悪魔が来りて笛を吹く」は純文学だった、というのはちょっと過大評価か。知らなかったが三人の作家と互して話す鈴木杏の聡明な美しさも印象的。お暇な方は再放送をどうぞ。

20191009深読み




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