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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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台風19号被災後記

台風19号、本土上陸が想定される中、北海道に旅行する予定だったので、台風ウォッチャーとしての本領を発揮すべく上陸予想日の4日前に、自分の旅程への影響を詳細に調べた。結論は全く影響なし、この判断の経緯を公開したがその通りになった→こちら

それゆえ台風19号をウォッチしたかったのだが、なぜか北海道滞在中にウェブに全く接続できず、情報源はテレビだけ、全くまともな情報を得ることが出来なかった。帰京後、種々の資料にアクセスすることができたので、遅ればせながらまとめておく。

これは台風上陸時の衛星画像に雨雲レーダー画像を重ねたもの。しばらくは大型で猛烈な台風だったが上陸時にも大型で非常に強い台風だった。これは完全に想定内、上陸前からテレビを通じ気象庁が狩野川台風の実例を持ち出すなど懸命に様々な危険を国民に訴えていた。
201910121900japan-east-large-radar.jpg

ただ、どの程度国民が平均で理解されていたかはよくわからない。この台風のポイントは大型で非常に強い台風であること、すなわち広域にわたる強い雨と強い風。千葉県に大規模な停電をもたらした台風15号と較べると「大型」の意味がよくわかるはずだが、こういうわかりやすい画像でテレビでも新聞でも説明すれば深刻さが国民にも理解しやすかったろう。
サイズ

その被害がこちら、いずれも最終的な被害は後日確定するだろうが、堤防決壊や河川の氾濫による大規模な浸水が主、幸い風の被害は多くなかった。
20191015決壊河川 201910浸水面積

降雨の実態を見てみる。台風上陸前の昼前から台風が本州東方へ去るまでの24時間に降ったアメダスによる降水量の観測値。オレンジ、赤、紫色が200ミリ以上。長野県北部から群馬、栃木、福島、宮城県と広範囲にわたる山間部に大量の雨が降ったことがわかる。なお黒の線と四角は観測開始以来の最大値。1時間の降水量としてはゲリラ豪雨の方がはるかに多くなるが、しかしその程度はせいぜい2-3倍で短時間かつ局所的、一方大型台風では長時間でかつ降雨エリアがゲリラ豪雨の数百倍から数千倍になる。

強い冬型の気圧配置と強い寒気団が南下すると(ほぼ同時に起こる)、日本海側山間部は豪雪になる。これは大陸からの強風が日本海で大量の水蒸気を日本列島に運び、脊梁山脈にぶつかることによって上昇気流が発生、上空の寒気とぶつかり露点以下になるため。今回の豪雨も夏冬逆なだけで同じ現象。台風による湿った大気が太平洋側の楊岳地帯にぶつかり上昇気流が発生、上空の低温の空気とぶつかり露点以下になって豪雨となった。言ってみれば想定内の出来事。
20191012降水量24H大

これは日経新聞のまとめた堤防決壊ヵ所。見事に豪雨の観測されたエリアに重なる。今回は大型の台風だったので雨の降る時間が長くこのような結果になった。河川の専門家であればこれは想定される状況だったのではないか。
堤防決壊intro-map

浸水で印象的なのが千曲川の堤防決壊により浸水した北陸新幹線基地の画像。
20191013北陸新幹線

長野市北部に位置し、国土地理院が浸水状況をまとめていた。この図は新聞テレビでも多々借用されていた。赤丸が北陸新幹線基地で、浸水の最も深いエリアにある。すなわちこの付近で最も低い土地で、それゆえ家屋もなく大規模な土地の取得が可能だったのだろう。赤の×が堤防決壊ヵ所。

なお、浸水域はハザードマップで予想されていた通りだったとして、ハザードマップを絶賛する記事もあったが、浸水のハザードマップは標高の低い部分を塗っただけと大差なく、等高線を学んだ小学生に宿題として出せば同様のものを作ってくる。
201910長野浸水マップ

群馬県、新潟県を含む長野県北部の地形図がとても印象的だった。標高が鮮やかなカラースケールで示されている。赤丸が長野市周辺。長野市を含む広大な谷は水色、長野というと山の中のイメージだったが、意外なことに標高が低く、千曲川上流の上田方面の標高も低い。図の右下は八ヶ岳で、群馬西部から長野北部にわたる広域に降った豪雨が全て千曲川に流れ込んだことがわかる。
長野デジタル

そこで東京の地形図の鑑賞。ハザードマップなど無くともマクロに見ればどのエリアのリスクが高いかは一目瞭然。
000184150小
→こちら
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