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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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隕石から糖?

先日こんな記事が報道されていた。「生命誕生のきっかけになった可能性を示す成果だ。」と記者ははしゃいでいるようだが、???というのが感想だったので書き留めておく。

「チームは微量の糖を検出できる分析手法を独自に開発。オーストラリアに落下した「マーチソン隕石」など3つの隕石の成分を調べた。2つの隕石からRNAの材料になる「リボース」や「キシロース」などの糖を見つけた。質量がわずかに異なる同位体の炭素を分析したところ、地球の生物や土壌の糖とは同位体の比率が異なり、宇宙でできた物質だと確認できた。」というのが主文。
11月19日朝刊 20191119隕石

地球上の生命体はウイルスから人間まで全てRNAかDNAを持っている。細かな違いはあるが、両者ともヌクレオチドという構造の化合物が鎖状に無数に繋がったもの。ヌクレオチドはリン酸と糖と塩基が結合したものでこのような構造をしている。この糖をリボースという。
ヌクレオチド 
ヌクレオチドの構造

?の理由はこんな炭素と水素と酸素からなる有機物=リボース=糖の一種が隕石の中に残るの?という素朴な疑問。砂糖が簡単に焦げるように、1000度になっても糖がその構造を保持しているとは信じられなかったから。そもそもヌクレオチドの各構成物質は太古の海で形成されたと考えられている。一方、隕石は堆積岩ではなく、太陽系の惑星のような塵が小惑星を形成、高温で溶けて内部には鉄が集積し、比較的軽い珪酸などが表面に浮くことによって分離した後、破壊された欠片。少なくともカラメルを作るより高温にさらされている。

だから、東北大などの検出に間違いがあるのか、記者の理解に間違いがあるのかどちらかと思わずにはいられなかった。もし、事実としたら大発見第一だろう。

しかし、「生命誕生のきっかけになった可能性を示す成果」というのは大きな勘違い。実は4年程前に「地球外生命体は存在するか???」と題し、全4回に渡って熱く語った。その結論は第4回の結論の章で書いた「宇宙の生命体は地球の上の生き物だけかもしれない。究極の孤独」。

信じがたい方は「地球外生命体は存在するか???(4)」だけでもどうぞ→こちら

生命体が地球のほかにこの宇宙に無い訳はない、の根拠のほとんどは「宇宙に1000億個以上の銀河があり、各銀河には1000億個以上の恒星があり、いくつかは惑星を持つので、地球と同じ環境の惑星がないわけはないから」という小学生の算数のような論拠に基づくもの。宇宙創成のプロセスは1兆分の1秒以下まで解明されているが、生命の誕生に関して30億年分も未だ解明されていない。

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