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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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30万円の行方

コロナ禍で日本でも飲食業や小売業などにおいて労働力需要の減少は明らか、若い人たちだけでなく日々をアルバイトで生活してきた人たちにとっては死活問題。公明党が10万円の現金支給を提言していた先週、我が家でも政府の取るべき施策を話した。

定職に付くことができない人は毎月の収入が少なく、よって貯蓄などほとんどない人がほとんどなはず。月十数万円のアルバイト収入に頼って生活している人にとっての10万円は、貯蓄のある人の10万円と、その価値はまったく違う。原案はこんなもの。
1)収入の目途が立たず貯蓄もない人には即現金支給。
2)支給は前年の概算年収と貯蓄残額および現状を申告する自己申告
3)虚偽申告が判明した場合は後日10倍返し

そんな中、安倍首相が7日、緊急事態宣言の記者会見の冒頭発言でこう述べていた。
その強い危機感の下に、雇用と生活は断じて守り抜いていく。・・・困難に直面している御家族や中小・小規模事業者の皆さんには、総額6兆円を超える現金給付を行います。1世帯当たり30万円に加え、次の児童手当支払に合わせ、1人当たり1万円を追加することで、お子さんの多い御家庭の家計もしっかりと下支えします。

その後のQ&Aではこんな補足説明、30万円の給付についてでありますが、自民党にも一律で給付した方がいいではないかという議論がありました。私たちも検討した。・・・ですから、本当に厳しく収入が減少した人たちに直接給付が行くようにしていきたいと考えました。

困難に直面している」がキーワード、同じ発想の施策案だったので拍手。

ところが、役人の作った具体的な給付対象案が、本来の趣旨を外れた愚かしいものだったので、新聞もテレビのワイドショウ―も、本来の主旨について誰も言及することなく、個人的損得勘定や不公平感などが熱く語られるばかり、日本人の品格の無さに唖然とした。

下図は厚生労働省の「国民生活基礎調査」の平成30年版から。日本の所得階級別の世帯比率分布(平成28年度)である。二年前に「日本における経済格差」について記事を書いた際に引用したものだ。記事は→こちら

年間所得が200万円に満たない世帯が約20%いる。これらの多くも十分な貯蓄はなく、のうのうとしていられる会社などに勤めているわけではないので、まさに「困難に直面している」人たちと思って良いのだろう。年金生活者も多数含まれているので、それらを除外しても1000万世帯はあるだろうか。

201904H30 国民生活基礎調査3


政府は我家案より多額の財源を割くつもりなので、所得を労働によって得ている年間所得100万円未満の単身者を含む世帯全て、プラス3-5月の月間収入の減少が大きいと見込まれる100-300万円世帯などと財源に合わせた限定給付とすれば、「本当に厳しい」人達を救えるはず。現金が必要な人に給付されるので、給付金が貯蓄や贅沢品に回る比率も低くなる。所得が300万円以上あれば収入はもっと多くそこそこの貯蓄はあるはずで、不公平だろうが何だろうが支給する必要はない。

テレ朝のワイドショーで玉川という解説委員が国民全員に給付しろと熱弁していたが、政府が全員に給付すると言えば金持ちに給付するのはナンセンスと非難するのがミエミエ。役人も愚かなら国民も情けない国の未来は暗い。

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