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2020.04/19 [Sun]
コロナウイルス感染パターンからみた予測
4月2日の「新型コロナウイルスの行方(4)」で示した図をほぼ3週間ぶりにアップした。これ一枚で正確な現状認識とその行方を想定することができる世界で唯一の価値ある資料。と自画自賛していたが、未だこの状況は変わらない。厚生労働省専任斑はこういう実態を示したうえでものを言って欲しい。
図はコロナウイルス感染者が多い国と日本の週単位で表した感染者数の推移、並びに日本の2018/2019シーズンのインフルエンザ患者数の推移を示したものである。インフルエンザに関しての出典は厚生労働省の「インフルエンザの発生状況について」という週次のプレスリリース、国別のデータはEODCのHPの資料、いずれもそれらを加工したもの。だからこの図は世界中どこにもない。
ポイントの一つが、インフルエンザは感染を全面的に放置した状態、コロナのケースはそれぞれの国で感染防止策を講じた状態の効果を含むこと。ウイルス感染症に対し何も対策を講じないケースに関しては厚生労働省がデータを保有している、にもかかわらず某教授は・・・ということ。
さて、この時のコメントは今でも概ね有効である→こちら。
が、前回のコメントを踏まえ、データポイントが増えたことから改めてこの図からわかることを記す。

1)まず図から、西欧やアメリカ、中国の初期から中期の感染発生率、感染者/時間、が同様に対策が全くとられないインフルエンザの感染率の増加よりはるかに大きいことがわかる。これから、コロナウイルスの感染力がインフルエンザウイルスより高いことは疑いようがない。
2)また図は日本における感染発生率がインフルエンザの感染率と全く同じであることを明瞭に示している。日本の外出自粛要請は10日ほど前に始まったもので、それ以前は他国と同様の放置状態でほぼ同条件。ただ日本ではクラスター潰しに重点を置き、PCR検査陽性者を全て病院に隔離した。このことから、この現象を説明するには、クラスター対策が有効であったか、何らかの理由で日本人のコロナウイルスに対する免疫が他国より高いか、の二つの可能性が示唆される。
3)インフルエンザはほぼ1000万人が感染して収束を迎えた。これは、国民のほぼ全員がインフルエンザに被曝し、発症すべき人が全て発症したため、という見立てを以前にしていた。「インフルエンザの収束過程」という記事で、なんと2月29にに書いている→こちら)。その後、集団免疫という概念を知り、上述の推定は正しかったと知った。
4)中国は感染者数が数万人ほどでピークを迎えた。武漢だけで確か1000万人を超える人口がいるので、この終息はしかし集団免疫ではない。明らかに徹底した移動規制=ロックダウンと厳格な外出規制、患者の隔離効果である。
4)欧州も厳しい外出禁止令の効果が顕著で、新たな感染者はピークを越えた。これも外出規制の効果だろう。「新型コロナウイルスの行方(4)」に「西欧は早ければ来週もしくは再来週には収束の兆しが現れそう。」と書いたとおりになった。
5)アメリカも以前の見通しに反し、感染者はピークを越えたように見られる。これも外出規制の効果。
絶対に感染を防ぐ方法は一つだけ、コロナウイルスが自分の体に触れないようにすること。現実的対策として、日本では現在3密を避けるという啓蒙運動が全国的に展開されている。これは、ウイルスがどこにいるかわからない状況において異論はない。
その対策の手段として外出自粛がある。ウイルスの拡散、接触防止である3密が目的なので、他人に触れず孤島へ行くなら外出は問題はないのだが、政治的にはわかりやすい外出規制となる。では外出規制の効果の実態は?というのが下図。4月12日に示したものを更新してある。日次データなので、ゴチャゴチャするがよりリアル。黄色の星が外出規制が発令された日付、その後、例外なく2-3週間以内にはっきりした感染を抑え込むことに成功した、すなわち感染のピークを迎えているようにみえる。

日本の感染者がインフルエンザのように増え続けることはない。ウイルスの拡散、接触防止と感染者の隔離により、感染を防げることをコロナ先進国は示してくれた。日本の感染者数は先日の想定を下回って推移している。さいわい国は五月初めまで現在の緊急事態態勢を維持する覚悟を示している。実際は日本人のの特性なのか、政策の効果なのかわからないが、いずれにせよ想定するより感染者は少なく収束しそうに思える。

図はコロナウイルス感染者が多い国と日本の週単位で表した感染者数の推移、並びに日本の2018/2019シーズンのインフルエンザ患者数の推移を示したものである。インフルエンザに関しての出典は厚生労働省の「インフルエンザの発生状況について」という週次のプレスリリース、国別のデータはEODCのHPの資料、いずれもそれらを加工したもの。だからこの図は世界中どこにもない。
ポイントの一つが、インフルエンザは感染を全面的に放置した状態、コロナのケースはそれぞれの国で感染防止策を講じた状態の効果を含むこと。ウイルス感染症に対し何も対策を講じないケースに関しては厚生労働省がデータを保有している、にもかかわらず某教授は・・・ということ。
さて、この時のコメントは今でも概ね有効である→こちら。
が、前回のコメントを踏まえ、データポイントが増えたことから改めてこの図からわかることを記す。

1)まず図から、西欧やアメリカ、中国の初期から中期の感染発生率、感染者/時間、が同様に対策が全くとられないインフルエンザの感染率の増加よりはるかに大きいことがわかる。これから、コロナウイルスの感染力がインフルエンザウイルスより高いことは疑いようがない。
2)また図は日本における感染発生率がインフルエンザの感染率と全く同じであることを明瞭に示している。日本の外出自粛要請は10日ほど前に始まったもので、それ以前は他国と同様の放置状態でほぼ同条件。ただ日本ではクラスター潰しに重点を置き、PCR検査陽性者を全て病院に隔離した。このことから、この現象を説明するには、クラスター対策が有効であったか、何らかの理由で日本人のコロナウイルスに対する免疫が他国より高いか、の二つの可能性が示唆される。
3)インフルエンザはほぼ1000万人が感染して収束を迎えた。これは、国民のほぼ全員がインフルエンザに被曝し、発症すべき人が全て発症したため、という見立てを以前にしていた。「インフルエンザの収束過程」という記事で、なんと2月29にに書いている→こちら)。その後、集団免疫という概念を知り、上述の推定は正しかったと知った。
4)中国は感染者数が数万人ほどでピークを迎えた。武漢だけで確か1000万人を超える人口がいるので、この終息はしかし集団免疫ではない。明らかに徹底した移動規制=ロックダウンと厳格な外出規制、患者の隔離効果である。
4)欧州も厳しい外出禁止令の効果が顕著で、新たな感染者はピークを越えた。これも外出規制の効果だろう。「新型コロナウイルスの行方(4)」に「西欧は早ければ来週もしくは再来週には収束の兆しが現れそう。」と書いたとおりになった。
5)アメリカも以前の見通しに反し、感染者はピークを越えたように見られる。これも外出規制の効果。
絶対に感染を防ぐ方法は一つだけ、コロナウイルスが自分の体に触れないようにすること。現実的対策として、日本では現在3密を避けるという啓蒙運動が全国的に展開されている。これは、ウイルスがどこにいるかわからない状況において異論はない。
その対策の手段として外出自粛がある。ウイルスの拡散、接触防止である3密が目的なので、他人に触れず孤島へ行くなら外出は問題はないのだが、政治的にはわかりやすい外出規制となる。では外出規制の効果の実態は?というのが下図。4月12日に示したものを更新してある。日次データなので、ゴチャゴチャするがよりリアル。黄色の星が外出規制が発令された日付、その後、例外なく2-3週間以内にはっきりした感染を抑え込むことに成功した、すなわち感染のピークを迎えているようにみえる。

日本の感染者がインフルエンザのように増え続けることはない。ウイルスの拡散、接触防止と感染者の隔離により、感染を防げることをコロナ先進国は示してくれた。日本の感染者数は先日の想定を下回って推移している。さいわい国は五月初めまで現在の緊急事態態勢を維持する覚悟を示している。実際は日本人のの特性なのか、政策の効果なのかわからないが、いずれにせよ想定するより感染者は少なく収束しそうに思える。

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