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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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新型コロナウイルスの正体(2)

ヒトがウイルスに感染すると自然免疫応答が体内に生じる。まず細胞がインターフェロンを放出、細胞内でのタンパク質の合成停止や感染細胞の細胞死の誘発などで外敵であるウイルスの増殖を阻止しようする。これが炎症反応で宿主にも有害、喉で生じれば発熱、肺で生じれば肺炎などの症状が現れる。インフルエンザは喉の感染で自然免疫系が勝利して数日で回復する。ただし自然免疫反応は破壊的な反応でもあり、過剰な自己破壊的な反応を起こす自己免疫症疾患や併存疾患を持つ感染者に対しては致命的になる。

通常ウイルスの感染症はほぼ全員が同じ症状を起こすが、COVID-19では無症状から軽症者が大部分であるものの、一部は重篤な肺炎となり、更に一部が死亡と非常に病態が広い。ここがSARSとCOVID-19の大きな違い。無症状や軽症でも肺炎を起こしている、すなわちウイルスが肺で増殖しているので前回述べたように、見かけ上異常がなくてもおしゃべりもしくは息をするだけでウイルスを拡散させることになる。

ただし、ウイルスの感染性に関し、脇田国立感染症研究所長は感染者の遺伝子の違いによってウイルスの増えやすさの違いが生まれる可能性を示唆し、尾身氏は曝露量の多い人では増殖量も多いのでそういう感染力が非常に強い人が一部にいるためと述べている。いずれにしろ無症状者では誰が感染しているのか見た目ではわからない。ひとつ確かなことは重症者の息の中のウイルス密度は相当高いことと思われる。

日本の感染者の7%が医療関係者だそうだ。医者や看護師とあればできる感染防止策、マスクやゴーグル、手袋、エプロンを着用して患者との直接接触を避け、手洗いなも完璧に実行されていると思われる。なのになぜ感染するのか?

誰も指摘しないが、唯一抜けている感染経路が呼吸。医療用マスクをしていても病室内の空気を吸っている限りウイルスは肺に入る。密閉空間である病室内のウイルス密度は外気に較べ桁違いに高く、かつ内部従事者にとっては長時間の曝露となる。上記の事実は医療関係者の感染者比率が高い理由を裏付けているように思えた。

全ての医療関係者が同様に感染するわけではないが、この推察が正しいとすると日本の医療は危機的な状況に放置されていることになる。対策は完璧な防護服を身につけるしかないのか、他の対策があるのか、放っておいても大したことにはならないのか・・・。

余談だが「マスクの効用」として、健全者が受動の感染予防のためにマスクをつけるのは愚、という世の中の99%を敵にするような記事を書いたのが3月5日。医療用マスクですら受動的感染防止効果が疑わしいのであれば、一般のマスクにウイルス防止効果がある訳がない。その時点でライブ会場はダメ、とも記していた。その記事が→こちら

今日の最後に現在の感染者全体像のスナップショットとして厚生労働省の資料から、年代別感染者数と年代別死亡者+重症者の実態を載せる。60代以上になると年齢とともに重症者、死亡者が増えるていることは以前から明らかだったが、背景には冒頭の節に述べたような事情があった。20代30代も感染者数は多いが、健全に免疫機構が働いていれば重篤化のリスクはほとんどないということだろう。40代50代になると若い時ほど健全な訳にはいかない人が増えてくるというわかりやすい結果。無症状軽症との違いは、遺伝子の違い、すなわち体質ということだとすると、感染しないように気を付けるしかない。
20200429厚生労働省発生動向
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