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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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コロナ感染予測に対する反省

4月13日の記事で、日本で多分唯一であろう今後の感染者数の予測図を公開した。不確実性が大きいのは確かだが、日本での感染者が現れてから2か月を経過し、かつ世界のコロナ先進国出の実態が日次ベースで公開される現状であれば、ある程度の範囲での将来像は描ける。為政者もしくは責任者たるもの、数週間後もしくは1ヶ月後の姿のありようがなければ合理的な判断はできないし、ましてや大きな責任ある決断はできない。

偉そうに書いているが、現役時代の石油開発プロジェクトの資産買収では、コロナの感染者推移で言えば最初の一週間で将来像を描き、時に1000億円を超える決断をしてきた。コロナと違うのは評価の対象に対する基本的な情報と知識、そして油層工学という武器と経験があったこと。コロナ感染に関しては、武器はないものの情報や知識はそこそこ入手できるので、本質的に同様の作業はできる。

むしろ、政府の専門家会議においては、そのような可視化された予測さえなされていない(少なくと稚拙な西浦某の図しか公開されていない)ことに驚く(だから作った)。それにもかかわらず政府が政策決定を行っているのだから無謀というか、その勇気に感服、むしろ安倍さんに同情を禁じ得ない。

思わず前置きが長くなったが、4月13日の予測がこちら。予測後の各国の感染者数の推移も図にアップしている。感染者数は二つの予測レンジの中に納まると見ていたが、結果は大外れ、想定をはるかに下回った。この一週間ほど書き綴った「新型コロナウイルスの正体」がわかっていなかった、つまり知識に欠けていたのが外れの原因のひとつ。いずれにせよ、日本の感染者数は欧米各国よりけた外れに少ない。
20200508予測1

外れのもう一つの要因が、予測した時期。予測は4月12日までの感染者推移の実績をもとにした。後にわかったことだが、4月11日が感染者のピークだった(下図)。その時は、これからコロナ先進国のように感染が拡大する可能性は大と評価した。上図の予測曲線のスタートポイントを見ればわかるだろう。ただし日本の感染実態を鑑み、人口は欧州諸国を大幅に上回るにもかかわらずピーク感染者数は低く設定したのが救い。この手の予測作業を数多くやってきたのでわかるが、目の前で急増している時に明日から減少するとはよほどの強い根拠がなければ言えない。逆にそれを出来るのが本物の専門家。
20200508現状

で、その予測を累計感染者数で表したのが下図。予測2の低感染拡大ケースで累積患者数は5万人と予測されたが、実際は2万人程度だろう。感染発生者数は漸減傾向が明らかで、医療崩壊をもう心配する必要はなさそう。
20200508予測2

という日本の現状に対し、今日の日経新聞HPにこんな記事が掲載されていた。

ボストン・コンサルティング・グループは、新型コロナウイルスをめぐり世界9カ国で実施した消費者意識調査の結果を公表した。日本は感染状況や景気の落ち込みについて「最悪の状態は脱していない」との回答が82%にのぼった。日本よりはるかに多数の死者が出ている米国(57%)や中国(26%)を上回り、調査した9カ国で最も悲観的な傾向が強かった。
20200508悲観

英国やカナダはわからないでもない。が、アメリカの結果であれば理解できるが日本の80%超の数字は驚嘆に値する。驚かない人はもう一度実態である冒頭の図をご覧いただきたい。何をもって「最悪」の状況を脱していないのか理解を超越している。ボストン・コンサルティング・グループが日本のどのような人たちを対象に調査したのかわからない。多分テレビや新聞記事しか見ていない、情報の鎖国状態にあるような人達だったのだろう。逆に見れば、新聞テレビは実態をほとんど報じていない。太平洋戦争下の日本と同じ。こんな人たちが国政選挙で平等な一票を投ずるとしたら日本の未来は暗い。孫たちが可哀想。

「反省」とタイトルに書きながらちっとも反省になっていない反省文。
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