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2020.07/13 [Mon]
新宿の劇場クラスター
昼のワイドショーで、国内で初めて舞台でのクラスター感染が発生したとかで、熱を入れた報道が放映された。詳細は今夜のニュースや明日の新聞に掲載されるだろう。ネット上の記載を寄せ集めた概要は以下のとおり、テレビの方が詳しかったが仕方がない。
新宿シアターモリエールで6月30日~7月5日に上演された舞台で、出演者16人、スタッフ5人、観客9人の合計30人の感染したと主催者が発表した。シアターモリエールは通常は186席。今回は政府のガイドラインに合わせ、100席弱に減らして上演。千秋楽翌日の6日に出演者で「スーパーブレイクダーン」のTAKUYA(23)の感染が発覚。このため全共演者とスタッフが8日にPCR検査を受け、多数の感染が判明した。体調不良の出演者がいたが、医者に確認したが問題ないとして上演された。テレビでは個々の発症日も調べて放映されたいた。
小規模な劇場のため、楽屋は8畳ほどの大きさなので、舞台裏なども楽屋にしてできる範囲で密集は避けられた。公演以外の時間は窓を開けるなど換気に気を付けていたが、公演中は密閉状態、当然入場した観客にはマスクの着用が義務付けられた。
こんな場所に位置しこんな客席、中規模な密閉空間といったところ。

新型コロナウイルスに関しては数多の記事を書いてきたが、最初のまとまった記事は4月に書き始めた「新型コロナウイルスの正体」という6回の連載記事。以来COVID-19に関する基本的な認識は変わらない、というかその時に書いたことと本質は何も変わっていない。その第一回にこんな記述がある。COVID-19の感染に関する本質だ→こちら。
すなわち、COVID-19が肺細胞で増殖するということは、感染者が息をし続けるかぎりは、呼気に混入してウイルスが外に放出され続けるわけだ。一方「人間の気道は病原体を取り除く優れたフィルターなので、気管支の奥まで至るには多数のウイルスを吸入する必要がある」そうだ。すなわち感染のためには「長時間にわたる強度の(ウイルスの)曝露が必要」でもあるという。
感染プロセスの認識は極めて重要、なぜなら感染防止とは感染プロセスを阻害すれば良いわけで、逆に役に立たない防止策、マスクとかフェイスガードとかアクリル板とかソーシャルディスタンスとか外出自粛とかは無意味なだけでなく、暗に強要されるのでいい迷惑。有効な予防対策は長時間の「三密」状態を避けることだけだ。
今回の劇場のクラスター、上記の認識に対する絶好の証明の一つだった。まず観客に対し上記の役に立たない防止策はすべて採られている。最前列の2列の人たちにはフェイスガード用意されていたという。それにもかかわらず何故クラスター感染が生じたのか?感染者がいれば、大声を出そうが出すまいが、息をしている限りは呼気が密閉空間に排出され、空間のウイルス密度が高まる。かつ長時間そんな環境にいれば、不運な感染者が生てもおかしくない。しかも舞台とあれば最低2時間。この時間の話も「新型コロナウイルスの正体」に書いている。
そんな話、聞いたことがない、という人は聞いたことがないだけ。他紙は知らないが、日経新聞にこんな記事が掲載された。
「エアロゾル」感染の証拠認識、WHOが見解
【ジュネーブ=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)は7日、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介した新型コロナウイルスの感染について、新たな証拠があることを認識しているとの見解を示した。ただ、証拠は決定的ではないとも強調し、数週間以内に感染経路を説明した最新の報告書を公表する予定という。
くしゃみなどをすると飛沫は1~2メートル程度で落下するが、小さい飛沫はエアロゾルと呼ばれる微粒子になって、長い間空気中を浮遊し、遠くまで移動する。世界32カ国の感染症専門家239人は6日、エアロゾルによって感染するリスクを指摘した報告書を公開し、話題を呼んでいた。
WHOの感染予防の技術責任者ベネデッタ・アレグランジ氏は7日の記者会見で、エアロゾルを介した感染の可能性を示唆したうえで、「換気の悪い場所などでの感染の可能性は否定できない」と話した。「証拠を収集して解釈する必要がある」として、検証作業を急ぐ考えを示した。
WHOはこれまで新型コロナの主な感染経路は飛沫と接触だとして、対人距離の確保などの徹底を求めてきた。仮にエアロゾルからの感染が正式に認められれば、WHOが推奨する対策も変更を迫られる可能性がある。
エアロゾルって何?という人はこちら、5月末の記事から。何をいまさら感を禁じえなかったので覚えている。

くしゃみやせきなどで口や鼻から出る飛沫のうち、極めて小さなしぶき。明確な定義は無いが、大きさは10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下を指す。海外では「エアロゾル」とも呼ばれる。新型コロナウイルスやインフルエンザなど細い気管支や肺胞に感染するウイルスでは、患者の呼気からマイクロ飛沫が出るとされる。
通常の飛沫に比べて軽いため遠くまで飛ぶうえ、換気が十分ではない室内では数十分にわたって空気中を漂う。多数の肺炎患者が入院する病院では、集団感染(クラスター)の原因になる可能性もある。
呼気にウイルスが含まれ空気中を漂うのだから、マスクとかフェイスガードとかアクリル板が如何に馬鹿げているかは自明だろう。本記事、すべてこれまで記してきたことばかり、専門家もピンからキリまでいろいろいる。
なぜ呼気にウイルスが含まれるという当たり前の話がなかったのか?想像だが、COVID-19感染拡大初期にそんな不都合な真実を公開すれば、国民に大パニックが生じるから、という政治的配慮があったのかもしれない。一方マスクは何か積極的な防止策を講じているという幻想を国民に持たせるには最適な小道具。
日本では放任されている不顕性感染者の数は常時10万人に多くて数人だろう。空気感染であっても、感染者に出会うのは至難の業。かつ日本では二次感染者の数がヨーロッパやアメリカに比べ異様に少ないことは当初から知られていた。だから日本で原因は何であれ感染爆発は起きない。政府や自治体の感染防止策が効果がないものでも、感染数が少ないのは政策のおかげという誤解を国民が持ってくれる。西浦某は最高の役者であった。
新宿シアターモリエールで6月30日~7月5日に上演された舞台で、出演者16人、スタッフ5人、観客9人の合計30人の感染したと主催者が発表した。シアターモリエールは通常は186席。今回は政府のガイドラインに合わせ、100席弱に減らして上演。千秋楽翌日の6日に出演者で「スーパーブレイクダーン」のTAKUYA(23)の感染が発覚。このため全共演者とスタッフが8日にPCR検査を受け、多数の感染が判明した。体調不良の出演者がいたが、医者に確認したが問題ないとして上演された。テレビでは個々の発症日も調べて放映されたいた。
小規模な劇場のため、楽屋は8畳ほどの大きさなので、舞台裏なども楽屋にしてできる範囲で密集は避けられた。公演以外の時間は窓を開けるなど換気に気を付けていたが、公演中は密閉状態、当然入場した観客にはマスクの着用が義務付けられた。
こんな場所に位置しこんな客席、中規模な密閉空間といったところ。

新型コロナウイルスに関しては数多の記事を書いてきたが、最初のまとまった記事は4月に書き始めた「新型コロナウイルスの正体」という6回の連載記事。以来COVID-19に関する基本的な認識は変わらない、というかその時に書いたことと本質は何も変わっていない。その第一回にこんな記述がある。COVID-19の感染に関する本質だ→こちら。
すなわち、COVID-19が肺細胞で増殖するということは、感染者が息をし続けるかぎりは、呼気に混入してウイルスが外に放出され続けるわけだ。一方「人間の気道は病原体を取り除く優れたフィルターなので、気管支の奥まで至るには多数のウイルスを吸入する必要がある」そうだ。すなわち感染のためには「長時間にわたる強度の(ウイルスの)曝露が必要」でもあるという。
感染プロセスの認識は極めて重要、なぜなら感染防止とは感染プロセスを阻害すれば良いわけで、逆に役に立たない防止策、マスクとかフェイスガードとかアクリル板とかソーシャルディスタンスとか外出自粛とかは無意味なだけでなく、暗に強要されるのでいい迷惑。有効な予防対策は長時間の「三密」状態を避けることだけだ。
今回の劇場のクラスター、上記の認識に対する絶好の証明の一つだった。まず観客に対し上記の役に立たない防止策はすべて採られている。最前列の2列の人たちにはフェイスガード用意されていたという。それにもかかわらず何故クラスター感染が生じたのか?感染者がいれば、大声を出そうが出すまいが、息をしている限りは呼気が密閉空間に排出され、空間のウイルス密度が高まる。かつ長時間そんな環境にいれば、不運な感染者が生てもおかしくない。しかも舞台とあれば最低2時間。この時間の話も「新型コロナウイルスの正体」に書いている。
そんな話、聞いたことがない、という人は聞いたことがないだけ。他紙は知らないが、日経新聞にこんな記事が掲載された。
「エアロゾル」感染の証拠認識、WHOが見解
【ジュネーブ=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)は7日、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介した新型コロナウイルスの感染について、新たな証拠があることを認識しているとの見解を示した。ただ、証拠は決定的ではないとも強調し、数週間以内に感染経路を説明した最新の報告書を公表する予定という。
くしゃみなどをすると飛沫は1~2メートル程度で落下するが、小さい飛沫はエアロゾルと呼ばれる微粒子になって、長い間空気中を浮遊し、遠くまで移動する。世界32カ国の感染症専門家239人は6日、エアロゾルによって感染するリスクを指摘した報告書を公開し、話題を呼んでいた。
WHOの感染予防の技術責任者ベネデッタ・アレグランジ氏は7日の記者会見で、エアロゾルを介した感染の可能性を示唆したうえで、「換気の悪い場所などでの感染の可能性は否定できない」と話した。「証拠を収集して解釈する必要がある」として、検証作業を急ぐ考えを示した。
WHOはこれまで新型コロナの主な感染経路は飛沫と接触だとして、対人距離の確保などの徹底を求めてきた。仮にエアロゾルからの感染が正式に認められれば、WHOが推奨する対策も変更を迫られる可能性がある。
エアロゾルって何?という人はこちら、5月末の記事から。何をいまさら感を禁じえなかったので覚えている。

くしゃみやせきなどで口や鼻から出る飛沫のうち、極めて小さなしぶき。明確な定義は無いが、大きさは10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下を指す。海外では「エアロゾル」とも呼ばれる。新型コロナウイルスやインフルエンザなど細い気管支や肺胞に感染するウイルスでは、患者の呼気からマイクロ飛沫が出るとされる。
通常の飛沫に比べて軽いため遠くまで飛ぶうえ、換気が十分ではない室内では数十分にわたって空気中を漂う。多数の肺炎患者が入院する病院では、集団感染(クラスター)の原因になる可能性もある。
呼気にウイルスが含まれ空気中を漂うのだから、マスクとかフェイスガードとかアクリル板が如何に馬鹿げているかは自明だろう。本記事、すべてこれまで記してきたことばかり、専門家もピンからキリまでいろいろいる。
なぜ呼気にウイルスが含まれるという当たり前の話がなかったのか?想像だが、COVID-19感染拡大初期にそんな不都合な真実を公開すれば、国民に大パニックが生じるから、という政治的配慮があったのかもしれない。一方マスクは何か積極的な防止策を講じているという幻想を国民に持たせるには最適な小道具。
日本では放任されている不顕性感染者の数は常時10万人に多くて数人だろう。空気感染であっても、感染者に出会うのは至難の業。かつ日本では二次感染者の数がヨーロッパやアメリカに比べ異様に少ないことは当初から知られていた。だから日本で原因は何であれ感染爆発は起きない。政府や自治体の感染防止策が効果がないものでも、感染数が少ないのは政策のおかげという誤解を国民が持ってくれる。西浦某は最高の役者であった。
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