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風の行方とハードボイルドワンダーランド

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ファクターXは結核か?

コロナ騒ぎがまた振り出しに戻ったようだ。これまでの4か月の経験がどのように生かされるのかわからないが、自分のことは自分で守るしかないだろう。

新型コロナウイルスに関する記事を数多く書いてきたが、その集大成が「ファクターXの発見と証明」シリーズ。この(5)と(6)を一つにまとめた集合記事を「ファクターXは結核か?」として6月末に「アゴラ」に投稿した。これまでも数回投稿、掲載されている。その時はアクセスランキングで5位になっていた。
20200703アゴラa 
20200704アゴラランキングa

他のウェブサイトに掲載されているが、自分のブログにないのもヘンなものなので、この機に載せることにした。これまで誰も気づかなかった視点からファクターXの謎に答えるもので、内容も科学論文として恥ずかしくないレベル。なお、詳細や他の資料は原文をご参照のほど。

世界的なCOVID-19 感染者数は日々増加していて、感染爆発を危惧する状況にある。アフリカでもまだ感染者数は少ないものの日々の増加している状況にある。。アフリカ諸国は一般に三密の典型のような生活環境にあり、衛生環境は未熟、国民の管理統制は不十分で自粛要請も機能しないと思われる。

今後アフリカでもヨーロッパやアメリカのような感染爆発が起きるのだろうか?

前回まででファクターXの正体か結核と関連があるらしいことを示した。もしそれが正しいのであれば、アフリカではヨーロッパ諸国やアメリカのような感染爆発は生じないはずだ。

逆にもし東南アジア諸国程度の感染拡大状況であれば、結核患者の多いという状況が、COVID-19の感染抑止と死亡者の削減に寄与していることを示す。

アフリカ諸国の多くは感染拡大中であり、感染者数などを並べても意味はない。そこで、感染数の推移を見てみる。札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門の方が、「人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】」という世界に誇るべきページをWeb上に開いておられる。そのデータを使用させていただいた。。

まず、アフリカとヨーロッパの比較。札幌医大の図は縦軸が自動表示なので図上で同一の目盛りに調整してある。対数表示なので目盛りのレンジは1から7000までであることに注意。両グラフを貫く青い線が10万人あたり100人である。アフリカでは10人を二か国だけだが超えているが、ヨーロッパでは半数以上が軽く100人を超えている。

しかし重要なのは増加のパターン。横軸の時間軸は共通なので推移の傾きは感染の増加速度を意味する。ヨーロッパでは平均6-70人レベルまで急増しピークを迎え収束に至ったが、アフリカでは急増レベルは数人レベルまで、かつその急増速度もヨーロッパに較べて穏やか。アフリカは様々な社会的様相においてヨーロッパ諸国とはネガティブな方向に大きくかけ離れているが、感染増加パターンは明らかに穏やかである。
20200626ppt4.png


次にアジアとの比較。図には同様の処置を施している。アジアの図、中近東と東南アジアが混在しているが、よく見ると青線の100人(10万人あたり)で上下のグループにはっきりと分かれている。下のグループが東南アジア。コンゴと南アフリカを除けば、アフリカの感染拡大パターンは東南アジアとよく似ているだけでなく、感染者の発生レベルも10万人あたり数人から数十人と同一、ヨーロッパを一桁下回っている。
20200626ppt5.png


この地域差、すなわち結核感染者数の差は、死亡者数においてさらに顕著となる。図の青線は10万人あたり1人。ヨーロッパではほぼすべての国で1人以上、ベルギーでは80人の死者を出しており、平均は10人を超えるだろうが、アフリカでは平均が2人を超えることはないであろう。


何が違うのか?

改めて前回紹介した公益財団法人結核予防会のパンフレットに掲載されていた2018年の世界各国の結核の感染状況マップを引用する。WHOのGlobal TB Report 2018のデータを基にして作られた労作である。10万人当たりの感染者を示しており、東南アジアとアフリカに感染者が多く、一方ヨーロッパや南北アメリカでは感染者が少ないことが一目瞭然。
20200626結核感染2018

WHOのGlobal TB Report 2019から、地域別に集計した結核感染者数の統計を下図に示した。上図を地域別まとめたものと思えばよい。ヨーロッパやアメリカでは10万人あたり23-4名に対し、アジアは200名超と約10倍、アフリカでも6-7倍の感染者がいることが数値で示されている。。
20200626結核世界比較


患者が多いということは、結核菌に対する被曝をうける国民も被爆量も多いということ。発症しなければ、BCGを受けなくてもより強力なワクチンの接種を受けているのと同じだろう。小学生時代、ツベルクリン反応が陰性だとBCGを打たれ、陽性だとBCGを打たれなかったことはその証左である。当時の日本は立派な結核先進国だった。


日本ワクチン学会は4月3日に「「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBCG ワクチンの効果に関する見解」を公表した。
「新型コロナウイルスによる感染症に対してBCG ワクチンが有効ではないか」という仮説は、いまだその真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない。

公表当時は、BCGの有効性を否定するものとして認識され、公表意図も風説の流布の防止だったと思われる。今読むと上手くできていて、BCGの効果を否定はしていない。しかし実態はこれまで述べてきたとおりである。

感染症の専門家に、国内の感染状況への対応やや論文検索だけでなく、世界的な視野をもって膨大なデータを活用し、結核とCOVID-19 の因果関係をきちんと検証してもらえたら、日本のコロナ対策もまた違うものになるだろう。
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