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風の行方とハードボイルドワンダーランド

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新型コロナ:ツインデミックは起こらない?(1)

8月末に「新型コロナウイルス感染症対策本部」の決定が公表された。その一節がこちら;
季節性インフルエンザの流行期には、発熱等の症状を訴える者が大幅に増え、検査や医療の需要が急増することが見込まれることから、更なる検査体制、医療提供体制の確保・拡充に取り組んでいく。

日曜日の新聞記事には「ツインデミック」という言葉でこう書かれていた。
全国の自治体がインフルエンザの予防接種費用の助成対象を広げている。自己負担額を軽くすることで、重症化するリスクが比較的高い人の予防接種を促し、新型コロナウイルスとの同時流行「ツインデミック」による医療体制の逼迫を防ぐ狙いだ。

今日の新聞にも;今冬は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されており、政府は検査体制の拡充などを急いでいる。
 
行政や医療関係者にとっては切実な問題で、それを揶揄するつもりはないので念のため。

上記のように今年の秋から冬にかけてインフルエンザが例年のように大発生し、コロナのとの「ツインデミック」が警戒されている。しかし、「ツインデミック」は本当に懸念されているのか、むしろ「ツインデミック」が生じる可能性は極めて低いと考えた方が科学的ではないのか?というのが今回のテーマ。

事の発端はほぼ2か月前に書いた「コロナのおかげ?」という記事→こちら。あるコラムに「マスクの着用や手洗いをする人が増えたためと思いますが、インフルエンザの患者数は激減しています。」とあったので、そうではないと、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の感染者発生データをもって証明した。

その時点では触れなかったが、そのデータは新型コロナウイルスのインフルエンザウイルスに対する一方的なウイルス干渉を示唆するデータそのものであった。今回その時用いた2枚の図を再掲して話を進める。

まず、今シーズンのインフルエンザ患者数の推移、データは厚生労働省の季節性インフルエンザ専用ページのデータ。今年だけでなく過去11年分のデータも合わせて示している。縦軸は全国の多数のモニター医療機関での感染者数の平均値で感染者数の絶対値ではないが、流行を概観するには十分。

今シーズンのインフルエンザの流行は例年より早く11月に流行の兆しが始まった。その後例年の通り爆発的に感染者が増え続けるが、ピークは不思議なことに昨年の第52週、すなわち年末であった。通年であれば図に明らかなように第4週、即ち1月終わりから2月初めがピークになる。ところが1月第1週には感染者数が急減している。その後3週間ほど小康状態を続け、第5週、すなわちダイアモンドプリンセスが入港したころにはまた急減し始めた。そして緊急事態宣言が出される3月下旬にはインフルエンザはほぼ収束した。
20200723インフルエンザ推移

一方、新型コロナウイルス感染者の推移の復習。昨年末に中国武漢で新型ウイルスの発生が報じられ、1月には感染者がわずかであるにも関わらず武漢が封鎖された。このころは対岸の火事。2月3日に集団感染が明らかになった豪華クルーズ船ダイアモンドプリンセスが横浜港に入港した。中国だけの話ではなくなって身近なものになったが、船が隔離されていることもあって身近な脅威ではなかった。2月中旬から国内でも感染者が散見され始め、3月初めに中国人の入国制限を開始、同下旬には感染者が一日100人を超え、4月7日に7都府県に緊急事態宣言が出された。多くの人が感染防止のためマスクや手洗いを始めたのは統計はないものの、多分3月に入ってからだろう。
20200723インフルエンザ減の原因

今回の話のポイントはインフルエンザである。それを踏まえてこの二つのデータから注目すべきは以下の点;
1)今シーズンのインフルエンザ感染者数は例年に比べ異常に少なかったが、異常な減少が観測されたのは2020年の第1週。中国で新型コロナウイルス感染者が発見されたばかりだった。当時の日本では所詮中国のこととして、国内の関心は薄く、中国人旅行者も年末年始にかけて大量に入国していた。
2)インフルエンザ感染者数の例年に比べて異常に少ない状況はその後も続き、例年のピーク時の1月末から2月初めにかけても増加は見られなかった。この頃はコロナの国内での発症者も観測されていない。
3)コロナの発症者は2月中旬に初めて発見され、その後の経緯は御承知の通り。
4)中国人の入国制限は3月はじめ。

なぜ今シーズンのインフルエンザ感染者が異常に少なかった理由として、マスクや手洗いなどの基本的予防対策が功を奏したという説が、如何に時間関係を無視した珍説であることもわかるだろう、3月にはインフルエンザは少ないレベルあることに加え、すでに収束過程にあったのだから。

では、なぜ今シーズンのインフルエンザ感染者数が異常に少なかったか?

具体的な証明も論文もないが、中国人の持ち込んだ新型コロナウイルスがしずかに蔓延し、メカニズムは不明にしろ、インフルエンザの発症を抑えるウイルス干渉が起きた、と考えるのは、当然の、そして有力な仮説と思われる。

と思っていた中、WHOのインフルエンザに関するレポートがあるのを知りアクセスした。下図はレポートの中の図で、南半球の温帯に属する国々の、昨年後半から8月31日までのインフルエンザ感染者数をウイルス種別に積み上げたグラフである。感染者の実数はわからないが、相対的な毎週の感染者数の推移は一目瞭然、2020年に関しては、第11週、すなわち3月下旬をピークとして激減をはじめ、第16週、即ち4月下旬から五月初めより、インフルエンザ患者がほとんど皆無になっている。
20200916SH2020#375

上図だけでも異様な雰囲気が漂うが、赤の四角で記した年初から8月末までの昨年の感染者数推移の、2019年の実績値を見ればそれが如何に異常値であるかがわかるだろう。第16-18週というのはインフルエンザ流行の始まりで本来患者が増加する時期、さらに第23-26週、すなわち6月が例年のピークであるのだが、今年はほとんどゼロ。日本のケースよりも極端。
20200916SH2019all.png

こちらはそのWHOのレポートの南半球に関する記述。簡単に訳すと;
・南半球のインフルエンザは例年と比べ記録的に少ない。
・オセアニアではインフルエンザ様の病なども例年と比べ少なく、オーストラリアやニュージーランドではインフルエンザが増えているとはいえ、インフルエンザウイルスはほとんど検出されていない。
・南アフリカでは、新型コロナウイルスは検出されるもののインフルエンザウイルスは全く検出されていない。
・南米ではアルゼンチンインフルエンザウイルスはほとんど検出されず、チリでは新型コロナウイルスの増加とともにSARIの患者が減少し続けている
20200916WHO SHsummary#375

次に各国のCOVD-19の感染推移を見る。(続く)
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