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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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東証の事故

昨日の東京証券取引所、上場する株式などの金融商品を終日売買停止とした。市場に相場情報を伝えるシステム機器に障害が発生したためというが、全株式の売買が終日できなくなるのは1999年に取引がシステム化されて以降初めてで、先進国では異例だそうだ。そんな歴史的事件の翌日の紙面の美しい株式欄。
20201002東証停止

新型コロナの影響による経済の委縮により、存亡の危機に直面している企業も少なくない中、現在世界中の株式市場が堅調である。そんな先月末に、沸き立つ株式市場を冷ややかに見てか、冷静な記事が続いた。
20200929二番底x

まず、「米経済の回復力、深い二番底のリスク 」と題する元モルガン・スタンレー・アジア会長で米エール大教員 スティーブン・ローチ氏のインタビュー記事。
米経済の景気回復は金融市場が期待しているよりもはるかにもろく、二番底に向かっている可能性が高く、米国のコロナショックは壊滅的な大きさのため、余震も非常に大きくなる可能性が高い、との御託宣。政府債務残高の国内総生産(GDP)比はすでに第2次世界大戦のころの水準を超えている。今後10年のうちに130%にまで高まる可能性がある。持続可能とは言えないだろう、と述べている。ちなみに日本は260%、日本の政府債務残高について尋ねれば、推量ではなく持続は不可能と断言すると思われる。

次がアメリカの債券市場のトピック。米低格付け社債はしばしば、危機の兆候をいち早く知らせる「炭鉱のカナリア」と呼ばれているそうだ。米運用最大手ブラックロックの米低格付け社債のETFの異変、資産は約260億ドル(2兆7千億円)と低格付け債ETFとして世界最大で2020年の資金流入額は100億ドル近くにのぼった。しかし9月18日ごろから、連日のように大規模に資金が流出し、流出の勢いは新型コロナウイルスで金融市場が揺れた2月下旬に匹敵する規模だそう。7~8月の株や社債の相場上昇は「政府・中銀が支えてくれる」という期待が過度に強まっていた面もあり、マネーストックは1980年代後半から90年代初めのバブル期以来の高い伸びとなっている。それが足元では一部の資金が撤退を始めている。要はカナリアが鳴き始めたという話。

日本の現状の解説記事。「アメとムチ、2つのマイナス金利を導入したことによって、日銀は名実ともにゼロ金利制約を克服したと言えそうだが、それだけに劇薬である。超緩和状態が長くなれば、バブルの種が生まれてくる。金融機関の資産の健全性にも注意が必要になってこよう。プラザ合意による円高に対応する金融緩和が続き、バブルと不良債権を生んだ教訓を忘れてはいけない。」

GO TOトラベルで行かなきゃ損、という話で盛り上がるのも悪くはないが、その100倍返しの地獄が目の前に横たわっている可能性も大きい。そんな予感を感じさせる東証の事故。冒頭の新聞の株式欄がそれを象徴しているように思うのは気のせい?
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