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再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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大阪都構想:笑えない現実

大阪都構想の住民投票の結果、いろいろなデータが公表されていて、じっくり鑑賞すると興味深い。そこから見てくるのは「民主主義」という名の意思決定プロセスの絶望的な実態だった。

まず、単純な結果。反対で決着したが、その差は総投票数に対し1.25%、1票でも上回れば勝ちというルールで意思決定が図られたので差の大小は問題ではない。しかし住民の未来がそんなルールで決定されてよいのだろうかという疑問が湧く。

大阪都構想の住民投票は5年前に次いで2回目。区ごとにみると、賛成、反対の意思は全く同じだった。5年たって、それなりに都構想の内容にたいする住民の認知がそれぞれ深まったはずだが、すべての区において全く変化がなかったというのは感慨深い。
20201102大阪都構想結果

その背景をうかがわせる統計が2日の日経新聞に掲載されていた。出口調査による年代別の賛成反対結果で、年代別にみると、20代は賛否が拮抗、30~40代では賛成が反対をやや上回った。60代になると反対が約54%で賛成より多く、70歳以上は反対が約61%と大幅に上回ったそうだ。
20201102大阪都構想年代別日経

NHKも独自なのか日経新聞データの借用なのかわからないが、同様の結果を報道したらしい。
20201102大阪都構想年代別NHK

こちらは前回の住民投票の年代別投票率。高齢者になるほど投票率は高い。この傾向は大阪府の他の選挙でも同じ傾向が確認されており、今回も同様と考えて良い。多分調べれば、日本中で同じ傾向が確認されるだろう。
20201102大阪都構想年代別投票率

二つのデータを重ね合わせれば、今回の住民投票、大雑把にいえば60代以上の現状維持という意思が、大阪市民全体の未来を決定した、と結論してよい。

下図は前回の住民投票結果の分析データと思われる。この結論はこの図からも導き出される。前回の住民投票(区別の賛成反対の結果は今回と同一)では、若い人の比率の多い区(緑)では賛成が過半数を上回り、逆に若い人が少ない区(赤)では反対率が高いことが一目瞭然。賛成の多い区は市の北東部に固まっており、大阪に親しくないので憶測だが住民の地域差というものが存在するのかもしれない。
20201102大阪都構想年代別2

橋下徹が大阪府知事に当選したのが2007年、しかし任期を残して辞職し2011年に大阪市長に立候補し当選した。知事の方が位は上だろうに何故?と訝しかったので記憶に鮮明。二重行政の無駄などというのはきれいごとで、大阪市役所の腐敗した実態を根本的に解体せねばならないという思いだったようだ。その手段が都構想。政令指定都市は大阪だけでなく、札幌、仙台等いくつかあるが、大阪だけは異質、同一に語ろうとするのは間違い。

二重行政の無駄の実態とは、膨大な人間が複雑絡にみ合った既得利権と、一般に左翼系と呼ばれる仕事をしないで給料をもらおうとする人達への人件費である。今回、自民党と共産党が協力して反対したことでもわかるだろう。市議会議員レベルの自民党員というのは地元の利権確保の親分のような人が多いので、国会議員とは別の人種。

以上は大阪都市構想に関する私の理解。

さて、問題はここから。なぜ、60代以上に反対もしくは現状維持を希望する人が多いのか?

60代以上(私もここに属するが)は一般に情報のソースは新聞とテレビだけであることが多い。自分で考えているつもりでも、単に新聞の洗脳をうけ、XX新聞にこうあったからと受け売りしている人が多い。新聞は公明正大な公器というのは幻想、日本では、不幸にして一部の新聞テレビは、真相とはとかけ離れた些細な事実をもって全体像のように報道する印象操作が目立つのだが、思考能力を奪われているので気がつかない。一方、若い人は玉石混淆とはいえネット上で多くの様々な見地から述べられる詳細な情報を得る。

得られる情報が異なれば判断も異なる。

今回、印象操作の典型が現れネット上がずいぶんにぎやかだった。26日、「大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算」というトップ記事があったそうだ。これを受け、一部の新聞やNHKまで後追い報道をするという事態が発生した。

しかしながら実態は「都構想」とは無関係な内容であったことから、「世紀のフェイクニュース」、「誤報」と非難が集中、これを受け28日に東山潔・大阪市財政局長が「市民に誤解と混乱を招いた」と謝罪した。

「都構想」とは無関係と知っていたので「大阪市4分割なら」との見出しにしたらしいのだが、この時期に一面トップ記事なら読者は都構想の4特別区のことと思う。後日訂正、謝罪を掲載しても一面で大々的に報道た瞬間、印象操作は完遂している。巧妙な印象操作の典型。自民党や共産党、他の野党に加え大阪の利権に絡む一部の新聞も反対の立場だった。新聞テレビだけが情報源の人達に対しての効果は十分。ちなみに日経新聞にはこの件についての記事は一行も載らなかった。

現在の日本は高齢化で60代以上の人口比率が高く、かつ投票率も高い。今回の住民投票がいい例だが、世論とは実は一部の新聞の印象操作の成果に他ならない。大阪の将来に一番影響を受けるのは若い世代にもかかわらず、他人事とはいえそれを決定するのが高齢者という笑えない現実。
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