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風の行方とハードボイルドワンダーランド

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日本におけるコロナの実態(2);COVID-19の感染メカニズム

コロナウイルスの復習から。イメージ図 コロナウイルスイメージ図

まず、コロナウイルスについての基礎知識。ウイルスは全て、ウイルス表面のスパイクをヒトの細胞のレセプター(受容体)と結合させることによって感染を引き起こす。鍵と鍵穴のような関係で両者が合致しないと感染しない。新型コロナウイルスのレセプターはSARSと同じACE2という酵素、ACE2は人体の細胞の中でも肺胞の細胞に多くが存在する。結合後、TMPRSS2という酵素の助けによって細胞に侵入、細胞の機能を使って自分のRNAを合成、細胞外に出て感染=結合を繰り返し爆発的に増殖する。

最近の英国での変異型というのは、ACE2と結合しやすいスパイクが増えた変異体ということのようだ。なお、ウイルスの毒性云々という表現を散見するが、以下のメカニズムによって細胞を破壊、増殖するだけで、毒性も悪意もない。

人間の宿主細胞である肺胞細胞にウイルスが感染すると、感染した細胞は死滅、肺胞は酸素を吸収することができず肺炎となる。このプロセスににおいて、何らかの免疫機構によって新型コロナウイルスの結合や侵入、増殖が妨げられれば、わずかな肺胞の感染で済む場合は無症状、以下その程度や増殖期間によって風邪程度から中程度までの肺炎が生じる。さらに既往症のある高齢者や自己免疫疾患にかかり易い体質の人は重症化、もしくは死に至る。

コロナウイルスは7種あり珍しいものではなく、普通の風邪の2割は4種のコロナウイルスによるもので、他の3種がSARS、MARS、COVID-19。日本人の幼児に対する新型コロナウイルスの感染率が異様に低い原因は、幼児が頻繁に熱を出したり洟を垂らしたリするように4種のコロナウイルスによる風邪のため、新型コロナウイルスに対する抗体を獲得しているから、という学説もある。

なお風邪のコロナやインフルエンザは上気道、すなわち鼻や喉に感染するのに対し、新型コロナウイルスは下気道、すなわち肺に感染する。たった一行の記述だが、感染対策において重大な差異がある。

インフルエンザや他の消化器系の病原菌による感染症が経口感染するのと異なり、COVID-19は新型コロナウイルスが肺胞に達しなければ多くの場合感染しない。手や鼻、口に付着しても感染は生じない。気分はよくないが、新型コロナウイルスを多量に飲み込んでも受容体のない食道から胃に流れ込んでしまうので感染しようがないはず。口に付着しても、ほど長時間口呼吸を続けなければ発症するような数のウイルスが肺に運ばれることはありえないことになる(多分)。

更に人間の気道は病原体を取り除く優れたフィルターなので、気管支の奥まで至るには多数のウイルスを吸入する必要があり、感染のためには長時間にわたる強度のウイルスの曝露が必要となる。3密によるクラスター発生事例をながめた限りでは、2時間以上の印象がある。

以上は感染の被害者側の話。次は加害者側、すなわち感染者の話。感染者といっても、無症状から重症まで上述のように侵された肺胞の量大きな違いがある。ただし新型コロナウイルスが肺胞細胞で増殖するということは、感染者が息をし続けるかぎりは、呼気に混入してウイルスが外気に放出され続けるということである。空気感染するというと世界的な大パニックが起きるので、飛沫感染、経口感染ということにしているのだと今も思っている。夏ごろだろうか、さすがに感染ルートがそれだけだとマズいと思ったのかどうか、マイクロ飛沫という感染メカニズムが登場した。

呼気は鼻孔を通って外気に放出される。その過程で鼻の粘膜に付着するだろう。話をすれば口内にも付着する。これらの粘液がマイクロ飛沫となり、またくしゃみでは一時的に大量の大きなく飛沫となって放出される。ただ粘液に付着するウイルスより、長時間の呼気によって排出されるウイルスの方が桁違いに多いと思われる。厳重な感染防止策を取っている医師や看護師が病院で感染するのがその証左。

さて、空気感染にしろマイクロ飛沫にしろわかりやすい例が病院における多数のクラスター発生事例。軽症から重症の患者が息をしていれば、長時間にわたるだけに咳やくしゃみとはけた違いのウイルスが空気中に漂う。感染者が居れば養護施設も学校も合宿所もカラオケもライブも家庭内感染も同じ。

空気感染やマイクロ飛沫感染が主たる感染メカニズムだとすると事態は絶望的なようだが、そうではない。感染のためには上述した「長時間にわたる強度のウイルスの曝露」が必要だからである。逆にこの条件がなければ健康な日本人(もしくは非欧米人)はほとんど感染しない。よって観光地でも街の路上でも外気環境下での感染は考えにくい。公園の封鎖やソーシャルディスタンスはただのヒステリー。さらに滞在時間の短いデパートを含め多くの小売店、スーパー、などで感染することは極めて稀であろう。密室状況が避けられない時の換気は、ウイルスが存在しても空気中のウイルス密度を大幅な低減するので効果はあるだろう。GO TOトラベルによるコロナ輸出禁止の効果がなかったのも当然である。

一方飲食店、マスクをしようが手を消毒しようが隣席との間に衝立を立てようが感染者と長時間同じ部屋にいれば、環境としてクルーズ船状態であることは否定できない。これについては後日。

なお以上のことは今わかった話ではなく今年4-5月に書いてきた話の繰り返し。四月下旬から5月初めに書いた「新型コロナウイルスの正体」なる6回シリーズから一部を取り出し加筆修正したもの。→こちら




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