Entries
2021.01/13 [Wed]
日本におけるコロナの実態(9);新型コロナウイルスの光と影
緊急事態宣言の対象に大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県が追加されるそうだ。その結果、宣言の対象地域は11都府県へ広がり、期間は14日から2月7日までとか。西村康稔経済財政・再生相によると「7府県では感染が拡大し医療提供体制、公衆衛生体制が逼迫するなど非常に厳しい状況となっている」らしい。
日本は今や存亡の危機にあるような記事だが、新型コロナウイルス、悪い側面でなく日本人の命に対して貢献している側面もある。いわば影と光、あまり力説しないが、公平と正義の観点から実態を記す。
新型コロナウイルスによるウイルス干渉によりインフルエンザがほとんど絶滅したことが明らかになったが、その記事の中に、新型コロナウイルスをもとに今後インフルエンザワクチンが作られればインフルエンザを撲滅できるのでは?と記した。もし成功すれば世界中で数億の感染者と数十万人の死者を毎年救えることになる。ただしこれは予測なのか希望なのか、もしかしたらたわごとなのかまだわからない。
はっきりした光の部分がこちら。昨年末に、日経新聞に興味深い記事が掲載されていた。「死亡1万4千人減 国内1~10月 」という見出しの元、1~10月の日本の死亡数は前年同期より1万4千人少ないことが厚生労働省の人口動態統計(速報)で分かったという内容。厚労省は毎年12月下旬に死亡者数の年間推計を公表しているが、今年は「例年と動向が異なる」として推計を見送った。ただし、死亡数が減少した原因関しては1~7月分が公表されている。それが下図。
記事には数字が記されているのでとりあえずコピペ。
公表済みの1~7月分で最も減少したのは、新型コロナや誤嚥(ごえん)性を除く肺炎で、前年より9137人(16.1%)減少し、4万7680人だった。インフルエンザは2289人(71.1%)減って932人にとどまった。肺炎やインフルエンザを含む「呼吸器系の疾患」で比較しても計1万2872人減少し、7月までの全死因の減少分(約1万7千人)の4分の3を占めた。

1-7月に肺炎とインフルエンザだけで1万1千人死亡者が、多分前年減より減った。コロナによる死亡者が2020年は3500人ほどなので、その三つの合計で日本人の年間死亡者数は8000人ほど減っている。これは明らかな光の部分。
この肺炎とインフルエンザだけの減少分、年率では2万人近い数字になる。インフルエンザは感染者が激減したので当然の帰結、肺炎死の大きな減少は、例年なら「風邪ですね」と放置されていた老人が、コロナのおかげでレントゲン撮影や血中酸素濃度の測定など適切な診断を受けることができたため、重症化する前に救われたというのが我家の結論。
こちらが厚生労働省HPにあるCOVID-19による死亡者の推移で、年末にかけて急増し、12月31日で3459人とあった。首都圏の感染者ならびに死亡者がさらに増加傾向にあるので緊急事態宣言が発出された。日本の人口は約1億3千万人なので100万人あたりにすると約30人弱、この数字が今後増え続けるのは確か。これが新型コロナの影の部分。

とはいえ、この数字が欧米と比べていかに少ないかについては半年前から繰り返してきた。欧米と同一目線で語る、もしくは欧米並みになるというのはウソ、むしろ別の病気と考えるべきとも。そこで影の正体を暴く。
今回の連載、新型コロナ関連記事の総集編なので、日本の状況が世界的に見ればどのような位置づけになるか、きちんとまとめてみた。これまで代表国や大陸別で示してきたが、世界百数十か国で並べれば小学校を卒業できる学力のある人なら実態がわかるだろうから。国内だけ見ていれば3000人の死者が4000人になれば大変なことが進行しているように思える。これは地べたを這っているアリの目線。今回は鳥というよりも人工衛星から俯瞰した図である。
データの出典は毎度お世話になっている「札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学」のHP。1月11日付のデータ。
資料を作って驚いた。感染急拡大中の日本であるが、30.8人/100万人という累積死者数は地球規模でみると101位だった。上位のお隣さんはジンバブエ、スーダン、ケニア、下位はコンゴ、ガボン、セネガルとアフリカ諸国、いずれも結核先進国、日本も数十年前は立派な結核大国だった。
なお、今後日本の死者が倍増し、他国が不変であっても80位台、他の国々も当然何らかの増加を示すので、アフリカやアジアの発展途上国グループから抜け出ることは至難の業のように思える。ただし、ジンバブエ、スーダン、ケニアなどで緊急事態宣言が出されているかどうかは確認していない。

今日、藤巻健史先生がブログで面白いことを書いていたのでご紹介。
昨晩のニュースで「命を守るために外出を控えましょう」と訴えていた。しかし、そんなこと言われてもな~。昨日の東京の死者は2人、一昨日は4人、10日は3人。警察署の前に掲げられた交通事故の死傷者の掲示板を見ている感じ。あれ見て外出、辞めようとは思わなかったし。

日本は今や存亡の危機にあるような記事だが、新型コロナウイルス、悪い側面でなく日本人の命に対して貢献している側面もある。いわば影と光、あまり力説しないが、公平と正義の観点から実態を記す。
新型コロナウイルスによるウイルス干渉によりインフルエンザがほとんど絶滅したことが明らかになったが、その記事の中に、新型コロナウイルスをもとに今後インフルエンザワクチンが作られればインフルエンザを撲滅できるのでは?と記した。もし成功すれば世界中で数億の感染者と数十万人の死者を毎年救えることになる。ただしこれは予測なのか希望なのか、もしかしたらたわごとなのかまだわからない。
はっきりした光の部分がこちら。昨年末に、日経新聞に興味深い記事が掲載されていた。「死亡1万4千人減 国内1~10月 」という見出しの元、1~10月の日本の死亡数は前年同期より1万4千人少ないことが厚生労働省の人口動態統計(速報)で分かったという内容。厚労省は毎年12月下旬に死亡者数の年間推計を公表しているが、今年は「例年と動向が異なる」として推計を見送った。ただし、死亡数が減少した原因関しては1~7月分が公表されている。それが下図。
記事には数字が記されているのでとりあえずコピペ。
公表済みの1~7月分で最も減少したのは、新型コロナや誤嚥(ごえん)性を除く肺炎で、前年より9137人(16.1%)減少し、4万7680人だった。インフルエンザは2289人(71.1%)減って932人にとどまった。肺炎やインフルエンザを含む「呼吸器系の疾患」で比較しても計1万2872人減少し、7月までの全死因の減少分(約1万7千人)の4分の3を占めた。

1-7月に肺炎とインフルエンザだけで1万1千人死亡者が、多分前年減より減った。コロナによる死亡者が2020年は3500人ほどなので、その三つの合計で日本人の年間死亡者数は8000人ほど減っている。これは明らかな光の部分。
この肺炎とインフルエンザだけの減少分、年率では2万人近い数字になる。インフルエンザは感染者が激減したので当然の帰結、肺炎死の大きな減少は、例年なら「風邪ですね」と放置されていた老人が、コロナのおかげでレントゲン撮影や血中酸素濃度の測定など適切な診断を受けることができたため、重症化する前に救われたというのが我家の結論。
こちらが厚生労働省HPにあるCOVID-19による死亡者の推移で、年末にかけて急増し、12月31日で3459人とあった。首都圏の感染者ならびに死亡者がさらに増加傾向にあるので緊急事態宣言が発出された。日本の人口は約1億3千万人なので100万人あたりにすると約30人弱、この数字が今後増え続けるのは確か。これが新型コロナの影の部分。

とはいえ、この数字が欧米と比べていかに少ないかについては半年前から繰り返してきた。欧米と同一目線で語る、もしくは欧米並みになるというのはウソ、むしろ別の病気と考えるべきとも。そこで影の正体を暴く。
今回の連載、新型コロナ関連記事の総集編なので、日本の状況が世界的に見ればどのような位置づけになるか、きちんとまとめてみた。これまで代表国や大陸別で示してきたが、世界百数十か国で並べれば小学校を卒業できる学力のある人なら実態がわかるだろうから。国内だけ見ていれば3000人の死者が4000人になれば大変なことが進行しているように思える。これは地べたを這っているアリの目線。今回は鳥というよりも人工衛星から俯瞰した図である。
データの出典は毎度お世話になっている「札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学」のHP。1月11日付のデータ。
資料を作って驚いた。感染急拡大中の日本であるが、30.8人/100万人という累積死者数は地球規模でみると101位だった。上位のお隣さんはジンバブエ、スーダン、ケニア、下位はコンゴ、ガボン、セネガルとアフリカ諸国、いずれも結核先進国、日本も数十年前は立派な結核大国だった。
なお、今後日本の死者が倍増し、他国が不変であっても80位台、他の国々も当然何らかの増加を示すので、アフリカやアジアの発展途上国グループから抜け出ることは至難の業のように思える。ただし、ジンバブエ、スーダン、ケニアなどで緊急事態宣言が出されているかどうかは確認していない。

今日、藤巻健史先生がブログで面白いことを書いていたのでご紹介。
昨晩のニュースで「命を守るために外出を控えましょう」と訴えていた。しかし、そんなこと言われてもな~。昨日の東京の死者は2人、一昨日は4人、10日は3人。警察署の前に掲げられた交通事故の死傷者の掲示板を見ている感じ。あれ見て外出、辞めようとは思わなかったし。

- 関連記事
-
- 日本におけるコロナの実態(10);感染者の爆発的急増(つづき)
- 日本におけるコロナの実態(10);感染者の爆発的急増
- 日本におけるコロナの実態(9);新型コロナウイルスの光と影
- 日本におけるコロナの実態(8);インフルエンザと新型コロナの素敵な関係
- 日本におけるコロナの実態(7);感染爆発の行方
スポンサーサイト
*Comment
Comment_form