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日本におけるコロナの実態(16);世界の現状、WHOレポートから

WHOはSituation reportsとして毎週Weekly epidemiological updateなるものを公表している。発表日の週のピンポイントデータなので引用する機会はなかったが、世界の感染状況を概観するには最適なレポートでもある。日本では緊急事態宣言の延長という緊迫した状況の中、2月9日版から国別ではなくさらに大きな6つのエリア別に世界の感染状況を眺めてみよう。

地球全体を眺めると、新型コロナウイルスの感染者は5週連続で減少している。下図の右縦軸は一週間合計の感染者数でその減少率は5週間で3割ほで、約一年前から始まったパンデミックが初めて収束の兆しを見せ始めたというのが世界的に見た現状。実はインフルエンザのように世界的に季節的な収束期に向かっているのかもしれない。
20210210WHO 0

上図には6つのエリアの内訳も示されているが、南北アメリカ(オレンジ)とヨーロッパ(青緑)が目立つ。この2つのエリアにつき、個々に示したのがこちら。両エリア共、期せずしてこの4-5週間で感染者の減少が著しい、多数の文化も政治も社会も衛生環境も異なる国が無数に含まれているにも関わらず。
20210210WHO1.png 20210210WHO2.png

さて、最新の感染状況をエリア別に示したのが下図。南北アメリカ(オレンジ)とヨーロッパ(青緑)の減少が世界的減少の主因だが、減ったとはいえ感染者の85%を両エリアが占めている。この構造は感染者の累計においてもあまり変わらない。

WHOのエリア区分は日本人の感覚と異なるので注記しておく。アメリカというのは南北アメリカ、ヨーロッパはおおむねヨーロッパと思ってよいが他の4つについて違いを記す。
・Eastern Midterranean:いわゆる中近東の国々に加え、モロッコからスーダン、ジブチまでの北アフリカの国々が含まれる。
・SE Asia:インドからタイまで。ベトナムやマレーシアは含まれない。
・Africa:上記のように北アフリカを含まず
・Western Pacific:ベトナムから東側の国々でオセアニアの国々や極東の国々、日本もここに属する。
20210212WHO1.png

さて日本の感染者推移。デイリーなので見かけは異なるが、やはりこの4-5週間で感染者が大幅に減少している。欧米と同じ。
20210210 Japan

実はアフリカも同じ傾向にある。先に欧米の多数の国が期せずして同じ感染者の減少傾向が見られると記した。感染者激減が政府の強力な感染防止策の成果や徹底した国民の基本的感染防止策、衛生環境、医療体制などの成果と先進国は言うのだろうが、そんなレベルの話では世界で一斉に収束傾向が始まった説明になっていないのは明らか。
20210210WHO3.png

先日、日本の緊急時た宣言の効果を見た。図を再掲するが、緊急事態宣言をしようとしまいと感染減は全く同じという驚くべきというか予想通りの結果だった。感染拡大も収束も人知を超えた自然現象、と捉えるべきであろう。正しい認識なくして正しい対策などできるわけはない。
20210206日本の感染者推移2

最後に同レポートに10万人あたりのエリア別累計感染者数と死亡者数が載っていたので鑑賞する。これが元の数値データ。
20210210WHO5.png

まず感染者数。数値は大きくなっているが、欧米が突出しているという5-6月ごろの認識と変化はない。徹底した感染防止策をせねば日本も欧米並みになるという愚かなな専門家ばかりの日本であったが、欧米と、日本を含むアジアの国やアフリカの国々の感染者比はほとんど変わらぬまま。その理由はもう繰り返さないが、先に述べたように正しい認識なくして正しい対策などできるわけはない。
20210212WHO2.png

こちらは同様に10万人あたりの死亡者数。鑑賞の仕方は感染者と同じなので略。

発展途上国にワクチンが行き渡らないのは人道上の大問題、と実名で書いている専門家や新聞記事があった。ワクチンの効果が95%とすると全国民にワクチン接種を受けたとして、欧米では感染者は20分の1に減るはず。それだけ感染者や死亡者が減少できればそれらの国では、コロナに勝ったと大騒ぎとなるだろう。しかし95%減の成果はアジア・アフリカの国々多くの現状よりはるかに感染者数も死亡者も多いのである。

この欧米諸国において期待される最大限の成果は、ではアフリカや日本を含むアジアで全員に接種する必要があるのだろうか?という疑問を生む。それについては後日。
20210212WHO3.png


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