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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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「福島の「情報災害」が未だに払拭されない理由」

昨日、被曝の実態に関する国連科学委員会の被曝の影響は低いという報告を記すとともに、新聞マスコミに情報操作を強く糾弾した。神聖なA新聞やB新聞、テレビがそんなバカげたことをするわけない、と思った人も少なくないだろう。

期せずして、講談社の「現代ビジネス」というウェブページに、「3.11から10年…福島の「情報災害」が未だに払拭されない理由 福島の今を知るための「5つの論点」という記事に遭遇。福島県在住の林智裕氏によるもので、原発の当事者だけにただの評論家とは異なり、身に迫った問題であるだけに言葉ではあるがデータも示されていて、精緻な文章で綴られた力作である。私は「情報操作」「洗脳」と記したが、氏は標題にあるように「情報災害」、主旨は同じであった。氏の方が表現も上品。
20210311情報災害

10年目の福島を知るための「5つの論点」とは以下の5項目、少々長いが一読の価値があるのでお勧め→こちら
【 1)避難地域は今どうなっている?】
【 2)原発事故での健康被害は?】
【 3)食の安全は大丈夫なのか?】
【 4)福島はまだ放射線量が高いのでは?】
【 5)今も解決できていない問題は?】

さて、テーマとしてかぶるのが【 2)原発事故での健康被害は?】、原稿の長さから見て国連科学委員会の報告書の前に書かれたものだろう。このブログで記したのも7年前だから今になっての後出しジャンケンではないのは確か。

その論点の紹介での簡単な見出しがこれ。この項だけでなく、他の項目もほとんど同じ見解だった。
・被曝自体を原因とした被害は起こらず、今後も考えられない。遺伝など次世代への影響もない。
・東電原発事故ではそもそも懸念される量の被曝そのもの自体が起こらなかった。
・一方で放射線以外を要因とした健康被害は多発し、震災関連死も福島が突出した。


最後に述べられていた結論(ウェブページの7ページ目)がこちら、ただし抜粋。

最後になりますが、残されたこれらの課題全ての原因に通底しているとさえ言える根本的な課題を挙げます。それは、今触れた恣意的な報道の問題も含めた「『情報災害としての東電原発事故』に対する記録・検証・対策・改善等が全く為されていないこと」です。

(中略)10年経っても被害の検証どころか、「なかったこと」にされているのは何故なのか。これは、本来、それらを記録・検証し、告発する役割を担っていたはずの「リベラル」系言論人や研究者などのアカデミズム、メディア、政治政党関係者の少なくない人たちが、政治問題化された原発事故に対し過度に「政治的なふるまい」で臨んだ結果として、無自覚の加害者となってきた事実も無関係ではないでしょう。

彼らは原発事故の被害や被災者像を、反原発、あるいは反権力という彼らの「正義」に沿う形になるよう定義・理解しようとしました。その結果、彼らは(註:別の文節より切り取り挿入:彼らにとって政治的利用価値が無い、あるいは不都合な事実や被災者の声と存在を無視ないし弾圧し)「放射線被曝によるセンセーショナルな原発事故被害」ばかりを執拗に追い求めてしまったのです。


同じことでもこういう風に冷静に書くと、もう少し信頼してくれる人が増えるのかもしれない。
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