Entries
2021.05/11 [Tue]
インドのコロナ
昨日記事を書いたのだが、誤って消してしまったようなので再稿する。
4月からインドでは感染者が急増しており、このところインドでの「感染爆発」に関する新聞テレビの報道が目立つようになった。久しぶりに世界の感染状況を見てみると、少々前にこれまでのピークを上回り一日90万人の新規感染者を記録していた。

インドを見てみると、2月半ばの2万人/日レベルから40万人/日と、世界の日々の新規感染者の半分がインド、という状況。見るからに「感染爆発」であるから世界中が大騒ぎするのも当然と言えば当然。

この状況を受けインド大使館は、5月2日にインド滞在中の皆様へとして、注意喚起(インド国内の医療提供体制のひっ迫))を発出した。
インド国内の医療提供体制のひっ迫を受け、先ほど以下の内容のスポット情報が外務省から発出されました。在留邦人の皆様におかれては、必ず御一読ください。
【スポット情報のポイント】インド国内の新型コロナウイルスの感染状況が一層厳しくなっており、医療提供体制が更にひっ迫するおそれがあります。このような状況を踏まえ、日本への一時帰国等を御検討中の方は、検査証明の取得等、出国のための手続きを早めに進めてください。また、現時点において一時帰国を検討されていない方につきましても、今後の新型コロナウイルスの感染状況の推移に十分注意し、一時帰国を含めた対応を予め御検討ください。
さらに8日には、追加情報としてこんなものも。なるほど現地ではかなり緊迫した状況のようだ。
2 インドから日本への臨時便について
現在、デリー発羽田行の臨時便は、日本航空が週3便(水・金・日)、ANAが週2便(月・金)、それぞれ運航しています。ベンガルール、ムンバイからも成田への臨時便が運航されています。
たまたま9日に見たNHKニュースで、政府の対策が紹介されていた。
政府は10日から周辺のパキスタンとネパールも含めた3か国からの入国者に対する水際対策を強化します。(中略)9日の時点では、変異ウイルスが流行している35の国や地域からの入国者は国が確保する宿泊施設で入国後3日間とどめてウイルス検査を行っていますが、10日から対策が強化されるインドなど3か国からの入国者は、宿泊施設にとどめる期間を6日間にしたうえで、入国後3日目と6日目にウイルス検査を行い、陰性の場合のみ自宅などでの待機に移ることができます。
5月9日NHKニュース
実は娘の婿さんがデリーに駐在している。我家に娘と孫が同居しているのはそのため。感染拡大が明らかになり帰国の予定を尋ねると、顧客より先に帰国するわけにはいかないので6月ぐらいかな、というような話だった。しかし5月2日の外務省の注意喚起の効果か、急遽帰国が決まり7日に帰国した。横浜のアパホテルに3日間隔離された後、都内のあるホテルで家族との接触も断たれ自粛生活を送っている。会社の命令により、自宅待機により万が一家族に感染させるリスクを避けるためだという。
そんなことからインドの感染状況を調べてみた。インドの感染推移だけ見ても、日本の新聞テレビや各都道府県知事のように、増えた増えた大変だーと騒ぐ以上のレベルになってしまうので、世界の中のインドということで、ヨーロッパの平均、アメリカ、日本、そして蛇足ではあるがアフリカの平均と比較した。
またインドの人口は約14億人と中国と並ぶ人口を抱え、人口が多ければ感染者も多くなるわけで人口をノーマライズしなくては実態はわからない。そこで以上の5地域の感染者数の推移を人口当たりで示したのが下図。
なるほど、ノーマライズしても現在のインドの新規感染者の状況はワクチン接種の進んでいるアメリカやヨーロッパの平均を大幅に上回っている。現在がインドの感染ピークだとするとアメリカのピークの半分以下でアメリカ人に心配される状況ではないが、秋のヨーロッパの感染プラトー期と同じようなレベル。世界が感染拡大を危惧するのも納得。
ただし「感染爆発」の速さ、すなわち感染者数増加時のグラフの角度は秋から冬のヨーロッパや秋から1月にかけてのアメリカと同じか小さいぐらい。また期間もこれまでのところ短く、欧米での「感染爆発」に較べれば相対的には小規模のようだ。

一方、死者数の推移でみると多少様相が異なる。
現状はワクチン接種がすすんだアメリカを上回るものの、まだヨーロッパの平均値よりは低いという死亡状況だった。ちなみに非常事態宣言にある日本はインドの4分の1ぐらい。日本では感染の感染者の少ない県もある、という指摘もあるだろうが、ヨーロッパでもアメリカでも、インドでも感染者の少ない国や州があるので事情は同じ。
特にピーク時を比較すると、1月のアメリカに較べれば7割ほど低く、ヨーロッパ平均に較べても半分以下であった。
昨年秋から1月にかけて、欧米の「感染爆発」に対して日本がどのような報道がなされたか覚えていないし検証する気もないが、その時よりは深刻度が穏やか、というのがインドの新型コロナに対する正しい認識のように思える。

ちなみに日本、非常事態宣言下とはいえ、死者に関しては欧米に較べれば依然「さざ波」、アフリカは凪のようなもの。
4月からインドでは感染者が急増しており、このところインドでの「感染爆発」に関する新聞テレビの報道が目立つようになった。久しぶりに世界の感染状況を見てみると、少々前にこれまでのピークを上回り一日90万人の新規感染者を記録していた。

インドを見てみると、2月半ばの2万人/日レベルから40万人/日と、世界の日々の新規感染者の半分がインド、という状況。見るからに「感染爆発」であるから世界中が大騒ぎするのも当然と言えば当然。

この状況を受けインド大使館は、5月2日にインド滞在中の皆様へとして、注意喚起(インド国内の医療提供体制のひっ迫))を発出した。
インド国内の医療提供体制のひっ迫を受け、先ほど以下の内容のスポット情報が外務省から発出されました。在留邦人の皆様におかれては、必ず御一読ください。
【スポット情報のポイント】インド国内の新型コロナウイルスの感染状況が一層厳しくなっており、医療提供体制が更にひっ迫するおそれがあります。このような状況を踏まえ、日本への一時帰国等を御検討中の方は、検査証明の取得等、出国のための手続きを早めに進めてください。また、現時点において一時帰国を検討されていない方につきましても、今後の新型コロナウイルスの感染状況の推移に十分注意し、一時帰国を含めた対応を予め御検討ください。
さらに8日には、追加情報としてこんなものも。なるほど現地ではかなり緊迫した状況のようだ。
2 インドから日本への臨時便について
現在、デリー発羽田行の臨時便は、日本航空が週3便(水・金・日)、ANAが週2便(月・金)、それぞれ運航しています。ベンガルール、ムンバイからも成田への臨時便が運航されています。
たまたま9日に見たNHKニュースで、政府の対策が紹介されていた。
政府は10日から周辺のパキスタンとネパールも含めた3か国からの入国者に対する水際対策を強化します。(中略)9日の時点では、変異ウイルスが流行している35の国や地域からの入国者は国が確保する宿泊施設で入国後3日間とどめてウイルス検査を行っていますが、10日から対策が強化されるインドなど3か国からの入国者は、宿泊施設にとどめる期間を6日間にしたうえで、入国後3日目と6日目にウイルス検査を行い、陰性の場合のみ自宅などでの待機に移ることができます。
5月9日NHKニュース

実は娘の婿さんがデリーに駐在している。我家に娘と孫が同居しているのはそのため。感染拡大が明らかになり帰国の予定を尋ねると、顧客より先に帰国するわけにはいかないので6月ぐらいかな、というような話だった。しかし5月2日の外務省の注意喚起の効果か、急遽帰国が決まり7日に帰国した。横浜のアパホテルに3日間隔離された後、都内のあるホテルで家族との接触も断たれ自粛生活を送っている。会社の命令により、自宅待機により万が一家族に感染させるリスクを避けるためだという。
そんなことからインドの感染状況を調べてみた。インドの感染推移だけ見ても、日本の新聞テレビや各都道府県知事のように、増えた増えた大変だーと騒ぐ以上のレベルになってしまうので、世界の中のインドということで、ヨーロッパの平均、アメリカ、日本、そして蛇足ではあるがアフリカの平均と比較した。
またインドの人口は約14億人と中国と並ぶ人口を抱え、人口が多ければ感染者も多くなるわけで人口をノーマライズしなくては実態はわからない。そこで以上の5地域の感染者数の推移を人口当たりで示したのが下図。
なるほど、ノーマライズしても現在のインドの新規感染者の状況はワクチン接種の進んでいるアメリカやヨーロッパの平均を大幅に上回っている。現在がインドの感染ピークだとするとアメリカのピークの半分以下でアメリカ人に心配される状況ではないが、秋のヨーロッパの感染プラトー期と同じようなレベル。世界が感染拡大を危惧するのも納得。
ただし「感染爆発」の速さ、すなわち感染者数増加時のグラフの角度は秋から冬のヨーロッパや秋から1月にかけてのアメリカと同じか小さいぐらい。また期間もこれまでのところ短く、欧米での「感染爆発」に較べれば相対的には小規模のようだ。

一方、死者数の推移でみると多少様相が異なる。
現状はワクチン接種がすすんだアメリカを上回るものの、まだヨーロッパの平均値よりは低いという死亡状況だった。ちなみに非常事態宣言にある日本はインドの4分の1ぐらい。日本では感染の感染者の少ない県もある、という指摘もあるだろうが、ヨーロッパでもアメリカでも、インドでも感染者の少ない国や州があるので事情は同じ。
特にピーク時を比較すると、1月のアメリカに較べれば7割ほど低く、ヨーロッパ平均に較べても半分以下であった。
昨年秋から1月にかけて、欧米の「感染爆発」に対して日本がどのような報道がなされたか覚えていないし検証する気もないが、その時よりは深刻度が穏やか、というのがインドの新型コロナに対する正しい認識のように思える。

ちなみに日本、非常事態宣言下とはいえ、死者に関しては欧米に較べれば依然「さざ波」、アフリカは凪のようなもの。
スポンサーサイト
*Comment
Comment_form