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風の行方とハードボイルドワンダーランド

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新型コロナウイルスワクチンの効果(5)

現在ワクチンの部分接種率が国民の約半分以上に達している国は、イスラエルの接種率63%を筆頭に9か国ある。図では見にくいかもしれないので、取り上げた国名を上位から記しておく;イスラエル、イギリス、モンゴル、カナダ、チリ、アラブ首長国連邦(UAE)、アメリカ、ウルグアイ、カタール。図には、累計感染者2位と3位のインドとブラジル、そして日本と世界平均もあわせて掲載してある。
イスラエルとイギリスはワクチン接種後の劇的な感染者の減少により、ワクチンの広告塔のように世に知られているが、他の国での現状はいかなるものなのか、昨日ヨーロッパの現状に引き続き今日はこれらの国で新規感染者数の推移を鑑賞してみよう。
20210529ワクチン先進国

下図が今年に入ってからのこれらの国の新規感染者数の推移、比較のため日本も加えてある。下部の薄い緑が日本で、現時点ではイギリスとブービーを争っているところ。言い換えれば、イスラエルとイギリスを除き、世界のいかなるワクチン接種先進国よりも、日本の感染者レベルははるかに低い、というのが現実である。

さて劇的な減少を20分の1に新規感染者が減少したと定義すると(ワクチンの有効性95%と数字的に同じ)、劇的な減少を記録したのはイスラエルとイギリスだけ。昨日のヨーロッパの実態の観察からも想像された通りだった。

一方、ウルグアイではいったんピークアウトしたもののワクチン接種率の進捗と共に感染が拡大し、ピークを越える勢い。チリでも同様の傾向が観察される。

アメリカを含む他の国では、感染者がピークアウトしたあと感染者は減少しているので、ワクチンの効果の有無は確認できる。しかし、共に約約50%とというワクチン接種率ながら、効果の現れ方=新感染者数の減少の速さはまちまち。アメリカの約10分の1が最大で、UAEでは半分ぐらい。半減すれば上出来だろうという見解もあるだろうが、そういう話をしているわけではない。
20210529ワクチン先進国3

各国に対し、接種率の推移を示すデータもあるので、ワクチン効果の顕在化=ピークアウトとして、ピークアウトの時期を各国の接種進捗率の図に矢印で示した。このシリーズの最初に記したように、イスラエルでは約25%、イギリスとアメリカでは5%であったが、他の国でも概ね20-30%の接種時点で感染者はピークアウトしていた。

5%の接種でピークアウトと言われると、ワクチンって劇的に効くんだと思うのではなく、明らかにワクチン以外の感染収束要因が存在することの証明でもあるとかんがえねばならない。一方これが20%となるとまあそうかなと思う。ワクチンの接種が進めばやがてどのレベルかはわからないが一定の収束レベルに達することは確かだろう。そしてそのレベルは日本よりは常に高い気がする。

アメリカの例(緑)で、ワクチン効果の過程を少し詳しく見る。ピークアウトした1月中旬から2月末まで一定の割合で接種が進み、3月初めから4月下旬まで接種が加速した。では、新規感染者はどう推移したか?前の図にもどると(アメリカはオレンジ)、2月下旬から
4月中旬まで感染者数の減少が加速されるどころかほぼ横ばいであった。この間の接種率は約15%から40%強まで2倍以上に増えているにも関わらず、だ。接種したエリアの違いはあるが、それだけで説明がつかないであろうことは明らか。

20210529ワクチン先進国2a

ワクチンが感染防止に効果があるのは確か。一方、ワクチンよりもはるかに強大な感染の拡大収束をコントロールする未解明の要因があるのも確かである。このこと自体は一年前からわかっていたが、期せずしてワクチンの世界的な接種の進捗により、その存在がより明らかに目に見えるようになったように思われる。

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