Entries
2021.06/25 [Fri]
ウサギとカメ
期せずして、とはこういうことかと納得したのが今朝の日経新聞朝刊の全紙面5ページからなる証券会社の全面広告。その3ページ分がこちらで、絵も飛び切りユニーク。内容は個々の証券会社の宣伝といよりは、証券投資についての初心者向け講習といった趣であった(よく読んでいないけど)。

昨日、こんな記事があって以前からいつか書かねばと思っていた経済格差の本質について、何か記そうと思ったばかりだった。

記事は、世界的な金融緩和が昨年の株式や不動産の価値を押し上げ、米欧を中心に富裕層の金融資産が膨らんだというもの。未曽有の景気悪化を生んだ新型コロナウイルスの感染拡大下で、富の偏在がさらに進んだと書いている。要するに経済格差拡大の報告。
世界の富を押し上げたのは株高だ。新型コロナの感染拡大で20年3月に急落した世界の株式相場は、空前の金融緩和策を支えに同年4月以降に急速に盛り返した。MSCI全世界株指数(ドル建て)は20年通年で14%上げた。金利低下で住宅などの不動産価格が上昇したことも富の拡大に寄与した。
純資産100万ドル超の富裕層は世界全体で5608万人と、1年前より521万人増えた。人口比では成人の1%だが金額ベースでは46%を占め、19年末の43%から集中がさらに進んだ。一方で全成人の55%は純資産1万ドル未満で、その富の総額はほぼ横ばいだった。リポートは「富の格差は世界全体とほとんどの国で20年に拡大した」と指摘した。
実は今月初めにもこんな記事があった。ここのポイントもこちら。
ただ富の格差は広がっている。FRBの昨年末時点の試算によると、所得階層で上位1%の米国民だけで、国民全体が持つ株式・投信の43%を握っている。株式保有の富裕層への偏りは年々拡大している。
もう一つ興味深い記述が、家計の持つ3月末の株式と投資信託の合計は約40兆ドルという下り。アメリカ人の家計金融資産総額は109兆ドルなので、平均すると金融資産の40%近くを株式と投信で保有している。
6月11日朝刊
まず経済格差。「富の格差は世界全体とほとんどの国で20年に拡大」、「株式保有の富裕層への偏りは年々拡大」とあるように、これは事実。だから政治が悪い、不公平だと考えるのは大きな勘違い。
経済格差は、資本主義経済と個人の自由が尊重される社会が踏襲されていく限り必然的に形成されるものであり、この格差は目先の現象ではなく永遠に拡大していく。
10万円を投資し年プラス1割の成果を上げれば1万円の利益。この低金利時代、おめでとう良かったね、である。一方、1億円投資した人は1000万円の利益。投資額が1000倍だから利益も1000倍。そこに政府が介入し所得税率の差で利益の再配分を図るわけだが、所得税率は%、しかも最高課税率には限度がある。最高税率50%としても500万円資産が増える。これが資本主義経済の本質。よって経済的に豊かな生活を望むのであればクラスの住み替えを自ら図らねばならない。それが自由な世界。
なお、日本では分離課税なので、株式売買の利益に対しては20%で済む。これを不公平というのも勘違いで、国による株式投資の奨励金のようなもの、利用するしないは自己責任。
日本では昔から国民が現金や預貯金を好む性向があり、政府は国民に対して投資を奨励してきた。NISAがいい例。しかし効果は上がっていない。これも別記事からの切り抜き。アメリカ人の投資比率40%とは別世界。個人にこれだけ投資活動が浸透していると、国民の関心も経済に比重が置かれるようになり、文化も社会も日本とは異なってくるだろう。森友や加計学園、花見の会が1年間のニュースの大半を占めるようなことはアメリカでは起こらないに違いない。日本の経済成長率が30年間ほとんど停滞している要因の一つが、実は日本人の主たる興味と関心の中身にあるような気がする。

そんな偉そうなこと言われても先立つものがないからできない、という人も多いだろう。
しかしこれも勘違い。誰でも若い時はお金はない。10万円で1万円利益を得ればいいのである。最初の株式投資は会社に入って2年目ぐらい、何かの株を買って2万6千円儲けた。妻は結婚前になけなしの給料から東芝の株を買って1万5千円儲けた。最初は10万円台の最下層でも、時間と共に資産が増えれば投資額も増え、やがて100万円クラス、1000万円クラスになる。
冒頭、「期せずして」と書いたのは以上のようなことを書くつもりだったから。個人の金融資産形成は完璧に自己責任、恐る恐るでもいいから投資活動を推し進めないと、格差について不平不満を言うだけの階層に固定されることになる。ウサギとカメではないが、正しい道を長い間歩きつづけるのが吉。

昨日、こんな記事があって以前からいつか書かねばと思っていた経済格差の本質について、何か記そうと思ったばかりだった。

記事は、世界的な金融緩和が昨年の株式や不動産の価値を押し上げ、米欧を中心に富裕層の金融資産が膨らんだというもの。未曽有の景気悪化を生んだ新型コロナウイルスの感染拡大下で、富の偏在がさらに進んだと書いている。要するに経済格差拡大の報告。
世界の富を押し上げたのは株高だ。新型コロナの感染拡大で20年3月に急落した世界の株式相場は、空前の金融緩和策を支えに同年4月以降に急速に盛り返した。MSCI全世界株指数(ドル建て)は20年通年で14%上げた。金利低下で住宅などの不動産価格が上昇したことも富の拡大に寄与した。
純資産100万ドル超の富裕層は世界全体で5608万人と、1年前より521万人増えた。人口比では成人の1%だが金額ベースでは46%を占め、19年末の43%から集中がさらに進んだ。一方で全成人の55%は純資産1万ドル未満で、その富の総額はほぼ横ばいだった。リポートは「富の格差は世界全体とほとんどの国で20年に拡大した」と指摘した。
実は今月初めにもこんな記事があった。ここのポイントもこちら。
ただ富の格差は広がっている。FRBの昨年末時点の試算によると、所得階層で上位1%の米国民だけで、国民全体が持つ株式・投信の43%を握っている。株式保有の富裕層への偏りは年々拡大している。
もう一つ興味深い記述が、家計の持つ3月末の株式と投資信託の合計は約40兆ドルという下り。アメリカ人の家計金融資産総額は109兆ドルなので、平均すると金融資産の40%近くを株式と投信で保有している。
6月11日朝刊

まず経済格差。「富の格差は世界全体とほとんどの国で20年に拡大」、「株式保有の富裕層への偏りは年々拡大」とあるように、これは事実。だから政治が悪い、不公平だと考えるのは大きな勘違い。
経済格差は、資本主義経済と個人の自由が尊重される社会が踏襲されていく限り必然的に形成されるものであり、この格差は目先の現象ではなく永遠に拡大していく。
10万円を投資し年プラス1割の成果を上げれば1万円の利益。この低金利時代、おめでとう良かったね、である。一方、1億円投資した人は1000万円の利益。投資額が1000倍だから利益も1000倍。そこに政府が介入し所得税率の差で利益の再配分を図るわけだが、所得税率は%、しかも最高課税率には限度がある。最高税率50%としても500万円資産が増える。これが資本主義経済の本質。よって経済的に豊かな生活を望むのであればクラスの住み替えを自ら図らねばならない。それが自由な世界。
なお、日本では分離課税なので、株式売買の利益に対しては20%で済む。これを不公平というのも勘違いで、国による株式投資の奨励金のようなもの、利用するしないは自己責任。
日本では昔から国民が現金や預貯金を好む性向があり、政府は国民に対して投資を奨励してきた。NISAがいい例。しかし効果は上がっていない。これも別記事からの切り抜き。アメリカ人の投資比率40%とは別世界。個人にこれだけ投資活動が浸透していると、国民の関心も経済に比重が置かれるようになり、文化も社会も日本とは異なってくるだろう。森友や加計学園、花見の会が1年間のニュースの大半を占めるようなことはアメリカでは起こらないに違いない。日本の経済成長率が30年間ほとんど停滞している要因の一つが、実は日本人の主たる興味と関心の中身にあるような気がする。

そんな偉そうなこと言われても先立つものがないからできない、という人も多いだろう。
しかしこれも勘違い。誰でも若い時はお金はない。10万円で1万円利益を得ればいいのである。最初の株式投資は会社に入って2年目ぐらい、何かの株を買って2万6千円儲けた。妻は結婚前になけなしの給料から東芝の株を買って1万5千円儲けた。最初は10万円台の最下層でも、時間と共に資産が増えれば投資額も増え、やがて100万円クラス、1000万円クラスになる。
冒頭、「期せずして」と書いたのは以上のようなことを書くつもりだったから。個人の金融資産形成は完璧に自己責任、恐る恐るでもいいから投資活動を推し進めないと、格差について不平不満を言うだけの階層に固定されることになる。ウサギとカメではないが、正しい道を長い間歩きつづけるのが吉。
- 関連記事
スポンサーサイト
*Comment
Comment_form