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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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「デザインあ」

先週、ミュージシャンの小山田圭吾氏の辞任騒ぎというものがあった。この時は全く興味も関心もなかった。氏は東京オリンピック・パラリンピックの開会式で楽曲を担当していたそうで、なぜか開会式直前に20年以上前に音楽雑誌のインタビューで同級生に対する凄惨ないじめを行っていたことを告白していたことが問題となり、突然炎上。辞任に追い込まれたという騒ぎ。

話が飛ぶようだが、好きなテレビ番組と問われて答えられるものはないが、敢えて上げるなら「デザインあ」。朝のNHK Eテレの幼児番組の一角を構成し、週3回8時35分から10分の枠で流される。この番組の特色はナレーションがなく、全て映像と音楽だけで構成されていること。いくつかのサブコーナーがあって、それぞれが企画、動画の構成、そして音楽が秀逸、孫たちはもちろん私も見入ってしまう。朝ゆっくり寝ていると、「おじいちゃん、「デザインあ」がはじまるよ」と孫が起こしにきてくれるほど。
20210727デザインあ2

20210727デザインあ

この唯一のお気に入りの番組が突然放映中止となった。
NHKが、小山田圭吾が過去に行ったいじめを発端とする騒動を受けて、Eテレの教育番組「デザインあ」の放送を見合わせた。同氏はコーネリアス名義で番組の音楽を手掛けている。NHKの広報担当者は放送休止の理由について「小山田氏が過去の記事の内容を認めていることや一連の経緯などを踏まえ、総合的に判断した」と説明。「デザインあ」の放送再開時期は現時点では未定だという。


ということで、無関心の社会問題が個人的な重大関心事に突然昇格した。経緯を調べるとこんな感じ。

「問題となったのは、1994年1月号の『ロッキング・オン・ジャパン』と1995年8月号の『クイック・ジャパン』に掲載された小山田さんのインタビューでした。学生時代の生活について彼は、同級生だった障がいのある生徒をいじめていたことを、まるで自身の武勇伝かのように語っていたのです」(スポーツ紙記者)

 小山田が小・中・高校を過ごしたのは都内にある私立学校。障がいのある生徒と健常者が一緒に学校生活を送るなど、自由な校風で知られる。

しかし何人かの同級生に聞いても「あそこまでひどいいじめは知らない」という。さらに「ウケ狙いで話を盛ったのでは」という意見がほとんどだった。


氏は現在52歳、いじめ事件の発生は高校生時代以前だろうから30年以上も昔の話、インタビュー記事は26年前の話だ。氏は自ら事実として認めているので、上記の3番目の証言の真偽にかかわらず事実関係には議論の余地はない。問題は発言が26年前だたこと。

殺人犯であっても懲役26年の刑期を終えれば、社会で一市民として生きてゆくことが憲法で許されている。さらに懲役に服さなくても時効という概念がある。過去の行為に対する責任感や反省は本人の問題であって、第三者は心理的な抵抗はあっても社会的に受け入れるのが法治国家に住む人間の取るべき道だろう。

次に彼は(有能な)ミュージシャンである。過去のいじめとは全く無関係の世界で生きている。辞任は本人の決断だが、番組に不可欠の音楽担当者だからといって、番組を放映中止にする合理的な理由は全くないはずだ。広報の「総合的判断」という言葉が具体的な根拠のない何よりの証左。

いじめによる子供の自殺は日本では頻発している。多くのケースで、担任、校長、教育委員会の会長は、「いじめはなかった、気がつかなかった」と発言し、親の告訴を受け第三者委員会での調査の後、謝罪するというパターンである。たぶんだが、その後担任、校長、教育委員会会長が懲戒免職になったことはないだろう。新聞テレビも、後追いで死亡させるに至った責任を追及したことはない。

と、ちょっと眺めるだけで今回の異常な反応が明らか。実はこれは小山田圭吾氏に対するイジメそのもののような気がする。日本人はイジメが大好き、自分に関係のない人にはいくらでも苛酷になれるという日本人の特性かもしれない。

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