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2021.08/04 [Wed]
新型コロナウイルス:デルタ株の真の脅威(1)
デルタ株の活躍で東京のみならず日本全土で感染が拡大しているというか、感染者数の新記録を日々更新しているような状況らしい。これまでの感染状況と様相が異なることから、気になるので少々詳しく状況を鑑みた。

日本の状況は新聞テレビである程度の実態は分かるので、まず世界の状況を俯瞰する。対象はアメリカとヨーロッパの主要国、そして日本。直近だけでなく昨年の春からの感染者の推移を見てみる。今年春までは、欧米の深刻な感染爆発と小康状態に対し、一人蚊帳の中にいるような感染爆発とは無縁の穏やかな状況だった。日本人は新型コロナウイルスに対し、欧米人較べてファクターXが何であれ明らかに何らかの新型コロナウイルスに対する自然抗体を持っているのと同じであった。6月に掛けてイギリスを筆頭にワクチン接種が促進され、見かけ上これら欧米諸国もワクチン接種の著しく遅れていた日本人並の感染率に減少した。
しかし、7月に入り(イギリスは6月から)デルタ株の蔓延に伴い、いずれの国も感染者が急増し始めたのである。驚くべきことに日本も例外ではなく、これまでと異なり、欧米諸国とほぼ同等に感染が拡大している。未だワクチンを接種していない身としては嫌な感じは免れない。

デルタ株は感染力が強いという説明をテレビで何回か目にした。本当かなと思い、実態を調べた結果が下図。新型コロナ流行の初期の特徴は、欧米での感染爆発だった。少し遅れて日本にも感染第一波が。その後今年の一月に全世界的に感染が拡大しそれが日本の感染第三波、そして現在の日本は第五波の真っただ中。上図の赤の枠がその3つのフェイズ。
感染力と言われても実はよくわからない。そこでまず感染拡大速度=ある日の新規感染者数/前日の新規感染者数を見てみる。きょうのNHKのニュースでも日本の都道府県ごとにこの一週間で新規感染者が何倍に増えたかという数字を示していたのと同じ。
時間に対して新規感染者数を片対数でプロットすると、例えば2倍で増え続ければ2倍の直線になる。すなわち、直線の傾きから感染拡大速度がわかる。それぞれのフェイズに対し、欧米と日本の感染拡大速度青と赤で示したのが下図。

1)第一波
欧米における感染拡大速度は急激。一方少々遅れて感染が拡大したが速度は遅く、かつピーク時の感染者数は欧米の10-20分の1というのが日本。また感染者の数の違い、これはワクチンのように抗体を持っている人といない人の比率を表していると考えられる。抗体を持っていない人が単位人口当たりで多ければ、感染拡大速度が同じでも感染者数は増える。この観測データから、日本と欧米では別の病気ということがわかった。感染拡大速度=ウイルスの感染力ということであれば、欧米の初期のウイルスが最強であることになる。
2)第三波
確認していないが第一波とは異なるウイルスなのか、欧米では感染速度は第一波より緩やかだが感染者数は約10倍に増加。日本では感染拡大速度の変化がなぜか大きいが、やはり感染者数は10倍に増加。
3)第五波
欧米においてはワクチンの効果で感染者数が激減したところから感染拡大速度が急増している。ただし第一波よりは緩やか。すなわちデルタ株がかつてなく感染力が強いという根拠が何であるか、???。また感染者レベルも第三波よりも今のところ低い。一方日本、欧米並みの感染者数からスタートしたが、今回は感染拡大速度が欧米と同じかもしくは加速して感染者が増加している。これがデルタ株の重大な特徴である。明らかに、これまでの新型コロナウイルスとは異なる臨床結果であり、何かこれまでと重大な違いがなければならない。
その答えらしい医学論文があった。
(続く)

日本の状況は新聞テレビである程度の実態は分かるので、まず世界の状況を俯瞰する。対象はアメリカとヨーロッパの主要国、そして日本。直近だけでなく昨年の春からの感染者の推移を見てみる。今年春までは、欧米の深刻な感染爆発と小康状態に対し、一人蚊帳の中にいるような感染爆発とは無縁の穏やかな状況だった。日本人は新型コロナウイルスに対し、欧米人較べてファクターXが何であれ明らかに何らかの新型コロナウイルスに対する自然抗体を持っているのと同じであった。6月に掛けてイギリスを筆頭にワクチン接種が促進され、見かけ上これら欧米諸国もワクチン接種の著しく遅れていた日本人並の感染率に減少した。
しかし、7月に入り(イギリスは6月から)デルタ株の蔓延に伴い、いずれの国も感染者が急増し始めたのである。驚くべきことに日本も例外ではなく、これまでと異なり、欧米諸国とほぼ同等に感染が拡大している。未だワクチンを接種していない身としては嫌な感じは免れない。

デルタ株は感染力が強いという説明をテレビで何回か目にした。本当かなと思い、実態を調べた結果が下図。新型コロナ流行の初期の特徴は、欧米での感染爆発だった。少し遅れて日本にも感染第一波が。その後今年の一月に全世界的に感染が拡大しそれが日本の感染第三波、そして現在の日本は第五波の真っただ中。上図の赤の枠がその3つのフェイズ。
感染力と言われても実はよくわからない。そこでまず感染拡大速度=ある日の新規感染者数/前日の新規感染者数を見てみる。きょうのNHKのニュースでも日本の都道府県ごとにこの一週間で新規感染者が何倍に増えたかという数字を示していたのと同じ。
時間に対して新規感染者数を片対数でプロットすると、例えば2倍で増え続ければ2倍の直線になる。すなわち、直線の傾きから感染拡大速度がわかる。それぞれのフェイズに対し、欧米と日本の感染拡大速度青と赤で示したのが下図。

1)第一波
欧米における感染拡大速度は急激。一方少々遅れて感染が拡大したが速度は遅く、かつピーク時の感染者数は欧米の10-20分の1というのが日本。また感染者の数の違い、これはワクチンのように抗体を持っている人といない人の比率を表していると考えられる。抗体を持っていない人が単位人口当たりで多ければ、感染拡大速度が同じでも感染者数は増える。この観測データから、日本と欧米では別の病気ということがわかった。感染拡大速度=ウイルスの感染力ということであれば、欧米の初期のウイルスが最強であることになる。
2)第三波
確認していないが第一波とは異なるウイルスなのか、欧米では感染速度は第一波より緩やかだが感染者数は約10倍に増加。日本では感染拡大速度の変化がなぜか大きいが、やはり感染者数は10倍に増加。
3)第五波
欧米においてはワクチンの効果で感染者数が激減したところから感染拡大速度が急増している。ただし第一波よりは緩やか。すなわちデルタ株がかつてなく感染力が強いという根拠が何であるか、???。また感染者レベルも第三波よりも今のところ低い。一方日本、欧米並みの感染者数からスタートしたが、今回は感染拡大速度が欧米と同じかもしくは加速して感染者が増加している。これがデルタ株の重大な特徴である。明らかに、これまでの新型コロナウイルスとは異なる臨床結果であり、何かこれまでと重大な違いがなければならない。
その答えらしい医学論文があった。
(続く)
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