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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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竜王戦七番勝負第1局

藤井聡太を中学生の時から注視していたおかげで、将棋史というか日本文化史における歴史的瞬間の目撃者としての存在を満喫してきた。今、新たな歴史の一幕が開始されている。それが第34期竜王戦七番勝負、豊島竜王に藤井三冠が挑戦する。その第1局が昨日終わり藤井三冠が勝った。

それだけだとタダのニュースだが、この勝利が素人目には凄い勝ち方だった。表面的な評価は、豊島竜王の大悪手により一気に形勢が逆転、そのまま一気に寄せ切った逆転勝利、というものだろう。

どこが凄いのか局面の肝を振り返る。資料は毎度お世話になっている「藤井聡太を忖度なしで応援するブログ」というブログ。藤井聡太の対局を一手ずつAIの評価を交えて短いコメントが入るというスグレモノ。これまでも何回か引用させていただいている。

先手が藤井、昨日の生中継を夕方に覗いたが、下図の局面の数手前の状態だった。将棋も観戦もスポーツの観戦も同じようなものだが、スポーツではプロの真似は絶対に不可能だが、将棋の着手は有限なのでいくらヘボでも考えることができる。藤井の着手と一致することさえあるから、スポーツ観戦より面白いかも知れない。

さてこの52手目の局面、藤井が王手飛車取りを食らったところ。二つのAIの評価も豊島優勢もしくは指しやすいとあり、夕方観た局面でも、豊島有利で第一局は藤井君の負けだな、と思っていた。だから夜のニュースで藤井勝利を知り驚くと同時にどうしたら勝てるのか信じがたい思いだった。

局面に戻ると王手飛車取りなので飛車を取られることは確定、かつ彼我の玉の囲いにおいて豊島側(後手)はしっかりしているのに対し、藤井側はボロボロ。素人将棋ならここで投了するかもしれない。

藤井聡太は以前に記したように、アマチュアの中学生時代から一流プロの中に混じり詰将棋選手権で連覇しているぐらいだから、読みの深さは桁はずれ。数手もしくは十数手前からの無数の流れの中で、敢えてこの王手飛車取りとなるこの道筋を自らの意思で選んでいるわけだ。後手番が並のプロならこの局面で有利として読みを打ち切ってしまうのかもしれない。いわゆる情報の地平問題。
20211010竜王戦第一局1

更に局面が進んで74手目、取られた飛車で王手されたところ。敵玉はほぼ無傷、自陣はバラバラ。しかし上述のように藤井はこの局面に導いたともいえる。

先手はどうしようもないので4七に玉を逃げる。が、ここで豊島から大悪手がでて形勢が逆転した。この逆転も、しかし後のAI解析でわかったことで、対局者は知らないし、豊島は最善と思ってその手を指した。

藤井聡太が他の棋士と較べ圧倒的に強いのは、かなりの髙い確率で真の最善手を指し続けられることにあるようだ。妙手を放って勝つ訳ではない。将棋の神がいれば妙手というのも最善手の一つというだろう。それに対して他の棋士は最善手を逃がす、もしくは悪手を指す確率が高い、というだけなのかもしれない。

十代の頃から麻雀をやっていた。今はしないがちょっと前にはパソコンの麻雀をした。その時悟った真理が、「麻雀の強い奴はいない」ということだった。ただし続きがあり「弱い奴がいるだけ」と続く。麻雀は部分的に情報非公開ゲームなので運もしくは確率に支配される。故に全員が合理的判断をすれば短期的に差は生じても長期的にはチャラになる。

一方、将棋は完全情報公開ゲーム。運や確率の要素は全くなく、最善手すなわち遠い情報の地平を持つものが最適な判断の結果を指し続けられたら、それができないものは勝つことができない。ただ人間なので完璧はない。その時に負ける。
20211010竜王戦第一局2
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