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2021.11/06 [Sat]
ワクチン効果の実態
先日の日経新聞の大きな記事。本文に「先進国を中心にワクチン効果が浸透し、致死率はピークの3分の1以下に低下した。」
とあった。よせばよいのに、根拠のつもりで図まで付けていた。

図の赤線は筆者、今年の1月1日を示している。ワクチンの接種がイギリスとイスラエルで始まったのは昨年の12月下旬、図はワクチン接種開始のはるか前から死亡率が減少していることを示しており、「先進国を中心にワクチン効果が浸透し」たのは今年の春以降であるから、記事は半年以上の誤差があり、勘違いにしても日本中に恥をさらしたのと同じ。ただそんな現実に気づく日本人も多くはないだろうから、ワクチンはやっぱりすごいんだというのが、大方の読者の印象だろう。
記事には、「ワクチンはなお先進国に供給が偏っており、いかに途上国への分配を広げるかも課題だ。これまでに世界の人口の約半数が少なくとも1回のワクチンを接種したが、低所得国のワクチン接種率は3%強にとどまる。」という一節もあった。先日アゴラ掲載記事にかいたように、アフリカを筆頭に低所得国では欧米に較べ感染者は約20分の1というレベルで、ワクチンを完全接種している欧米よりも感染者が少ない不都合な現実を認識していないらしい。
ワクチン接種の実際の進捗状況はこちら。イギリスでさえワクチンの部分接種率が50%に達したのは5月のことだ。なお、日本差馬のようにゴール前でワクチン先進国を一気に抜き去った状況である。

ではワクチンの効果の実態はどうなのか?
まず世界平均。図には新規感染者数とその日の新規死亡者を示している。感染から死亡までタイムラグが見られるが、世界平均となるとちょっと曖昧。死亡率は死亡者数に対する感染者数なので、その比が増加していれば死亡率は上昇、減少すなわち感染者の方が増える、もしくは死亡者の方が減っていれば死亡率は減少、ということを意味する。
確かに、マクロに見れば死亡率は減少しているようだが、どう見ても1/3という雰囲気は感じられない。

そこで個別に観察。まずワクチン先進国のイギリス。なるほど、感染者数は再度の感染爆発中で、ワクチンに感染防止効果は認め難いが、死亡者の増加は少なく確かにワクチンは死亡率の低下に寄与していると思われる。こんな国内の感染爆状況下、COP26に世界の首脳が良く集まったものだと感心していた。日本ではイギリスの感染状況についてテレビ新聞共に一言も触れなかったけれど。

次いでアメリカ。イギリスほどではないが9月に再度感染爆発するが現在は収束中。しかし死亡者の大きな減少は見られず、やはりワクチンは感染防止に大きな寄与が見られないだけでなく、死亡率の低下にも寄与していない。これがアメリカ人とイギリス人の免疫構造の違いなのか、ウイルスの株の違いなのか分からない。

では日本。図の縦軸は欧米の5分の1,感染者と死亡者の縦軸の比率は欧米と同じである。第4波の流行までは日本人の自然免疫力によってほぼ何事もなかったが、夏のデルタ株に対しては自然免疫力の弱い人々に対しては一部のヨーロッパの国々並の感染者を観測した。それにもかかわらず、死亡者レベルは第3波、第4波より低く、これはワクチンの効果だろう。ワクチンは日本人に対しては自然免疫力の強力なブースターになっているのかもしれない。

最後に、これらのデータから死亡率の概算値の推移を示す。感染と死亡までのタイムラグを2週間として計算した。正しい死亡率ではないが、推移の概算値としては十分実態を反映していると考えられる。概ね上述の考察の別表記のようになっている。なお。日本の足許の死亡率が上昇しているのは、感染者数が極小となり、本当に感染に弱い人だけが感染し、そのような人は基礎体力も弱いためと考えられる。この減少は各国同じ。

たぶん日本ではよほどの特異な変異株が現れない限り、デルタ株の日本での流行/収束の実態からみて新型コロナの流行は起こらないのではないか。ウイルスは変化し続けるものの、特異な変異の生ずる頻度は極めて少ないような気がする。第6波が来ないことに1000円。
とあった。よせばよいのに、根拠のつもりで図まで付けていた。

図の赤線は筆者、今年の1月1日を示している。ワクチンの接種がイギリスとイスラエルで始まったのは昨年の12月下旬、図はワクチン接種開始のはるか前から死亡率が減少していることを示しており、「先進国を中心にワクチン効果が浸透し」たのは今年の春以降であるから、記事は半年以上の誤差があり、勘違いにしても日本中に恥をさらしたのと同じ。ただそんな現実に気づく日本人も多くはないだろうから、ワクチンはやっぱりすごいんだというのが、大方の読者の印象だろう。
記事には、「ワクチンはなお先進国に供給が偏っており、いかに途上国への分配を広げるかも課題だ。これまでに世界の人口の約半数が少なくとも1回のワクチンを接種したが、低所得国のワクチン接種率は3%強にとどまる。」という一節もあった。先日アゴラ掲載記事にかいたように、アフリカを筆頭に低所得国では欧米に較べ感染者は約20分の1というレベルで、ワクチンを完全接種している欧米よりも感染者が少ない不都合な現実を認識していないらしい。
ワクチン接種の実際の進捗状況はこちら。イギリスでさえワクチンの部分接種率が50%に達したのは5月のことだ。なお、日本差馬のようにゴール前でワクチン先進国を一気に抜き去った状況である。

ではワクチンの効果の実態はどうなのか?
まず世界平均。図には新規感染者数とその日の新規死亡者を示している。感染から死亡までタイムラグが見られるが、世界平均となるとちょっと曖昧。死亡率は死亡者数に対する感染者数なので、その比が増加していれば死亡率は上昇、減少すなわち感染者の方が増える、もしくは死亡者の方が減っていれば死亡率は減少、ということを意味する。
確かに、マクロに見れば死亡率は減少しているようだが、どう見ても1/3という雰囲気は感じられない。

そこで個別に観察。まずワクチン先進国のイギリス。なるほど、感染者数は再度の感染爆発中で、ワクチンに感染防止効果は認め難いが、死亡者の増加は少なく確かにワクチンは死亡率の低下に寄与していると思われる。こんな国内の感染爆状況下、COP26に世界の首脳が良く集まったものだと感心していた。日本ではイギリスの感染状況についてテレビ新聞共に一言も触れなかったけれど。

次いでアメリカ。イギリスほどではないが9月に再度感染爆発するが現在は収束中。しかし死亡者の大きな減少は見られず、やはりワクチンは感染防止に大きな寄与が見られないだけでなく、死亡率の低下にも寄与していない。これがアメリカ人とイギリス人の免疫構造の違いなのか、ウイルスの株の違いなのか分からない。

では日本。図の縦軸は欧米の5分の1,感染者と死亡者の縦軸の比率は欧米と同じである。第4波の流行までは日本人の自然免疫力によってほぼ何事もなかったが、夏のデルタ株に対しては自然免疫力の弱い人々に対しては一部のヨーロッパの国々並の感染者を観測した。それにもかかわらず、死亡者レベルは第3波、第4波より低く、これはワクチンの効果だろう。ワクチンは日本人に対しては自然免疫力の強力なブースターになっているのかもしれない。

最後に、これらのデータから死亡率の概算値の推移を示す。感染と死亡までのタイムラグを2週間として計算した。正しい死亡率ではないが、推移の概算値としては十分実態を反映していると考えられる。概ね上述の考察の別表記のようになっている。なお。日本の足許の死亡率が上昇しているのは、感染者数が極小となり、本当に感染に弱い人だけが感染し、そのような人は基礎体力も弱いためと考えられる。この減少は各国同じ。

たぶん日本ではよほどの特異な変異株が現れない限り、デルタ株の日本での流行/収束の実態からみて新型コロナの流行は起こらないのではないか。ウイルスは変化し続けるものの、特異な変異の生ずる頻度は極めて少ないような気がする。第6波が来ないことに1000円。
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