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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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がんの早期発見が必要な訳

昔あった「頭の体操」にありそうなクイズから。

一日で2倍に増える繫殖力旺盛な浮草を一株、沼に入れたところ18日で沼の半分まで増えました。沼いっぱいになるまであと何日かかるでしょう?(答えは文末)
クイズ

日経新聞の夕刊に東京大学特任教授の中川恵一氏による「がん社会を診る」というコラムがずいぶん長い間連載されている。先日のお題は「転移はがんの生き残り戦略」。面白かったのががんの早期発見の必要性の理由。がんは早期発見が大事、と言われれば「そりゃそうだろ」で思考停止に陥っていたが、必要性の話をわかりやすく書いておられた。

早期がんで症状を出すことはまずないそうで、だいたい2センチぐらいまでが早期がんと言えるそうだ。以下主文のコピペ。

がんはたった一つの「不死細胞」が分裂を繰り返して成長します。私のようながんの専門医でも、5ミリのがんを発見することは至難の業。おおむね、1センチ位の大きさになって、ようやく診断が可能となります。そして、1センチのがん病巣には10億個もの細胞がつまっています。10億はほぼ2の30乗ですから、この大きさに成長するのに、30回の細胞分裂を要することになります。

さて、早期がんの定義は、厳密にはがんの種類ごとに異なりますが、だいたい2センチ位までのものを指すと考えてよいでしょう。つまり、診断可能な早期がんとは1センチから2センチくらいのものだと言えるわけです。

2センチのがんは、1センチのものより細胞の数が8倍です。8=2の3乗ですから、たった3回の分裂で1センチのがんは2センチの大きさに成長します。1センチになるのに要する30回の細胞分裂の10分の1で、1センチのがんは2センチにまで大きくなります。がん細胞が30回の分裂で1センチの大きさになるには10~20年の時間がかかります。がんが1~2センチの大きさにとどまるのは、その10分の1の1~2年の間ということになります。


若いうちでもコロナの変異株のように不死細胞は生まれるのだが、免疫力が強いのですぐボコボコにされてしまうので何事も起こらない。しかし歳をとれば免疫力も衰えるから生き残った不死細胞は増え続ける。個体差は大きそうだが、原因はなんであれきっと体の中にがん細胞を飼っているような気がする。ただしまだ小さいので健康状態を保っているだけなのだろう。

がんは加齢によって生ずるものではなく、すなわち不死細胞が10億個以上に増えるまでに10-20年の時間を要するからで、高齢者にがんが多い、すなわち発症するのはそのためだった。

話の肝は1センチぐらいだと早期がんなので発症することは稀、しかし1センチから2センチになるまでは1-2年。だから早期発見が重要というわけだ。

そしてこうなる。納得。
しかし、病巣が大きくなると、がんを養うための血管などありませんから、内部は栄養不足、酸素不足に陥ります。がんは多数の小さな病巣に分かれて増殖した方が全体の数を増やすには有利です。この「がんの理想」を実現する手段が転移なのです。

(冒頭のクイズの答え:1日)
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