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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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縄文遺跡と地球温暖化(1)

今年の7月27日、北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録された。

妻は北海道のオホーツク海に面した旧常呂町で育った。若いころその自宅を訪れた時に、彼女の母が常呂の東大の遺跡発掘の現場で、アルバイトの作業員として人形だか動物の形の彫り物を掘り出したという話を聴き、こんな寒いところに昔人が住んでいたんだと驚いたことがあった。だから、北海道や青森で縄文遺跡が発掘されたと知っても、なるほどと思ったぐらい。ただ、ユネスコの世界文化遺産として認められたということは、やはり喜ばしい。下図は三内丸山遺跡、群馬県の月夜野の矢瀬縄文遺跡とイメージとしてはうり二つ。
20211130三代丸山x

これらの縄文遺跡群の位置はこちら、改めて眺めると冬は寒気と雪に覆われている地域ということがわかる。
20211130縄文時代3x

縄文時代というのは、下図の資料によれば紀元前13,000年から紀元前400年前ぐらい。三内丸山遺跡は紀元前3000から2000年前ぐらいの時期にあたる。これはおおまかに言えば、エーゲ文明の初期、エジプトの古王国時代、メソポタミアのウル第一王朝、殷王朝の千年前という時代、いずれも文明の曙期に相当する。

興味深いのは図の下段に示されているように、縄文時代の初期の紀元前7000年前に気温が急上昇しその後も温暖な気候が長く続いていたこと。上述の通り世界全体でも一斉に文明が発達したことから、地球全体がこの時期は温暖化していたと思われる。
20211130縄文時代1x

少し長い目で地球の気候を見る。まず基礎知識として、詳しい話は省くが宇宙は130億年、地球は億年レベルでみれば寒冷化というか冷却過程にある。第二間氷期にホモサピエンスが現れたが、その前も後もほとんどが氷河期、現在は第四間氷期に当たる。阿部公房の「第四間氷期」はタイトルだけはリアル。最後の氷河期であるヴュルム (Würm) 氷期が終わったのは2万年ぐらい前だが、その後の温暖化により地球の海水面は100メートルほど上昇した。
20211201間氷期x

言い換えれば氷河期には現在より100メートルほど海面が低かったので日本列島の陸地部分はひろがり、ユーラシア大陸からサハリン、北海道、本州、九州はひとつにつながっていた。氷河期なので気温は低く北海道はもちろん本州も氷河で覆われていた。
20211130氷河期地図x


下図は左が2万年前の日本、右が現在の日本である。
20211201日本列島x

話は戻って縄文時代の日本の紀元前7000年、日本の気温の上昇が始まり、あわせて日本付近の海水水位も上昇した。すなわち陸地の水没で、これを縄文海進という。図のように日本列島は現在の日本列島と比べてもやせ細っている。しかし温暖化のおかげで北海道においても縄文人が藁ぶき屋根の下、エアコンもストーブもユニクロの羽毛ジャケットもなく暮らしていくことができた。
20211201海進期x

三内丸山遺跡のマスコット 20211130sanmaru_image.jpg
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