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2021.12/10 [Fri]
賃上げの方策がこれ?
9月に「日本人の年収」なる記事を書いた→こちら。
その時に示したデータがこちら。記事には「黒田さんの話は分かりにくいが、これが日本の長期にわたるデフレの元凶。この間、データはちょっと古いが企業の内部留保は4倍ぐらいに膨らんだ。企業の利益を従業員に配分していれば、たぶんこんな悲惨な状況にならなかったと思う。」と書いている。


次いで過去の記事の引用だが、自民党の新総裁に選ばれた岸田文雄氏の記者会見の記事で、所信の2番目が企業利益の分配だった。岸田さんも日本の問題点を認識していたのでまずは及第点。以下はその記事の抜粋。
2.新しい資本主義を構築
「成長の果実の分配が一部の人間にとどまっているのでは経済の好循環が実現できない。果実をできるだけ幅広いみなさんに享受してもらうこと大事だ」と力を込めた。
まず、2番から成敗する。日本は共産主義国家ではないし、一党独裁国家でもない法治国家なので、いくら企業が儲けてもその分配を強制することはできない。それゆえ安倍元首相は毎年春闘の時期になると、企業にベースアップを要請してきたのだが、マスコミも野党も労働組合も知らんぷりを続けてきたのが日本の現実。このことは最近記事に書いたばかり。→こちら
今さらの感があるのだが、岸田新総裁、どうやって実現するつもりなのか?
さて、岸田首相の賃上げ要請に対して、12月2日の日経新聞は社説で異議を唱えていた。題して「政府は賃上げ介入より環境整備を急げ」。頭の主文は「政府はいつまで民間企業の賃上げに介入し続けるつもりなのか。賃金は労使協議で各社が自主的に判断して決めるのが原則だ。政府は賃上げにつながる環境整備に徹すべきだ。」
要旨はこんな感じ。政府の賃上げ介入絶対阻止の熱い思いが伝わってくる。
・政府が賃上げを要請する「官製春闘」は第2次安倍政権の2014年春季労使交渉から始まった。厚生労働省によると、賃上げ率は直近のピークだった15年の2.38%から低下傾向となり、今年は1.86%だ。政府が要請しても賃金が順調に上がるわけではない。
・そもそも民間の賃金決定への政府介入は市場メカニズムをゆがめかねない。
・政府は賃上げした企業への優遇税制も検討しているが、効果は不透明と言わざるを得ない。
と、前置きがずいぶん長くなったが、今日の朝刊にはダメ押しの「政府介入「お仕着せ」賃上げ 成長への構造転換阻む 生産性の低い企業温存」なる解説記事が掲載されていた。そして9月に書いた「岸田新総裁、どうやって実現するつもりなのか?」に対する回答が今日の夕刊にトップ記事として掲載されていたので両者を熟読。
回答を一言で述べれば、日経新聞社説にあった「効果が不透明な賃上げした企業への優遇税制」の拡張。「賃上げ中小、最大40%控除」というのが記事の見出し。詳しい内容は各紙に掲載されていると思うので割愛。
問題は優遇税制という仕組み、わかりやすく言うと、儲かっている企業が従業員の給与を上げてやると、法人税を減額してあげます、ということ。法人税収が少なくなればその分他の税金で補完されねばならない。他の税金とは多くは所得税や消費税など国民全体で負担する税金。すなわち賃上げの原資を国民全体で負担する構造になっている。儲かっている企業の内部留保からの拠出とは全く様相が異なる。これは分配ではないだろう。
どこか理解が間違っているのかな?
その時に示したデータがこちら。記事には「黒田さんの話は分かりにくいが、これが日本の長期にわたるデフレの元凶。この間、データはちょっと古いが企業の内部留保は4倍ぐらいに膨らんだ。企業の利益を従業員に配分していれば、たぶんこんな悲惨な状況にならなかったと思う。」と書いている。


次いで過去の記事の引用だが、自民党の新総裁に選ばれた岸田文雄氏の記者会見の記事で、所信の2番目が企業利益の分配だった。岸田さんも日本の問題点を認識していたのでまずは及第点。以下はその記事の抜粋。
2.新しい資本主義を構築
「成長の果実の分配が一部の人間にとどまっているのでは経済の好循環が実現できない。果実をできるだけ幅広いみなさんに享受してもらうこと大事だ」と力を込めた。
まず、2番から成敗する。日本は共産主義国家ではないし、一党独裁国家でもない法治国家なので、いくら企業が儲けてもその分配を強制することはできない。それゆえ安倍元首相は毎年春闘の時期になると、企業にベースアップを要請してきたのだが、マスコミも野党も労働組合も知らんぷりを続けてきたのが日本の現実。このことは最近記事に書いたばかり。→こちら
今さらの感があるのだが、岸田新総裁、どうやって実現するつもりなのか?
さて、岸田首相の賃上げ要請に対して、12月2日の日経新聞は社説で異議を唱えていた。題して「政府は賃上げ介入より環境整備を急げ」。頭の主文は「政府はいつまで民間企業の賃上げに介入し続けるつもりなのか。賃金は労使協議で各社が自主的に判断して決めるのが原則だ。政府は賃上げにつながる環境整備に徹すべきだ。」
要旨はこんな感じ。政府の賃上げ介入絶対阻止の熱い思いが伝わってくる。
・政府が賃上げを要請する「官製春闘」は第2次安倍政権の2014年春季労使交渉から始まった。厚生労働省によると、賃上げ率は直近のピークだった15年の2.38%から低下傾向となり、今年は1.86%だ。政府が要請しても賃金が順調に上がるわけではない。
・そもそも民間の賃金決定への政府介入は市場メカニズムをゆがめかねない。
・政府は賃上げした企業への優遇税制も検討しているが、効果は不透明と言わざるを得ない。
と、前置きがずいぶん長くなったが、今日の朝刊にはダメ押しの「政府介入「お仕着せ」賃上げ 成長への構造転換阻む 生産性の低い企業温存」なる解説記事が掲載されていた。そして9月に書いた「岸田新総裁、どうやって実現するつもりなのか?」に対する回答が今日の夕刊にトップ記事として掲載されていたので両者を熟読。
回答を一言で述べれば、日経新聞社説にあった「効果が不透明な賃上げした企業への優遇税制」の拡張。「賃上げ中小、最大40%控除」というのが記事の見出し。詳しい内容は各紙に掲載されていると思うので割愛。
問題は優遇税制という仕組み、わかりやすく言うと、儲かっている企業が従業員の給与を上げてやると、法人税を減額してあげます、ということ。法人税収が少なくなればその分他の税金で補完されねばならない。他の税金とは多くは所得税や消費税など国民全体で負担する税金。すなわち賃上げの原資を国民全体で負担する構造になっている。儲かっている企業の内部留保からの拠出とは全く様相が異なる。これは分配ではないだろう。
どこか理解が間違っているのかな?
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