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新型コロナの未来(5)

オミクロン株の感染拡大により日本でも日々の感染者数はデルタ株流行時のピークを越えた。世界的に見回してみると、なぜかオセアニアで日々の感染者が急増している(詳しいことは不明)。当然ながら欧米の感染者も多い。日本はアジアの中では多い方で、アフリカはオミクロンに株にも強く一大陸だけ蚊帳の外。

下図の数字は単位人口当たりの7日間移動合計の単位人口当たりの新規感染者数なので注意、各大陸(もしくはエリア)別(=青)の平均値で、国別に日本とアメリカ、イギリス(赤)を加えた。
20220120世界の現状1

いくつかの国の感染推移を見る。下図は単位人口当たりの日々の感染者数の7日間移動平均。日本ではまだ感染拡大の初期なので欧米の10分の1以下だが、デルタ株流行時にはヨーロッパ平均並みになったので、2‐4週間後には100万人当たり1000人、すなわち日々の感染者数が10万人を超える可能性が高いように思われる。テレビ新聞政府各知事は大騒ぎになるだろうが、そうなると覚悟しておいた方が良い。それでも欧州主要国やアメリカの、そしてオセアニア平均の半分以下。
20220120世界の現状

さて今回はオミクロン株ついて書く。まず簡単な復習。コロナウイルスは図のスパイクたんぱく質が細胞の受容体と結合することによって細胞に侵入し、感染を引き起こす。デルタ株まではコロナウイルスのスパイクたんぱく質は主として肺のACE2という受容体と結合するため、感染すると重度の肺炎に陥り高齢者や既往症のある人にとっては死亡する頻度も2%前後と高かった。
20220120ウイルスの構造

一方、オミクロン株、感染当初から以下の臨床結果が頻繁に報告されていた。
・重症が少ない
・感染しても軽症、無症状の感染者も少なくない
・感染拡大が急激

このことはオミクロン株がそれまでの新型コロナウイルスと性質がかなり異なることを示している。この違いを合理的に説明できる可能性がこちら。この記事の連載を始めたのが一か月前の12月なので、その時からわかっていたこととも言える。
・重症化しないということは肺炎を起こしていない可能性が大
・軽症ということは感染しても上気道、すなわち喉頭や鼻孔への感染
・すなわち、オミクロン株のスパイクは肺胞のACE2を受容体にするのではなく、喉頭や鼻孔の受容体に結合する。インフルエンザと同じ。
・ゆえに肺からのウイルスの放出に較べ、咳やくしゃみなどで放出されるウイルス量は桁違いに多いので、「感染力」が強い。とはいえ、インフルエンザの流行ピークに較べれば感染者数は一桁以上少ないので、「感染力」はインフルエンザの10分の1ぐらいのイメージ

以上の監察結果を一言でいえば、オミクロン株のスパイクはこれまでの新型コロナウイルスと異なる、ということになる。

オミクロン株のスパイクの構造については昨年から明らかになっていた。

2021年11月26日、WHOは、ウイルス進化に関するWHOのテクニカル・アドバイザリー・グループからの助言を受けて、バリアントB.1.1.529を懸念(VOC)に指定しました。この変種にはオミクロンという名前が付いています。オミクロンは、スパイクタンパク質の26〜32突然変異を含む突然変異の数が多い非常に発散変異体であり、(以下意味不明につき略)

オミクロン株は基準株と比較し、スパイクタンパク質に30か所程度のアミノ酸置換(以下、便宜的に「変異」と呼ぶ。)を有し、3か所の小欠損と1か所の挿入部位を持つ特徴がある。このうち15か所程度の変異は受容体結合部位(Receptor binding protein (RBD); residues 319-541)に存在する(ECDC. Threat Assessment Brief)。


ここで重要なのはオミクロン株は従前の新型コロナウイルスと較べ、スパイクたんぱく質が30種類前後も変化しているということである。人間の免疫機構はウイルスの固有スパイクたんぱく質を記憶し、その免疫細胞が増殖することによってウイルスを攻撃する。スパイクたんぱく質が異なれば免疫が効かず感染する。ワクチンを接種してもデルタ株の感染を抑えられなかったのは、従前のウイルスのスパイクたんぱく質を元に作られたワクチンでは感染防止力がなくて当然だから。薬品会社はそんなことは口が裂けても言えない。接種後時間が経過したから効かないわけではないことの証明がオミクロン株の流行でもある。上図に示したイスラエルの感染増加曲線がそのことを示唆している。

なお、ワクチンは重症化に対する抑止効果が、理由はわからないが臨床的に明らか。ワクチン接種前は感染防止の神様扱いだったが、今は感染防止のパワフルな神様、怪我の功名にしろ結果オーライ。

さてここからが結論。

オミクロン株は多数のユニークなスパイクたんぱく質を有している。これまでの新型コロナウイルスの中で、今後の感染拡大により世界中で最大の人口がオミクロン株の被曝を受けるだろう。その結果、世界の大部分の人がオミクロン株のスパイクたんぱく質に対する免疫を獲得する。だからオミクロン株の流行は、実は塞翁が馬である可能性大。

今後、新型コロナウイルスは変異を続ける。その変異株に数多くの変異スパイクを持つオミクロン株のスパイクがあれば、たぶん免疫が働くだろう。ウイルスにはウイルス干渉機能があり、パンデミックにより前のウイルスが淘汰されることは示した。新たなウイルスは現れるが、新型コロナウイルスである限り、今度は人間の免疫の力で淘汰されないまでも大規模な感染を起こすことはできないと期待したい。多分桜の咲くころには世界中がコロナ禍の終演で浮かれているだろう。

なぜ、こんなに偉そうに言い切れるか?下図は第一回で示した、約100年前のスペイン風邪のパンデミック時の日本の感染者の推移である。世界で2000万~4000万人の犠牲者が出たと推計されているが、3年目には収束した。なぜ収束したのかはわからないが、インフルエンザウイルスもコロナウイルスも同じようなもの、アナロジーが成立してもおかしくない。むしろわからないことに対してはアナロジーは強力な武器なのである。
20211221PR2-2.png

最後におまけとして、新型コロナウイルスの変異の概要を載せておく。変異株、アルファ株、ベータ株、デルタ株、オミクロン株だけではなくそれらはそれらは分類学の「XXXX科」みたいなイメージで実際にはものすごい数の変異株が確認されている。図は東京都健康安全研究センターの成果で、同センターで確認されたウイルスの系統である。左端が全系統樹、以下右に順次拡大した。

ウイルスの変異株の誕生が不可避であることがわかるだろう。
20220119全系統樹から

オミクロン株の現在値
20220119オミクロン株

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