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2022.01/24 [Mon]
円の実力低下
先日日経新聞の一面にこんな記事が掲載されていた。右は記事に付いていた円の実質実効為替レート。なかなかインパクトの強い図で興味津々。記事によると、「実質実効為替レートはさまざまな国の通貨の価値を計算し、物価変動も考慮して調整した数値。高いほど海外製品を割安に購入できることを示す。BISによると昨年12月の数値は統計のある94年以降で最低だった2015年6月並みの水準だった。93年以前は日銀が推計している。」そうだ。

記事の書き出し。
円の総合的な実力が50年ぶりの低水準に迫ってきた。国際決済銀行(BIS)が20日発表した2021年12月の実質実効為替レート(10年=100)は68.07と1972年の水準に近づいた。日銀は円安は経済成長率を押し上げると主張するが、同レートの低下は物価低迷と名目上の円安が相まって円の対外的な購買力が下がっていることを示す。消費者の負担感も増すことになる。
では円ドルレートはどうだったの?というのが気になるところで、日銀のデータから拝借して記事の図と合体させたのが下図。

1980年からの約40年間のドルの為替レートと実質実効為替レートの推移を示している。実効為替レートは為替レートの変数でもあり、想定されるように、円高になれば実効レートは上がり、円安になれば実効レートは下がる。為替レートは多様な要素か絡むので話はややこしくなるが、1980年代前半の1ドル200円超の時代より現在の実質実効為替レートが低いという現実があった。一方実質実効為替レートからみれば、40年ほど前と比べると円が過大評価されているように表面上は見えるが、それの意味するところや今後の円の行方について図に意味があるのかないのかなど、まだ消化不良の点が多いことに気付いた。なので今日は事実の紹介だけにする。
参考までに記事の結論部分を紹介する。記者も同様らしくお茶を濁しておしまい、という雰囲気が満載。
日銀は19日、実質実効レートで円安が10%進むと輸出企業の収益改善や訪日観光の増加に伴い実質国内総生産(GDP)を年間0.8%ほど押し上げるとの試算を公表した。「全体では景気にプラス」としたが、購買力の低下は海外からモノを輸入する際のコスト増に直結する。
日銀の輸入物価指数によると牛肉は10年前に比べ2.4倍に急騰。小麦は66%上昇するなど身近な商品の輸入物価上昇が目立つ。粗糖やパーム油はすでに1980年代以来の高水準だ。今後、販売価格への転嫁が進めば、さらに生活者の負担が増すことになりそうだ。


記事の書き出し。
円の総合的な実力が50年ぶりの低水準に迫ってきた。国際決済銀行(BIS)が20日発表した2021年12月の実質実効為替レート(10年=100)は68.07と1972年の水準に近づいた。日銀は円安は経済成長率を押し上げると主張するが、同レートの低下は物価低迷と名目上の円安が相まって円の対外的な購買力が下がっていることを示す。消費者の負担感も増すことになる。
では円ドルレートはどうだったの?というのが気になるところで、日銀のデータから拝借して記事の図と合体させたのが下図。

1980年からの約40年間のドルの為替レートと実質実効為替レートの推移を示している。実効為替レートは為替レートの変数でもあり、想定されるように、円高になれば実効レートは上がり、円安になれば実効レートは下がる。為替レートは多様な要素か絡むので話はややこしくなるが、1980年代前半の1ドル200円超の時代より現在の実質実効為替レートが低いという現実があった。一方実質実効為替レートからみれば、40年ほど前と比べると円が過大評価されているように表面上は見えるが、それの意味するところや今後の円の行方について図に意味があるのかないのかなど、まだ消化不良の点が多いことに気付いた。なので今日は事実の紹介だけにする。
参考までに記事の結論部分を紹介する。記者も同様らしくお茶を濁しておしまい、という雰囲気が満載。
日銀は19日、実質実効レートで円安が10%進むと輸出企業の収益改善や訪日観光の増加に伴い実質国内総生産(GDP)を年間0.8%ほど押し上げるとの試算を公表した。「全体では景気にプラス」としたが、購買力の低下は海外からモノを輸入する際のコスト増に直結する。
日銀の輸入物価指数によると牛肉は10年前に比べ2.4倍に急騰。小麦は66%上昇するなど身近な商品の輸入物価上昇が目立つ。粗糖やパーム油はすでに1980年代以来の高水準だ。今後、販売価格への転嫁が進めば、さらに生活者の負担が増すことになりそうだ。
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