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2022.04/07 [Thu]
新型コロナは空気感染
最近、面白いネット記事を見つけた。大学や病院の現役研究者が連名で、国立感染症研究所のHP上の記事の記載に対し、公開質問状を出したという。ただそれだけで終わらず、その顛末をテレビ朝日がニュースで取り上げた。これによりコロナ感染の実態と感染防止策の無意味さがが世に広く知られるかもしれない。ついては少々長くなるが書き留めておく。。
---------------- 国立感染症研究所への質問状(2022年2月1日)----------------
国立感染症研究所
所長 脇田隆字様
「SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第6報)」の空気感染(エアロゾル感染)に関わる記述への公開質問状
とういもので、長いので要旨を紹介する。この第6報に関し、科学的に1)論理展開上問題ありと思われる記述,2)世界的コンセンサスが得られている考え方との一致しない記述が見られるので、貴研究所の公式見解について質問させていただきたく、とうもの。
質問者は、以下の方々。全員現役の専門家である。代表は本堂 毅氏。
・本堂 毅 東北大学大学院理学研究科
・西村 秀一 国立病院機構仙台医療センター臨床研究部
・清水 宜明 愛知県立大学看護学部
・米村 滋人 東京大学法学部(医師,医事法)
・御手洗 聡 結核予防会結核研究所抗酸菌部
・向野 賢治 福岡記念病院・感染制御部
・森内 浩幸 長崎大学大学病院小児科
・平 久美子 東京女子医科大学附属足立医療センター麻酔科
さて、前書きはこちら。2年前からこのブログで、いわゆる専門家や政府、自治体、テレビ、新聞の書く内容が科学的に間違っているので、真相を多数の記事に記してきた。一部の心ある専門家もあまりの実態を看過するに耐えられないとうして、上品な文章をもって怒りを表している。
貴研究所の報告は政府や自治体の新型コロナウイルス感染対策の基礎資料となります.報告書に不正確な点があれば,これに基づいて日本国中でなされている飲食店や旅館業,会社,学校,運送業,家庭等での対策の有効性が大きく損なわれることになります.問題の重要性,緊急性に鑑み,速やか回答をくださるようお願いいたします.尚,本件は高い公益性があり,知見は社会全体にただちに共有されるべきものですので,公開を前提にご回答くださるようお願い申し上げます.
さて、問題点として挙げられたのが次の記述。裁判と同じで、争うべき事項を絞っている。第六報の当該記述がこちら。
『実地疫学調査から得られた暫定的な結果からは,(筆者補:オミクロン株は)従来株やデルタ株によるこれまでの事例と比較し,感染・伝播性はやや高い可能性はあるが,現段階でエアロゾル感染を疑う事例の頻度の明らかな増加は確認されず,従来通り感染経路は主に飛沫感染と,接触感染と考えられた.また,多くの事例が従来株やデルタ株と同様の機会(例えば,換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起こっていた.基本的な感染対策(マスク着用,手指衛生,換気の徹底等)は有効であることが観察されており,感染対策が守られている場では大規模な感染者発生はみていない.』
これに対する質問事項は大きく二つある。簡単に具体的質問をいかにコピペ。刑事コロンボみたいにじわじわと犯人を追い詰めて行く感じ。
1. 不可解な論理展開について
Q1. 飛沫(droplet)は,感染者の口腔から放出された後,速やかに落下するものを指すという理解でよろしいでしょうか.
Q2. そうであれば,屋内での換気の良し悪しとは関係ないはずです.いかがでしょうか.
換気の悪い屋内で感染が多発しているのであれば,それは,感染者の口腔から放出されたウイルスを含む粒子が速やかに地面に落下することなく,屋内空間の空気中に「滞留」した状態,すなわちエアロゾルによって感染が多発していることを意味すると考えます.
Q3. その点はお認めいただけるでしょうか.
そのような感染様式は,エアロゾル感染です.一方でエアロゾルの構成要素である空気に注目した感染様式,あるいは感染伝播様式のクライテリアでいえば,英語では“airborne infection”あるいは“airborne transmission”と呼ばれます.
Q4. それはお認めになられるでしょうか.
airborne は英和辞典では「空気で運ばれる」あるいは「空中を浮遊する」と訳されるものですから,airborne infectionの日本語訳は空気感染,あるいは空気媒介感染です.
貴研究所が得ている観測事実は,その記述から分かるように今回のオミクロン株やデルタ株以前の従来株から一貫してairborne transmission(空気媒介の感染伝播)が多発していること意味しています.しかるに,第6報では,「従来通り感染経路は主に飛沫感染と,接触感染」であると主張なされています.
Q5. 貴研究所のこのような主張は,私たちにはロジカルに全く理解ができません.どのように解釈すれば理解できるのでしょうか.明確にお答えいただきたく存じます.
次の項目がこちらのわかりやすいタイトル。
2. 世界的にコンセンサスを得られている科学的知見との不一致について
新型コロナウイルスの主たる感染の運び手はエアロゾルであって,Fomite infection(接触感染)は稀であることが,世界の科学界のコンセンサスとなっていると考えます.
このことは,WHOやCDCも認めており,だからこそCDCは最近医療従事者だけでなく国民へのN95マスク着用の推奨までしているわけです.Nature, Science,BMJ などの学術誌・医学誌でも既にレビュー論文を載せたりeditorialで認めたりしており,日本の科学者も標準的知見として日常的に触れている知見です.しかるに,貴研究所では未だにこれに反する形で,「感染経路は主に飛沫感染と,接触感染」と主張しています.
Q6. この齟齬について,どのように理解すれば良いのか,ご説明願います.
なんと、2年前の3月からこのブログで書いてきたことと全く同じ内容である。もっとも同業者だからわかっていたけど声を上げなかったというのなら、少々問題だし、最近やっと認識したというのなら、やはりちょっと問題だが、成果大につき無罪放免。
公開質問状に対する2月7日付の国立感染症研究所所長名による回答が公開されている。いかにもありそうな模範解答。

と、これで通常なら一見落着でおしまいだが、ここから事態は急展開した。3月(?)28日、国立感染症研究所が自分のホームページにひっそりと、「感染する。その経路は主に3つあり、(1)空中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込むこと(エアロゾル感染)」と、感染経路のなんと1番目に、エアロゾル感染が挙げられていたことが発覚した。
このことを、永江 一石氏の「コロナが空気感染するならいままでやっていた対策は全く無意味」というブログ記事で知った。テレビ朝日がニュースで放映したという。その画像。




昔、「イワシの頭」という記事を書いたよなと思い検索すると、約2年前の6月7日に最初の「イワシの頭」というフレーズを書き記していた。
科学的根拠のないことを信じるのが信仰で、イワシの頭を信じるのは自由だが、マスク教のごとくマスク信仰を強要されるのは憲法で保障されている信教の自由に違反している。そんな自覚もない人々にマスクをしていないと白い眼で見られるのでいい迷惑。
その翌日に丸ごとの「イワシの頭」というタイトルの記事を書いていた→こちら。
家庭用マスク、ガーゼ製とか手作りの衣類の布製とかのマスクでは花粉も十分防止できないと理解している。コロナウイルス感染防止のために、これらのマスクをするのは自由だが、感染防止(もしかしたら感染拡大も)には効果のないものに対し、効果を信じているからイワシの頭と書いた。テレビで自慢げにマスクをして登場する人物を見るたびに、世界中に馬鹿を晒されているようで、お気の毒にと思う。が、実際はマスク教信者が世に満ちているので、無信教者が迫害を受けているというのが現在の構図である。
その後も「フェースガードとかテーブルの衝立とかイワシの頭の象徴そのもの。」などと書いてきたから、永江氏の言い分はよくわかる。以下氏の見解の抜粋。
・問題は日本では昨年10~12月はほぼゼロコロナだったのにどこに行ってもマスクを強要されたことです。(中略)年柄年中、感染拡大しようがしまいが「感染拡大しないためにしていろ」というから腹が立つのです。少なくともミクロは知らないがマクロではマスクは感染拡大防止には役に立たなかった。第7波はみんなマスクしているのにあんなに蔓延したじゃないですか。
・飲食店でのあの馬鹿げたアクリル板。本当にウザい。完全固定型の前横。空気感染が一番のルートならまったく無意味ですよね。上からも横からも通る。そして声が聞こえないから大声を出す!!!
・入店時のアルコール消毒も、せっせと遊園地の椅子までアルコールで拭き取る行為も全く無意味。やった感を出すためだけに大量のアルコールと人力が消費されたと言うことです。
・テレビしか見ない層に分かって貰うためにはやはり政治決断しかないと思うのですが、すべて先送りの岸田総理には無理ですね。地獄。
---------------- 国立感染症研究所への質問状(2022年2月1日)----------------
国立感染症研究所
所長 脇田隆字様
「SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第6報)」の空気感染(エアロゾル感染)に関わる記述への公開質問状
とういもので、長いので要旨を紹介する。この第6報に関し、科学的に1)論理展開上問題ありと思われる記述,2)世界的コンセンサスが得られている考え方との一致しない記述が見られるので、貴研究所の公式見解について質問させていただきたく、とうもの。
質問者は、以下の方々。全員現役の専門家である。代表は本堂 毅氏。
・本堂 毅 東北大学大学院理学研究科
・西村 秀一 国立病院機構仙台医療センター臨床研究部
・清水 宜明 愛知県立大学看護学部
・米村 滋人 東京大学法学部(医師,医事法)
・御手洗 聡 結核予防会結核研究所抗酸菌部
・向野 賢治 福岡記念病院・感染制御部
・森内 浩幸 長崎大学大学病院小児科
・平 久美子 東京女子医科大学附属足立医療センター麻酔科
さて、前書きはこちら。2年前からこのブログで、いわゆる専門家や政府、自治体、テレビ、新聞の書く内容が科学的に間違っているので、真相を多数の記事に記してきた。一部の心ある専門家もあまりの実態を看過するに耐えられないとうして、上品な文章をもって怒りを表している。
貴研究所の報告は政府や自治体の新型コロナウイルス感染対策の基礎資料となります.報告書に不正確な点があれば,これに基づいて日本国中でなされている飲食店や旅館業,会社,学校,運送業,家庭等での対策の有効性が大きく損なわれることになります.問題の重要性,緊急性に鑑み,速やか回答をくださるようお願いいたします.尚,本件は高い公益性があり,知見は社会全体にただちに共有されるべきものですので,公開を前提にご回答くださるようお願い申し上げます.
さて、問題点として挙げられたのが次の記述。裁判と同じで、争うべき事項を絞っている。第六報の当該記述がこちら。
『実地疫学調査から得られた暫定的な結果からは,(筆者補:オミクロン株は)従来株やデルタ株によるこれまでの事例と比較し,感染・伝播性はやや高い可能性はあるが,現段階でエアロゾル感染を疑う事例の頻度の明らかな増加は確認されず,従来通り感染経路は主に飛沫感染と,接触感染と考えられた.また,多くの事例が従来株やデルタ株と同様の機会(例えば,換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起こっていた.基本的な感染対策(マスク着用,手指衛生,換気の徹底等)は有効であることが観察されており,感染対策が守られている場では大規模な感染者発生はみていない.』
これに対する質問事項は大きく二つある。簡単に具体的質問をいかにコピペ。刑事コロンボみたいにじわじわと犯人を追い詰めて行く感じ。
1. 不可解な論理展開について
Q1. 飛沫(droplet)は,感染者の口腔から放出された後,速やかに落下するものを指すという理解でよろしいでしょうか.
Q2. そうであれば,屋内での換気の良し悪しとは関係ないはずです.いかがでしょうか.
換気の悪い屋内で感染が多発しているのであれば,それは,感染者の口腔から放出されたウイルスを含む粒子が速やかに地面に落下することなく,屋内空間の空気中に「滞留」した状態,すなわちエアロゾルによって感染が多発していることを意味すると考えます.
Q3. その点はお認めいただけるでしょうか.
そのような感染様式は,エアロゾル感染です.一方でエアロゾルの構成要素である空気に注目した感染様式,あるいは感染伝播様式のクライテリアでいえば,英語では“airborne infection”あるいは“airborne transmission”と呼ばれます.
Q4. それはお認めになられるでしょうか.
airborne は英和辞典では「空気で運ばれる」あるいは「空中を浮遊する」と訳されるものですから,airborne infectionの日本語訳は空気感染,あるいは空気媒介感染です.
貴研究所が得ている観測事実は,その記述から分かるように今回のオミクロン株やデルタ株以前の従来株から一貫してairborne transmission(空気媒介の感染伝播)が多発していること意味しています.しかるに,第6報では,「従来通り感染経路は主に飛沫感染と,接触感染」であると主張なされています.
Q5. 貴研究所のこのような主張は,私たちにはロジカルに全く理解ができません.どのように解釈すれば理解できるのでしょうか.明確にお答えいただきたく存じます.
次の項目がこちらのわかりやすいタイトル。
2. 世界的にコンセンサスを得られている科学的知見との不一致について
新型コロナウイルスの主たる感染の運び手はエアロゾルであって,Fomite infection(接触感染)は稀であることが,世界の科学界のコンセンサスとなっていると考えます.
このことは,WHOやCDCも認めており,だからこそCDCは最近医療従事者だけでなく国民へのN95マスク着用の推奨までしているわけです.Nature, Science,BMJ などの学術誌・医学誌でも既にレビュー論文を載せたりeditorialで認めたりしており,日本の科学者も標準的知見として日常的に触れている知見です.しかるに,貴研究所では未だにこれに反する形で,「感染経路は主に飛沫感染と,接触感染」と主張しています.
Q6. この齟齬について,どのように理解すれば良いのか,ご説明願います.
なんと、2年前の3月からこのブログで書いてきたことと全く同じ内容である。もっとも同業者だからわかっていたけど声を上げなかったというのなら、少々問題だし、最近やっと認識したというのなら、やはりちょっと問題だが、成果大につき無罪放免。
公開質問状に対する2月7日付の国立感染症研究所所長名による回答が公開されている。いかにもありそうな模範解答。

と、これで通常なら一見落着でおしまいだが、ここから事態は急展開した。3月(?)28日、国立感染症研究所が自分のホームページにひっそりと、「感染する。その経路は主に3つあり、(1)空中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込むこと(エアロゾル感染)」と、感染経路のなんと1番目に、エアロゾル感染が挙げられていたことが発覚した。
このことを、永江 一石氏の「コロナが空気感染するならいままでやっていた対策は全く無意味」というブログ記事で知った。テレビ朝日がニュースで放映したという。その画像。




昔、「イワシの頭」という記事を書いたよなと思い検索すると、約2年前の6月7日に最初の「イワシの頭」というフレーズを書き記していた。
科学的根拠のないことを信じるのが信仰で、イワシの頭を信じるのは自由だが、マスク教のごとくマスク信仰を強要されるのは憲法で保障されている信教の自由に違反している。そんな自覚もない人々にマスクをしていないと白い眼で見られるのでいい迷惑。
その翌日に丸ごとの「イワシの頭」というタイトルの記事を書いていた→こちら。
家庭用マスク、ガーゼ製とか手作りの衣類の布製とかのマスクでは花粉も十分防止できないと理解している。コロナウイルス感染防止のために、これらのマスクをするのは自由だが、感染防止(もしかしたら感染拡大も)には効果のないものに対し、効果を信じているからイワシの頭と書いた。テレビで自慢げにマスクをして登場する人物を見るたびに、世界中に馬鹿を晒されているようで、お気の毒にと思う。が、実際はマスク教信者が世に満ちているので、無信教者が迫害を受けているというのが現在の構図である。
その後も「フェースガードとかテーブルの衝立とかイワシの頭の象徴そのもの。」などと書いてきたから、永江氏の言い分はよくわかる。以下氏の見解の抜粋。
・問題は日本では昨年10~12月はほぼゼロコロナだったのにどこに行ってもマスクを強要されたことです。(中略)年柄年中、感染拡大しようがしまいが「感染拡大しないためにしていろ」というから腹が立つのです。少なくともミクロは知らないがマクロではマスクは感染拡大防止には役に立たなかった。第7波はみんなマスクしているのにあんなに蔓延したじゃないですか。
・飲食店でのあの馬鹿げたアクリル板。本当にウザい。完全固定型の前横。空気感染が一番のルートならまったく無意味ですよね。上からも横からも通る。そして声が聞こえないから大声を出す!!!
・入店時のアルコール消毒も、せっせと遊園地の椅子までアルコールで拭き取る行為も全く無意味。やった感を出すためだけに大量のアルコールと人力が消費されたと言うことです。
・テレビしか見ない層に分かって貰うためにはやはり政治決断しかないと思うのですが、すべて先送りの岸田総理には無理ですね。地獄。
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