Entries
2022.04/13 [Wed]
豪ドル、暴落?
今晩のテレビのニュースで円が20年ぶりの安値になったと報道されていた。明日の朝刊では、たぶん各社とも関連記事が派手に掲載されると思うが、今晩の日経新聞のWebニュースではこんな記事になっていた。
13日の外国為替市場で円相場は対ドルで一時(注:15時過ぎ)1ドル=126円台前半まで下落した。約20年ぶりの安値となった。止まらない下落は資源高によるマネーの海外流出を、輸出増加でカバーできない経済構造に変化したことが大きい。経常収支の赤字が定着するとの見方も浮上。金融緩和をやめられず、国内外の金利差拡大も続く。エネルギー価格の高止まりで円安が続けば、物価高が個人消費への打撃となる恐れ.
13日午後に円安が加速したのは、同日の信託大会で日銀の黒田東彦総裁が「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言したことがきっかけだ。米国などが金融引き締めに動き金利の上昇の勢いが増すなか、金融緩和を続ける日本では低金利が続く。内外金利差が広がるとの読みが一段の円売りを招いた。

過去2000年以降の円ドルレートの推移に主な出来事を記した図をもあって、それなりに正しい情報提供の姿勢を評価。ただし、縦軸が上が小さな値でしたが大きな値と変則的な値の取り方になっているので注意。
また今回の記録的円安に対応した書き込みは「ロシアによるウクライナ侵攻(22/2))とあり、故意なのか図の作成者が無知なのかわからないが原油などの価格高騰等が起因のように書いているので、無知な人には円安の背景がウクライナ侵攻かの印象を与える。記事でも触れているとおり、にある通りで、金融緩和をやめられず国内外の金利差拡大も続くことと、記事では触れられていないが日銀、すなわち円に対する信認がゆらぎ始めていることが主因である。これは今に始まったことではなく、本質的には昔から書いてきたことだ。

詳しく書くと長くなるので、詳細は各紙の朝刊をご覧のほど。
今回の記事のポイントはこちら。題して「豪ドル、暴落?」。図の表記は「豪ドル/円」だが、図の中身は「円/豪ドル」。右肩下がりということは、豪ドルに対して円が下がっている、言い換えると少ない円で豪ドルが買えるから豪ドルに対しては円高、しかも図の左上から右下に一気に下がっているから円の「大暴騰」、もしくは豪ドルの「大暴落」である。データに嘘はないので、円が米ドルに対して20年ぶりの円安というのに、豪ドルに対しては円高なのか?

あらかじめ断っておくが、上図や上記の記述は100%正しい。しかし、但し書きが付く。図は5分ごとの為替レートの推移を示したものなのでタイムスパンは短く、直近7時間ほど値動きである。また右の縦軸にあるように、値動きの幅は80銭に過ぎない。グラフに嘘はないが、横軸と縦軸もきちんと認識しないと、とんでもない認識の間違いを起こすし、また故意に誤解を期待して表示される図も少なくない。この図に関して言えば、要するに、地べたを這う虫の目のように近視眼的に見たものであって、部分的に正しくても大局的には勘違いもいいところ。
新型コロナにおける日本の感染状況の報道がまさにこのパターンで、前日に較べて増えたとか減ったとか、それも国内だけの話で大騒ぎしていたのと実は完全なアナロジーになっている。
では、マクロとまではいかないが普通の人間の目で見た円/豪ドルの推移がこちら。約4か月間の値動きで、縦軸の幅は14円ほどである。上図の5分足は下図の右上の赤い四角の枠のさらに一部に過ぎない。円が、豪ドルに対しては円高になるわけはないことは、人間の目でみれば明らか。
新型コロナに対して虫の目で騒いでいる人たちと一線を画してきたが、ちょうどよい実例だったのでひとこと書いてみたくなった、円安とは関係ないけれど。

13日の外国為替市場で円相場は対ドルで一時(注:15時過ぎ)1ドル=126円台前半まで下落した。約20年ぶりの安値となった。止まらない下落は資源高によるマネーの海外流出を、輸出増加でカバーできない経済構造に変化したことが大きい。経常収支の赤字が定着するとの見方も浮上。金融緩和をやめられず、国内外の金利差拡大も続く。エネルギー価格の高止まりで円安が続けば、物価高が個人消費への打撃となる恐れ.
13日午後に円安が加速したのは、同日の信託大会で日銀の黒田東彦総裁が「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言したことがきっかけだ。米国などが金融引き締めに動き金利の上昇の勢いが増すなか、金融緩和を続ける日本では低金利が続く。内外金利差が広がるとの読みが一段の円売りを招いた。

過去2000年以降の円ドルレートの推移に主な出来事を記した図をもあって、それなりに正しい情報提供の姿勢を評価。ただし、縦軸が上が小さな値でしたが大きな値と変則的な値の取り方になっているので注意。
また今回の記録的円安に対応した書き込みは「ロシアによるウクライナ侵攻(22/2))とあり、故意なのか図の作成者が無知なのかわからないが原油などの価格高騰等が起因のように書いているので、無知な人には円安の背景がウクライナ侵攻かの印象を与える。記事でも触れているとおり、にある通りで、金融緩和をやめられず国内外の金利差拡大も続くことと、記事では触れられていないが日銀、すなわち円に対する信認がゆらぎ始めていることが主因である。これは今に始まったことではなく、本質的には昔から書いてきたことだ。

詳しく書くと長くなるので、詳細は各紙の朝刊をご覧のほど。
今回の記事のポイントはこちら。題して「豪ドル、暴落?」。図の表記は「豪ドル/円」だが、図の中身は「円/豪ドル」。右肩下がりということは、豪ドルに対して円が下がっている、言い換えると少ない円で豪ドルが買えるから豪ドルに対しては円高、しかも図の左上から右下に一気に下がっているから円の「大暴騰」、もしくは豪ドルの「大暴落」である。データに嘘はないので、円が米ドルに対して20年ぶりの円安というのに、豪ドルに対しては円高なのか?

あらかじめ断っておくが、上図や上記の記述は100%正しい。しかし、但し書きが付く。図は5分ごとの為替レートの推移を示したものなのでタイムスパンは短く、直近7時間ほど値動きである。また右の縦軸にあるように、値動きの幅は80銭に過ぎない。グラフに嘘はないが、横軸と縦軸もきちんと認識しないと、とんでもない認識の間違いを起こすし、また故意に誤解を期待して表示される図も少なくない。この図に関して言えば、要するに、地べたを這う虫の目のように近視眼的に見たものであって、部分的に正しくても大局的には勘違いもいいところ。
新型コロナにおける日本の感染状況の報道がまさにこのパターンで、前日に較べて増えたとか減ったとか、それも国内だけの話で大騒ぎしていたのと実は完全なアナロジーになっている。
では、マクロとまではいかないが普通の人間の目で見た円/豪ドルの推移がこちら。約4か月間の値動きで、縦軸の幅は14円ほどである。上図の5分足は下図の右上の赤い四角の枠のさらに一部に過ぎない。円が、豪ドルに対しては円高になるわけはないことは、人間の目でみれば明らか。
新型コロナに対して虫の目で騒いでいる人たちと一線を画してきたが、ちょうどよい実例だったのでひとこと書いてみたくなった、円安とは関係ないけれど。

- 関連記事
-
- 円安の行方
- 円ドルレート:予測の検証
- 豪ドル、暴落?
- 新型コロナは空気感染
- 論理国語
スポンサーサイト
*Comment
Comment_form