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2022.09/22 [Thu]
円買い介入
世の主たる関心事は安倍元首相の国葬と統一教会問題らしいが、どちらもにしても人生に何の影響も与えないワイドショーみたいなどうでもいい話。現在というか今年の春から来年にかけての日本人にとって最大の問題はアメリカのFRBの利上げと円ドルレートの推移にある。そんな中、結果は予想通りとはいえ昨夜FRBが3会合連続となる通常の3倍の0.75%の利上げを決めた。一方、やはり想定通りとはいえ日銀は21~22日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策を維持する方針を決めた。
とあって、今日の日経新聞夕刊は派手な二本立ての見出し。

だからどうした?、という質問に対する答えが別記事のこちら。
22日の外国為替市場で円相場が下落し、一時1ドル=145円台を付けた。円が対ドルで145円台を付けるのは1998年8月以来およそ24年ぶり。米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が0.75%の利上げを決めた一方、日銀は政策を据え置き、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが膨らんだ。日本が金融危機にあった98年8月に付けた147円台の円安水準に急速に接近している。
(中略)ただ為替介入を実施してもファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は変わらないとの見方が多く、改めて円売り・ドル買いの流れが続いている。
以上はすべてシナリオ通りであることの確認に過ぎない話だった。ところが夜パソコンを開くと、ん!?!。円が141円台を付けている。このような事態も投機筋の動きとして予想範囲の一部ではあったが、そのきっかけが政府・日銀による円の為替介入だった。

政府・日銀は22日、1998年6月以来、約24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。日銀が22日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和を維持することを決め、利上げを進める米国との金融政策の違いから円安・ドル高に拍車がかかっていた。輸入物価の高騰で家計の負担増につながる円安を阻止する姿勢を示した。
(中略)
効果は限定的との見方がある。金利差を背景に円安・ドル高になりやすい構造は変わらない。円買い・ドル売り介入は手持ちのドルを売る必要があり、外貨準備の範囲内でしか実施できない。大規模な介入を繰り返すのは難しい。
政府としては、鈴木俊一財務相が以前より円安について「投機的な動きを背景に急速で一方的な動きが見られ、過度な変動を憂慮している。」と繰り返し述べていて、憂慮するぐらいならうちの孫でもできる、と言われないようにとのアリバイ作りの感が漂っている。新聞記事にあるように効果は一時的であるどころか、最後の手の内を見せてしまったのでむしろ円安がこれで加速する懸念さえ生じた。何時間効果があるのかわからないがこれが最後のドル買いのチャンスかもしれない(私は買わないけれど)。
なお、ここまでの円安は「投機的な動きを背景に」した流れではなく、「経済合理性による当然の帰結」によるものである。白を黒という詭弁で、分かって口にしているなら国民を欺く犯罪、本当にそう思っているなら最も財務相に向かない一人であろう。
今回鈴木俊一財務相は介入後の22日夜に財務省内で記者会見したそうで、為替は原則として市場で決まるものだと前置きしつつ、「投機による過度な変動が繰り返されることは決して見過ごすことができない」と理由を述べたそうだ。冒頭のFRBと日銀の正反対の金融政策が同時に明らかになったことを受けての145円割れの円安は、自然な経済の流れそのもの。一方、円買い介入により、政府は政府主導で自ら投機による過度な変動を招いている。
「投機による過度な変動が繰り返されることは決して見過ごすことができない」。自分が何をやっているのかすら理解していない財務大臣というか、政治家としての基本的認識能力も欠如してるように思われるこの発言。日経新聞はバカをさらすために敢えてそのままの言葉を引用しているのかもしれないが、この人、鈴木善幸氏の息子で岩手県の選挙区。
参考までにこれが今日の17時の円レートの推移。一時間で145円台から141円台まで暴落した。ゆっくり病人をやっている状況ではなさそうだ。

とあって、今日の日経新聞夕刊は派手な二本立ての見出し。

だからどうした?、という質問に対する答えが別記事のこちら。
22日の外国為替市場で円相場が下落し、一時1ドル=145円台を付けた。円が対ドルで145円台を付けるのは1998年8月以来およそ24年ぶり。米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が0.75%の利上げを決めた一方、日銀は政策を据え置き、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが膨らんだ。日本が金融危機にあった98年8月に付けた147円台の円安水準に急速に接近している。
(中略)ただ為替介入を実施してもファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は変わらないとの見方が多く、改めて円売り・ドル買いの流れが続いている。
以上はすべてシナリオ通りであることの確認に過ぎない話だった。ところが夜パソコンを開くと、ん!?!。円が141円台を付けている。このような事態も投機筋の動きとして予想範囲の一部ではあったが、そのきっかけが政府・日銀による円の為替介入だった。

政府・日銀は22日、1998年6月以来、約24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。日銀が22日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和を維持することを決め、利上げを進める米国との金融政策の違いから円安・ドル高に拍車がかかっていた。輸入物価の高騰で家計の負担増につながる円安を阻止する姿勢を示した。
(中略)
効果は限定的との見方がある。金利差を背景に円安・ドル高になりやすい構造は変わらない。円買い・ドル売り介入は手持ちのドルを売る必要があり、外貨準備の範囲内でしか実施できない。大規模な介入を繰り返すのは難しい。
政府としては、鈴木俊一財務相が以前より円安について「投機的な動きを背景に急速で一方的な動きが見られ、過度な変動を憂慮している。」と繰り返し述べていて、憂慮するぐらいならうちの孫でもできる、と言われないようにとのアリバイ作りの感が漂っている。新聞記事にあるように効果は一時的であるどころか、最後の手の内を見せてしまったのでむしろ円安がこれで加速する懸念さえ生じた。何時間効果があるのかわからないがこれが最後のドル買いのチャンスかもしれない(私は買わないけれど)。
なお、ここまでの円安は「投機的な動きを背景に」した流れではなく、「経済合理性による当然の帰結」によるものである。白を黒という詭弁で、分かって口にしているなら国民を欺く犯罪、本当にそう思っているなら最も財務相に向かない一人であろう。
今回鈴木俊一財務相は介入後の22日夜に財務省内で記者会見したそうで、為替は原則として市場で決まるものだと前置きしつつ、「投機による過度な変動が繰り返されることは決して見過ごすことができない」と理由を述べたそうだ。冒頭のFRBと日銀の正反対の金融政策が同時に明らかになったことを受けての145円割れの円安は、自然な経済の流れそのもの。一方、円買い介入により、政府は政府主導で自ら投機による過度な変動を招いている。
「投機による過度な変動が繰り返されることは決して見過ごすことができない」。自分が何をやっているのかすら理解していない財務大臣というか、政治家としての基本的認識能力も欠如してるように思われるこの発言。日経新聞はバカをさらすために敢えてそのままの言葉を引用しているのかもしれないが、この人、鈴木善幸氏の息子で岩手県の選挙区。
参考までにこれが今日の17時の円レートの推移。一時間で145円台から141円台まで暴落した。ゆっくり病人をやっている状況ではなさそうだ。

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