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風の行方とハードボイルドワンダーランド

再雇用の機会を捨て自由な時と空間を・・・ 人は何のために生まれてきたのだろうか? これから本当の旅がはじまる・・・

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イギリス人と日本人(完成版)

今日の朝刊の一面。お題は右の円150円台ではなく、トラス英首相辞任の方から。一面トップ記事とはいえいずれもこれまでの一連の流れの中の一コマにすぎないというと身も蓋もないが、トラス政権の政策に対するイギリス人の反応という視点で眺めると趣深い。
20221021朝刊

これまでのトラス政権と政策の略歴を10月18日の日経新聞が簡単にまとめて下さったので拝借。トラス氏は「減税を軸にした成長戦略」を掲げてスナク元財務相に勝った。政権発足直後の9月23日に発表した経済対策は、年450億ポンド(約7.4兆円)の大減税や半年で600億ポンドの家庭・企業向けエネルギー対策という未曽有の財政支出を伴う内容だった。

赤枠は筆者の設定で経済政策の概要と後に述べる金融市場の反応である。
トラス政権の歴史 20221018トラス政権

イギリスは強いインフレに晒されているにもかかわらず、大減税と大規模バラマキの実行に踏み切ろうとしたわけで、日本であれば拍手拍手で内閣の支持率も大幅アップだったであろう。現在の国会でも与野党、こっちのバラマキの方が大きいぞと競い合っているような国だから。

具体的にはこんな内容。英国のクワーテング財務相は23日、トラス新政権の当面の経済対策を発表し、公表済みのエネルギー価格急騰対策に10月からの半年間で約600億ポンド(約9兆4千億円)投じると表明した。2023年4月に予定していた法人税率の19%から25%への引き上げも正式に凍結する。財政再建をいったん棚上げし、経済の下支えを優先する。

クワーテング氏は23日の声明で「私たちの減税と改革は経済成長が優先事項であることを明確に示している」と語った。

政府は当面の資金調達は国債に頼る方針で、22会計年度の国債発行計画を624億ポンド引き上げた。クワーテング氏は「世界的なエネルギー危機下で、企業や家計を支援する一時的な対策のために政府が借金をすることは完全に適切だ」と強調した。


この発表を受けてか、23日(金)にポンドは急落、26日の外国為替市場で英ポンドが対ドルで急落し、一時1ポンド=1.03ドル台と変動相場制に移行した後の最安値を記録した。 ポンドを円に置き換えるとどこかの国で毎日見ている現象と同じ。

これがトラス政権発足前から辞任までのポンドの対ドル相場の推移。赤矢印が9月23日。
20221021ポンド推移

要するに、財源の裏づけのない財政出動と減税を発表した途端、英国トラス政権は市場から、通貨ポンドと英国債の暴落と言う強烈パンチを食らった形。

3月25日に「終わりの始まり!」という記事を書いた→こちら。その時に貼った図の再掲が下図。財政赤字の対GDP比をトップから順に並べた図で、燦然と中心に輝く日本の257%に対しイギリスは三回り外側の109%と日本の半分以下の規模。それにもかかわらずポンドと英国の債権は暴落した。

ではなぜ日本の財政赤字は日本売りにつながらないのか?本来なら日本国債は英国国債と同様暴落しそうなものだが、YCCと称して日銀は10年国債の指値オペを行っており、売りに出されると全て一定価格(0.250%)で買い支えている。その結果国債の暴落は回避されているためだろう。一方それゆえ政府発行の国債を日銀が大量に保有するという異常な状況が続いている。また今年になっての円の暴落の要因は日米金利差ということになっているが、実は日銀に対する信認が以前と比べて低下していることも隠れた理由で、円に関しては日本売りが始まっているのが実態かと思う(新聞テレビではコメントされないが)

20221021イギリス

話がそれたので元に戻ってイギリスの話。大幅な減税やバラマキしいては財政の不健全化の拡大に対して金融市場はNOだったが、イギリス国民はどう評価したのか。少なくとも与党内部では反論もあったようだし、10月15日の日経新聞には英調査会社ユーガブの直近の世論調査では保守党の支持率は23%にとどまり、最大野党・労働党の51%を大きく下回っている。とあって、国民の大半は反対だったようだ。

日本では安倍首相が新型コロナで困窮している人たちに30万円の給付を打ち出したところ、身内の公明党、野党、新聞テレビ、そして国民の多数派が不公平と騒いで、一人10万円の給付になった記憶が生々しくある。

イギリス国民と日本人、なぜこのような差が生じるのか?

ノルウェー滞在中、観光だけでなくビジネスでもしばしばイギリスを訪れた。その時に感じたのがイギリスは階級社会であること。勘違いではなく、実際その通りらしく今回いくつかの証拠を発見した。

・あるイギリス人のブログ記事、長くなるのでさわりだけ;
イギリスには、現在でも階級制度が存在します。存在するとはいっても、この制度が法律で定められているわけではありません。「人々の間に階級意識が浸透している」という方が正しいかもしれません。イギリス人は、階級によって、英語のアクセント・服装・読んでいる新聞が違います。彼らは、同じ階級同士で交わるのを好み、違う階級の人々を皮肉ります。

イギリスBBCが実施し、イギリスで過去最大規模となった階級調査がある。16万人が参加し、(中略)調査結果が、『7つの階級:英国階級調査報告』というタイトルの書籍として翻訳出版される。

故に、イギリスの世論はこれら上層階級の人々がオピニオンリーダーとなり、ポピュリズムと反する「健全な見解」が主流になる。一方日本は格差是正が金科玉条。社会主義のように働いても働かなくても能力があろうとなかろうと結果平等。その結果ポピュリズムが最大のパワーであり、新聞テレビに洗脳されて皆平等を主張すれば国が衰退し、皆が平等に貧乏になるだけ。

なのかな、などと思った。
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