Entries
2022.11/17 [Thu]
ビットコインの現在
先週から世の中でどの程度認識されているか知らないが、ビットコインの世界が大騒ぎになっている。ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)交換業大手の米国企業、FTXトレーディングに破産の噂が立ちそして破産した。
仮想通貨FTXが破産申請 同業が買収撤回 資金繰り難で(11/12朝刊)
FTXは160億ドル(約2兆2000億円)の顧客の預かり資産を持っていたとみられ、FTX日本法人も出金を停止 投資家は回収の見通せない状況に陥っているそうだ。ただ日本法人の預かり資産は昨年9月で173億円と大きくはないので、経済的にも社会的にも日本にとって直接的には影響も大きくないだろう。
ただ、世界的にはFTX、債権者100万人超か 裁判所資料 破産申請時「10万人超」なる記事が16日の夕刊にあり、アメリカ国内を含め世界的な経済状況にさざ波が生じるのは避けがたく、さらに暗号資産事態に対する将来的な信認も崩れかねないので結構深刻な問題のような気がする。
・ビットコインについて初めて記事を書いたのは5年前の2017年8月4日、まだビットコインって何?というレベルにまで達していない頃だった。記事のタイトルは「ビットコイン投機の薦め」。この時のビットコインの価格は1個30万円ほど。
記事の中で、10BTCぐらい買っておくと数年後に1000万円以上にはなるだろう。と記しており、ゆえにタイトルが「ビットコイン投機の薦め」 →こちら。
ただし自分では買わないとし、その理由の一つとして「リスクというか値動きは大きいと思われやはり暴落すれば心穏やかではなく、その手のストレスはもういらない」と書いている。
・続報が11月5日、「ビットコイン、あれから3か月」というタイトルで、ようやく世の中にビットコインの存在が意識され始めたということで、こう記している。この時のビットコインの価格は1個83万円ほどだった。
「東洋経済」誌の11月4日号の特集が「ゼロからわかるビットコイン」、新聞広告は1週間ほど前に掲載されていた。そこからだいたいの記事の内容を窺い知ることができる。もちろん買う気はない。更に4日の日経夕刊にページ全面を使ってビットコインの初心者向け記事が掲載されていた。ようやくビットコインの存在が一般化し始めた兆候と言って良い。→こちら
結びはこんな所感。
では後悔しているか?、全くしていないと書くと嘘のような気がするが、あまりしていないのも確か。要するにストレスの対価が自分にとっていくらか、という問題。もし10ビットコイン持っていればユーフォリア感もある一方、これだけ上がると暴落に対する恐怖感も同時に生じる。3か月間の心ここにあらず的な生活に対する報酬が500万円、どうなのだろう?。
・続いて11月28日、「ビットコイン、100万円達成!」。この記事、その後の1年以上のビットコインの価格推移をまるで水晶玉を見るように見事に言い当てた歴史的傑作。数多の経済専門家のxxストと呼ばれる輩がいかに信ずるに足りないかの証明になっている。せっかくなので長いが一部肝の部分を再掲する→こちら。
価格の推移から見て、一つはっきりしていることがある。それは価格のバブル化、典型的なバブルのパターンである。バブルが厄介なのはその天井がわからないこと。天井に至るまでは、世の中にこれほど美味しい投資はない。一週間で一割上がるということは数えきれないほどの年率の利回りになる。一方、あす暴落する可能性も否定できない。
ではどうするか?
ここから先はロシアンルーレットと同じ。単価が大きく値動きも大きいので、大袈裟に言えば生きるか死ぬかの勝負。まず、天井を合理的に予測することはできない。後に予想したという人が現れても、勘とか思い込みとか信仰とかと同じレベルの予想で、1000人が予想すれば一人ぐらい当たる人もいるだろう。予想もしくは期待無しでどうするか?
拳銃のシリンダーに6発装填できるとして6日間の勝負をする。1日目、上がればラッキー。2日目同左。3日目、実弾が入っている可能性は四分の一、以下5日目、実弾の可能性は50%、まさに生きるか死ぬか。多分ここで止めておくのが正解。もちろん1日目で暴落する可能性はある。こんなゲームを好きな人にはお薦めする。
・そして1年後、2018年11月25日付の「ビットコイン:その後」という記事で上記の予言の結果を示している。
→こちら
ビットコイン相場が急落している。70万円強/BTCで底ねりしていたが、ここ10日ほどで40万円強と4割の暴落。
下図の青の矢印が「ビットコイン投機の薦め」を書いた2017年8月4日、実際想定以上の早期に想定を超える暴騰をして2017年末には200万円を超えた。しかしやはり見立て通りに暴落した。

・そしてさらに2年が経過した2020年秋からまた暴騰を開始した。やはり暴騰暴落を繰り返し、2021年11月には770万円を超えるピークを記録した。ピークを形成したということは、それ以降はマクロに見てほぼ暴落。前回の記事は2022年6月の「ビットコインの暴落」→こちら。
それゆえそれなりの関心はあって、暴騰したのも知ってはいたが、不思議と「やっぱり買っていれば」という口惜しさはなかった。
もし買っていればそれなりの財産を形成していたかもしれない。一方日々の値動きも大きく、儲けが大きいだけに上がったら上がったで、下がったら下がったで、日々のストレスはかなりのもの。それも利益を得る対価としては当然なのだが、利益が巨利に昇る(10BTC=300万円が最大7000万円)となれば金銭感覚が狂う。暴騰暴落を繰り返すのは投資の常なので、下がったと思ったときに強気で買い増すことによって膨大なマイナスを抱え込んでいた可能性も否定できない、というかその可能性は大。
以上、前書きの方が長くなったが現状がこちら。この2年間でビットコインを買った人は全員が損を抱えている。価格はピークから3分の1になった。

この2週間の値動き(青の四角)。8月下旬の高値の320万円から見ても3割近く価値が下がった。欲に目が眩むことなく、節度をわきまえて賢いキリギリスとして遊んで暮らすのがやはり一番いいという実例だった。

仮想通貨FTXが破産申請 同業が買収撤回 資金繰り難で(11/12朝刊)
FTXは160億ドル(約2兆2000億円)の顧客の預かり資産を持っていたとみられ、FTX日本法人も出金を停止 投資家は回収の見通せない状況に陥っているそうだ。ただ日本法人の預かり資産は昨年9月で173億円と大きくはないので、経済的にも社会的にも日本にとって直接的には影響も大きくないだろう。
ただ、世界的にはFTX、債権者100万人超か 裁判所資料 破産申請時「10万人超」なる記事が16日の夕刊にあり、アメリカ国内を含め世界的な経済状況にさざ波が生じるのは避けがたく、さらに暗号資産事態に対する将来的な信認も崩れかねないので結構深刻な問題のような気がする。
・ビットコインについて初めて記事を書いたのは5年前の2017年8月4日、まだビットコインって何?というレベルにまで達していない頃だった。記事のタイトルは「ビットコイン投機の薦め」。この時のビットコインの価格は1個30万円ほど。
記事の中で、10BTCぐらい買っておくと数年後に1000万円以上にはなるだろう。と記しており、ゆえにタイトルが「ビットコイン投機の薦め」 →こちら。
ただし自分では買わないとし、その理由の一つとして「リスクというか値動きは大きいと思われやはり暴落すれば心穏やかではなく、その手のストレスはもういらない」と書いている。
・続報が11月5日、「ビットコイン、あれから3か月」というタイトルで、ようやく世の中にビットコインの存在が意識され始めたということで、こう記している。この時のビットコインの価格は1個83万円ほどだった。
「東洋経済」誌の11月4日号の特集が「ゼロからわかるビットコイン」、新聞広告は1週間ほど前に掲載されていた。そこからだいたいの記事の内容を窺い知ることができる。もちろん買う気はない。更に4日の日経夕刊にページ全面を使ってビットコインの初心者向け記事が掲載されていた。ようやくビットコインの存在が一般化し始めた兆候と言って良い。→こちら
結びはこんな所感。
では後悔しているか?、全くしていないと書くと嘘のような気がするが、あまりしていないのも確か。要するにストレスの対価が自分にとっていくらか、という問題。もし10ビットコイン持っていればユーフォリア感もある一方、これだけ上がると暴落に対する恐怖感も同時に生じる。3か月間の心ここにあらず的な生活に対する報酬が500万円、どうなのだろう?。
・続いて11月28日、「ビットコイン、100万円達成!」。この記事、その後の1年以上のビットコインの価格推移をまるで水晶玉を見るように見事に言い当てた歴史的傑作。数多の経済専門家のxxストと呼ばれる輩がいかに信ずるに足りないかの証明になっている。せっかくなので長いが一部肝の部分を再掲する→こちら。
価格の推移から見て、一つはっきりしていることがある。それは価格のバブル化、典型的なバブルのパターンである。バブルが厄介なのはその天井がわからないこと。天井に至るまでは、世の中にこれほど美味しい投資はない。一週間で一割上がるということは数えきれないほどの年率の利回りになる。一方、あす暴落する可能性も否定できない。
ではどうするか?
ここから先はロシアンルーレットと同じ。単価が大きく値動きも大きいので、大袈裟に言えば生きるか死ぬかの勝負。まず、天井を合理的に予測することはできない。後に予想したという人が現れても、勘とか思い込みとか信仰とかと同じレベルの予想で、1000人が予想すれば一人ぐらい当たる人もいるだろう。予想もしくは期待無しでどうするか?
拳銃のシリンダーに6発装填できるとして6日間の勝負をする。1日目、上がればラッキー。2日目同左。3日目、実弾が入っている可能性は四分の一、以下5日目、実弾の可能性は50%、まさに生きるか死ぬか。多分ここで止めておくのが正解。もちろん1日目で暴落する可能性はある。こんなゲームを好きな人にはお薦めする。
・そして1年後、2018年11月25日付の「ビットコイン:その後」という記事で上記の予言の結果を示している。
→こちら
ビットコイン相場が急落している。70万円強/BTCで底ねりしていたが、ここ10日ほどで40万円強と4割の暴落。
下図の青の矢印が「ビットコイン投機の薦め」を書いた2017年8月4日、実際想定以上の早期に想定を超える暴騰をして2017年末には200万円を超えた。しかしやはり見立て通りに暴落した。

・そしてさらに2年が経過した2020年秋からまた暴騰を開始した。やはり暴騰暴落を繰り返し、2021年11月には770万円を超えるピークを記録した。ピークを形成したということは、それ以降はマクロに見てほぼ暴落。前回の記事は2022年6月の「ビットコインの暴落」→こちら。
それゆえそれなりの関心はあって、暴騰したのも知ってはいたが、不思議と「やっぱり買っていれば」という口惜しさはなかった。
もし買っていればそれなりの財産を形成していたかもしれない。一方日々の値動きも大きく、儲けが大きいだけに上がったら上がったで、下がったら下がったで、日々のストレスはかなりのもの。それも利益を得る対価としては当然なのだが、利益が巨利に昇る(10BTC=300万円が最大7000万円)となれば金銭感覚が狂う。暴騰暴落を繰り返すのは投資の常なので、下がったと思ったときに強気で買い増すことによって膨大なマイナスを抱え込んでいた可能性も否定できない、というかその可能性は大。
以上、前書きの方が長くなったが現状がこちら。この2年間でビットコインを買った人は全員が損を抱えている。価格はピークから3分の1になった。

この2週間の値動き(青の四角)。8月下旬の高値の320万円から見ても3割近く価値が下がった。欲に目が眩むことなく、節度をわきまえて賢いキリギリスとして遊んで暮らすのがやはり一番いいという実例だった。

- 関連記事
-
- 円高?の行方
- 77777
- ビットコインの現在
- 大盤解説会
- 新宿西口‐昭和35年(2)
スポンサーサイト
*Comment
Comment_form